ワイヤレス・パワーおよび非接触型充電に関する各種テクノロジーを集約し
世界的な汎用ソリューションの供給、およびエレクトロニクス製品の
利便性向上を促進するための協力関係を確立

ご参考資料
SCJPR-08-109 2008年12月24日

エレクトロニクス製品の充電機能の利便性向上を目的とした業界団体「Wireless Power Consortium」（略称: WPC 以下 WPコンソーシアム）が、12月18日に香港のサイエンス・パークにおいて第一回カンファレンスとして立ち上げられました。

このWPコンソーシアムには、ConvenientPower Limited（コンビニエント・パワー）、Fulton Innovation LLC（フルトン・イノベーション）、Logitech SA（ロジーテック）、National Semiconductor Corporation（ナショナル・セミコンダクタ）、Royal Philips Electronics N.V.（フィリップス）、Sanyo Electric Co. Ltd.（三洋電気）、Shenzhen Sang Fei Consumer Communications Co. Ltd.（深圳桑菲消通信有限公司）、それにTIの日米欧中8社が参加しています。

充電に関する深刻な問題を解決
現在、ワイヤレスで電力を伝送し、エレクトロニクス機器を充電する非接触型充電テクノロジーは、電動歯ブラシなど一部の製品において実用化されていますが、現在のテクノロジーでは、異なるブランドの電源からの充電、あるいは共通する1台の電源から複数のポータブル機器を充電することができません。

数多くのユーザーが携帯電話、インターネット対応機器、ポータブルの音楽およびビデオ・プレーヤーなどの機器を複数所有していることから、たくさんの充電コードや、重くかさばるACアダプターの使用が煩雑となり、製品の利便性を低下させています。この深刻な問題はさらに拡大しつつあります。ABIリサーチ社の調査によれば、2008年には携帯電話だけでも世界で13億台（*注）が販売されると予測されています。さらにBluetooth、ポータブルの音楽およびビデオ・プレーヤー、デジタルカメラ、ゲーム機器、ノートPCなどの機器を加えれば、充電機能が必要なポータブル・エレクトロニクス機器は膨大な数に達します。より多くの充電コードが必要となることで、腐食や破損などの可能性による充電機能の信頼性低下にもつながります。
*注: ABIリサーチ社の”Business Wire” （2008年7月31日）による

非接触型充電に関する普遍的な標準規格を確立することで、この標準規格に準拠するエレクトロニクス製品と充電ステーションが互いに認識し合い、充電動作を実行できるようになります。そして、同一のバッテリーおよび充電ステーションを使用することで、異なるブランドの異なるポータブル機器を自動的に充電できるようになります。

ワイヤレス・パワー機能をソリューションとして供給
WPコンソーシアムは、充電ステーションに近接した製品のみに電力を伝送する機能を備えたワイヤレス・パワー・テクノロジーを扱います。この機能によって、充電ステーションに内蔵されたトランスミッタは、目的のポータブル機器内のレシーバに、エネルギーを安全かつ高効率で伝送できます。

このテクノロジーでは、100年を超える歴史を持つ電磁誘導の原理を用いて電力を伝送します。電磁誘導、すなわち変圧器のテクノロジーは、シンプルで高効率、かつ安全であることから、あらゆるエレクトロニクス装置で使用されています。この電磁誘導の技術によって、近接のデータ伝送や他の機器への妨害を発生せずに、迅速なバッテリー充電を実現します。また水、砂、埃などが存在する環境においても、高い信頼性を保持できます。

TIのバッテリー・チャージ・マネージメント製品の責任者であるマスード・ビヘスティ（Masoud Beheshti）は次のように述べています。「このワイヤレス・パワーに関する世界的なイニシアチブに参加することに興奮をおぼえます。ワイヤレス・パワーおよび非接触型充電向けの共通の標準規格を確立することは、この分野の製品の市場受け入れの促進に役立つのみならず、すべてのユーザーに高い利便性を提供すると確信しています」

ワイヤレスパワーコンソーシアムについて
WPコンソーシアムでは、まず携帯電話、ポータブルの音楽およびビデオ・プレーヤー、コンピュータおよびゲーム・アクセサリーをはじめとした5W（ワット）以下の電力で動作する低電力のエレクトロニクス機器向けの標準規格を確立します。その後、より高電力のポータブル・エレクトロニクス機器および電子装置向けの標準規格を制定する予定です。

また、WPコンソーシアムでは、コンソーシアム情報の広報、新規の参加者の招致、参加各社間の情報交換などを目的として、共同のウェブサイトを設置しています。詳細に関しては http://www.wirelesspowerconsortium.com （英文）から参照できます。

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