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ニュースリリース

TI、モバイル・コンピューティングの新時代到来を告げる新型マルチ・コア『OMAP™4』アプリケーション・プラットフォームを発表

2009年02月17日

明日のモバイル機器のビジョンを現実のものにする
高性能、低消費電力、機能検証済の新型プラットフォーム

SCJPR-09-013 2009年2月17日

テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、会長、社長 兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称:TI)は本日、スマートフォンおよびMID(モバイル・インターネット・デバイス)のメーカー各社において、モバイル製品市場の未来形を創出する新型の『OMAP™4』モバイル・アプリケーション・プラットフォームを発表しました。『OMAP4』プラットフォームは、1080pビデオの再生および録画、20メガピクセル(2千万画素)のイメージング、および約一週間ものMP3オーディオ再生をはじめとした、これまでにない豊富で素晴らしいマルチメディアのユーザー体験を提供します。この新しいプラットフォームは、世界市場で一般的な現行のスマートフォンと比較して、10倍高速なウェブページのロード、7倍を超えるコンピューティング性能、6倍のビデオ分解能、10倍のグラフィックス性能、および6倍のオーディオ再生時間をはじめ、大幅な性能向上および再生時間の延長を提供します。


『OMAP4』プラットフォーム関連のリンク


『OMAP4』プラットフォームの心臓部は、電力効率と高性能が完全にバランスしたパワフルなシステム・オン・チップ構成となっています。『OMAP4』プラットフォームは、次の4つのメイン・エンジン間でバランスの取れた処理を実行します。

マルチメディア・エンジンは、TIのプログラマブルな『C64x』DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)ならびに高い電力効率のマルチ・フォーマット対応ハードウェア・アクセラレータから構成されます。
汎用プロセシング・エンジンは、SMP(シンメトリック・マルチプロセシング)をサポートするとともに、1個のコアあたり1GHz(ギガヘルツ)を超える動作速度を誇るデュアル・コアの『ARM®Cortex™-A9 MPCore™』プロセッサです。
高性能のプログラマブル・グラフィックス・エンジン、およびISP(イメージ・シグナル・プロセッサ)エンジンは、他に例のないビデオおよびイメージング性能を実現します。
さらに『OMAP4』プラットフォームには、包括的なソフトウェア・セット、パワー・マネージメント・テクノロジー、その他のサポート用コンポーネンツも用意されており、モバイル・コンピューティング性能を備えた低消費電力のデバイスを構成するために必要な基本要素を提供します。

TIのワイヤレス・ビジネス責任者兼シニア・バイスプレジデントのグレッグ・デラギ(Greg Delagi)は次のように述べています。「TIは過去10年間に渡り、顧客が新しい市場トレンドに迅速かつ容易に対応するというニーズに応えるため、高性能と低消費電力が最適にバランスした『OMAP』製品ラインの供給に注力してまいりました。新型の『OMAP4』プラットフォームは、スマートフォンやMIDの性能・機能の限界を一新する、全く新しいモバイル機器を実現します」

モバイル機器のメーカー各社は、45nm(ナノメートル、1ナノメートル = 10億分の1メートル)プロセス・テクノロジーで製造された『OMAP4』プラットフォームを使用することで、今後のモバイル端末に予想される各種アプリケーションに対応すると同時に、想像もされていない新規アプリケーションをもサポートできる十分な性能上の余裕とプログラマビリティを提供します。この新型プラットフォームはポピュラーな主要オペレーティング・システムをサポートするとともに、現実のさまざまな使用状態について機能を検証する予定であり、またモバイル・コンシューマ機器のユーザー体験に含まれる数多くの要素に充分配慮しているのでアプリケーションの作成をより簡素化し、モバイル端末メーカー各社の市場投入時間の短縮に役立ちます。


『OMAP4』プラットフォームの主な特長

  • 次世代アプリケーションに対応するために必要なモバイル向けコンピューティング性能、進歩したマルチメディア機能、それに追加の性能上の余裕、および高い柔軟性を提供。
    プログラマビリティとマルチ・コアによる高性能というパワフルな組合せによって、新規、および新生の各種アプリケーション、ならびに各標準規格をサポートする柔軟性を提供します。『OMAP4』ファミリーの最初の製品は、次のような機能を備えた『OMAP4430』および『OMAP4440』です。
    • 4個のパワフルな高性能プロセシング・エンジンを搭載
      • 汎用プロセシングは、SMPをサポートするデュアル・コア『Cortex-A9 MPCore』プロセッサを搭載
      • プログラマブルのマルチメディア・エンジンとして、TIの『C64x』DSP、および高い電力効率のマルチ・フォーマット・ハードウェア・アクセラレータを搭載
      • 『POWER VR™ SGX540』グラフィックス・エンジン
      • 専用のイメージ・シグナル・プロセッサ
    • 1080pフル・スペック、マルチスタンダードHD(高品位)ビデオの再生および録画
    • 20メガピクセルのイメージング処理機能によるデジタルSLR(一眼レフ)カメラ相当の性能
    • 活き活きとしたグラフィックス、直観的なタッチ・スクリーン操作、WSXGAを超える大画面の組み込みディスプレイ、およびHDMI互換の外部ディスプレイをサポートする3Dユーザー・インターフェイス
    • 膨大なマルチメディア性能を提供しつつ、同時に長時間のバッテリー動作も可能とする、業界をリードするパワー・マネージメント・テクノロジー
      • 1080p HDビデオにおいて10時間以上の再生時間、および4時間以上の録画時間を実現
      • CDクオリティの高音質で140時間を超えるオーディオ再生
  • 先進のモバイル向けオペレーティング・システムを最も広範囲にサポートし、また実際の使用例で検証済の包括的なソフトウェア・セットをサポートすることで、製品の市場投入時間を短縮。
    『OMAP4』プラットフォームは、Android Mobile PlatformやLimoなどのLinuxから派生したモバイル向け組み込みOS、ならびにSymbian OS™、およびMicrosoft® Windows® Mobileなどをサポートする予定です。また、『OMAP4』プラットフォーム向けのソフトウェアは、アプリケーション・レベルまで試験・検証済であり、開発期間を大幅に短縮できます。設計作業をより簡素化する『OMAP4』プラットフォームの特長を次に示します。
    • TIの現行および今後のWiLink™ WiFiソリューション、NaviLink™ GPSソリューション、BlueLink™ Bluetooth®ソリューションをはじめとする複数の異なるモバイル接続機能の事前インテグレーションとサポート
    • 『OMAP4』プラットフォームと各種外部モデムとの接続作業を簡素化する、検証済のモデム・インターフェイス・ソフトウェア
    • 『OMAP4』プラットフォームの性能要件に適合するよう特に設計された、新型のパワーおよびオーディオ・マネージメント・ソリューションである『TWL6030』および『TWL6040』コンパニオン・チップを提供
    • 『DLP® Pico』プロジェクション・テクノロジー、アナログ構成部品、およびその他の補完テクノロジーをはじめとする、『OMAP4』プラットフォームに最適化された広範囲の周辺デバイス・ポートフォリオ
  • 素晴らしいユーザー体験、および飛躍的なモバイル・コンピューティング性能を提供し、革新的な製品を生み出すための高い柔軟性を備えた開放型プラットフォーム。
    TIはオープン・ソース・ソフトウェアおよび開発ツール群、ならびに膨大なサードパーティ・ネットワークへの強力な取り組みによって、『OMAP』モバイル・アプリケーション開発各社の大規模なワールドワイドのコミュニティを構築しました。この取り組み、および『Zoom OMAP Mobile Development Platform』をはじめとする高い適応性を備えた開発ツール群によって、開発各社は、現在想像もされていない新らたな素晴らしいユーザー体験を構築できるようになります。


供給について
TIの『OMAP4』プラットフォームおよび開発ツール群のサンプル供給は2009年後半、また量産出荷は2010年後半に予定されています。これらの製品はモバイル端末メーカー各社向けでありTIの販売特約店からは供給されません。

『OMAP4』プラットフォームに関するコメント
ARMのEVPマーケティング担当のイアン・ドリュー氏(Ian Drew)は次のように述べています。「当社の『ARM Cortex-A9 MPCore』マルチ・コア・プロセッサを搭載したTIの『OMAP4』プラットフォームは、SMPによるモバイル・コンピューティングの新時代を拓く製品であることから、業界に大きな影響を与えます。このことで、モバイル機器に要求される電力範囲を維持しながらも飛躍的な性能向上を実現すると同時に、その他の『Cortex』製品ファミリーとの互換性も提供します。『Cortex-A9 MPCore』マルチ・コア・プロセッサ搭載のモバイル機器は、より速い応答性、より高い性能などのユーザー体験によってエンドユーザーを喜ばせるとともに、バッテリー動作時間の延長によって感謝されることでしょう」

Infineon Wireless Solutionsの事業部長であるWKタン氏(WK Tan)は次のように述べています。「これまで長期間に渡り、TIの『OMAP』テクノロジーは、最先端の性能と新規の素晴らしい機能群のサポートによって高い評価を得てきました。『OMAP』テクノロジーと当社のモデム製品の組合せは、モバイル端末メーカー各社が新製品を発表する際にしばしば採用されています。当社では、『OMAP3』プラットフォーム上に当社のモデム・テクノロジーを容易に統合できることが顧客各社の採用を促進したことも高く評価しており、次世代の『OMAP4』ソリューションでの共同作業にも期待しています。顧客各社は、当社のモデムを統合することで、魅力的な形状と長いバッテリー動作時間を提供するパワフルなモバイル機器を開発できるようになります」

In-Statのチーフ・テクノロジー・ストラテジストであるジム・マグレガー氏(Jim McGregor)は次のように述べています。「インターネットが通信、エンターテインメント、およびコンピューティングの中心的な要素となってくるにつれて、モバイル機器の性能が新しいレベルに押し上げられてきました。また、新機種および新分野が現れることで既存の機種との世代交代が進みます。『OMAP4』プラットフォームは、デュアル・コアの『ARM Cortex-A9 MPCore』プロセッサの十分な性能、強力なソフトウェア・サポート、高い柔軟性のI/Oインターフェイス、1080p HDビデオおよび20メガピクセルのカメラ機能をはじめとしたハイエンドのマルチメディア機能の組合せに裏打ちされた、柔軟性の高いアーキテクチャにより、次世代のモバイル機器を実現していくと確信しています」

InterDigitalのビジネス・デベロップメント担当エグゼクティブ・バイスプレジデントであるマーク・レモ氏(Mark Lemmo)は次のように述べています。「TIの『OMAP4』が提供する最先端のマルチメディア機能と、当社のHSPA高性能モデムを組み合わせることで、急速に成長するスマートフォンおよびMID市場向けに、非常に高い魅力を持ったソリューションを構築できます。当社のコンパクトな『SlimChip MID Module』を統合することで、より優れた性能を備えた『OMAP4』プラットフォームに瞬時のワイヤレス接続機能を追加できることから、将来のさまざまな革新的なモバイル機器を実現できます」

Microsoft Corporationのコーポレート・バイスプレジデントであるトム・ギボンズ氏(Tom Gibbons)は次のように述べています。「当社はTIの『OMAP』プロセッサ・テクノロジーの発展に興奮をおぼえます。当社のWindows Mobileと『OMAP』プラットフォームの組合せは過去何年にも渡り、スマートフォン市場分野に数多くの機会を創出してきました。そして現在、TIの『OMAP3』プロセッサと当社のWindows Mobile 6.5は、両社が継続的に供給してきた大きな可能性についての大きな実例となっています。当社は『OMAP4』プロセッサ製品ファミリーについての、TIとの更なる協力関係に期待しています」

Symbian Foundationのエグゼグティブ・ディレクターであるリー・ウイリアムズ氏(Lee Williams)は次のように述べています。「TIは、Symbian Foundationの創立メンバーとして、永年にわたってSymbian OSをサポートするとともに、このプラットフォームの革新にも取り組んできました。今回の『OMAP』製品ポートフォリオの拡張についての発表は、モバイル製品およびサービスの性能を進歩させるために非常に重要なSMPなどのハードウェア・アーキテクチャへのサポートを提供することから、大いに歓迎しています」


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