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ニュースリリース

日本TI、最新32/64ビット浮動小数点DSP搭載の高集積SoC、第三世代Aureus™製品を発表

2008年12月15日

HDオーディオの再生能力に加え、USBメディア再生、
インターネット・ラジオやDLNAなどのネットワーク・オーディオに1チップで対応

SCJPR-08-107 2008年12月15日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、第三世代のAureus™(読み:オーリアス)デジタル・オーディオ・プロセッサの『DA830 Aureus™』および『DA828 Aureus™』を発表しました。この『DA8x Aureus™』ファミリーは、ARM9™アプリケーション・プロセッサと最新の浮動小数点DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)コア『C674x』の高集積SoCでネットワーク・オーディオアプリケーションに必要な広範囲のペリフェラルを組み合わせています。『DA8x Aureus』により、ブルーレイディスクに収録されているHDオーディオの高品質なサウンドを楽しむと同時に、手軽にUSBメディアに格納されたMP3などの各種圧縮ファイル再生やネットワーク経由で音楽をストリーミング再生するといったネットワーク対応のコンシューマ製品向けに高性能でコスト効率に優れたソリューションを提供することが可能になりました。ひとつのオーディオ製品で、HDオーディオの最高音質を追及することに加え、より容易かつ迅速に、音楽コレクションやインターネット・ラジオへのアクセス、といったニーズに対応します。 本件に関する詳細は http://www.tij.co.jp/DA8x から参照できます。

オンキヨー株式会社 執行役員事業開発本部長 奥田 伸明氏は次のように述べています。「この数年間、当社はTIと協力して新しいオーディオ・プロセッサの開発に取り組んできました。顧客からの最新機能搭載の要求は年々強まっており、当社は真に競争力のある製品を市場に先駆けて提供しなければなりません。TIが提供する最先端の機能とパフォーマンスによって、当社はオーディオ/ビデオ・レシーバ(AVR)市場において常に革新的な製品を投入することができます」

高いコストパフォーマンスのメディア・ネットワーク接続オーディオ機器
現在、インターネット、PC、ホーム・メディア・サーバ、それにネットワーク接続ストレージ(NAS)デバイスからの音楽再生は、専用機器や一部のハイエンドのAVRシステムのみで可能です。TIの『DA8x Aureus』ソリューションを活用することで、オーディオ機器各社は、より普及帯価格製品群に対しても高品質と手軽さを兼ねそろえたメディア・ネットワーク対応製品を提供することができます。300MHz動作の『ARM926EJ-S』コアによってメディア・ネットワーク接続のためのアプリケーションを実行し、並行して300MHz動作の32/64ビット DSPコアによってHDオーディオのデコード+ポスト・プロセッシングを実行します。ペリフェラルに二個のUSBマスストレージクラス接続ポートやSD/MMCインターフェイス、ポータブル・オーディオ・プレーヤー接続に必要なインターフェイス、ならびにインターネット接続へのEthernet MACをワンチップに集積したことによって、システム・コストの大幅な削減とチップ占有面積の削減に寄与します。

オーディオ・プロセッシングのパフォーマンス改善
『DA8x Aureus』は新開発の32/64ビットDSPコア『C674x』を搭載することにより、パフォーマンスとメモリーの効率化を実現しました。『C674x』は、業界最高水準の『C64x+』コアをベースに浮動小数点演算をハイブリッドしたDSPコアで、浮動小数点演算のみならず固定小数点演算に対しても最高のパフォーマンスを発揮します。この最新DSPコアによって、ロスレスHDデコーダのための演算負荷が約20%改善、コードサイズも約25%削減されるため、『DA8x Aureus』はDTS-HDやDolby® True HD 7.1チャネル・デコードを規格最高の周波数である192kHzで処理しても余裕があり、差別化されたポスト・プロセッシング・アルゴリズムを同時に実行するためのヘッドルームとメモリーをOEM各社に提供することができます。

プログラミングが容易に
『DA8x Aureus』は各種ドライバーやアプリケーションが豊富である業界標準のOS(オペレーティング・システム)をサポートすることによって、OEM各社は市場への投入時間を短縮できます。さらに、開発者が各種アプリケーションと業界最多で業界で最も実績のあるオーディオ再生DSPソフトウェア、ならびに差別化されたオーディオのポスト・プロセッシング・ソフトウェアを効率的に開発できる『Networked AVR Software Developer’s Kit(nAVR SDK)』を提供しています。

TIは、『nAVR SDK』の一部として、『ARM926EJ-S』コア向けに業界標準のLinux OSをバンドルしており、その他のLinux OS向けプログラミング・ツールおよびサポートは、Monta Vista社と提携しトータルでソリューションを提供します。さらに、多数のパートナー各社からもインターネット・ラジオおよびDLNA/uPNPをはじめとする『DA8x Aureus 』プラットフォーム向けの各種アプリケーションの提供が可能です。

また『nAVR SDK』に含まれるDSPソフトウェア・キットとして、HDオーディオ・デコーダをオンチップのROMに統合し、AVRに必要な業界標準のマルチ・チャネル・デコード機能およびポスト・プロセッシング・アルゴリズムを含む『Performance Audio Framework (PAF)』を提供します。この『DA8x Aureus 』向けの『PAF』は、既存のAureus製品とソフトウェアの互換性があり、OEM各社やオーディオ業界のサードパーティー各社がこれまでに開発したあらゆるAureus製品向けポスト・プロセッシング・アルゴリズムはすべて『DA8x Aureus』プラットフォームで再利用可能で、ホスト通信仕様においても第一世代の『DA6x Aureus』、第二世代の『DA7x Aureus』と共通を保つことにより、ホストCPU開発者は第三世代Aureusへスムーズに移行が可能となります。

TIのプロダクト・ライン・マネージャであるデビッド・メープルス(David Maples)は次のように述べています。「TIは、第二世代までのAureus製品ラインアップの著しい成功により、業界で初めてAVR市場へ向けたHDデコーディング・ソリューションを提供することができました。TIは引き続きこの『DA8x Aureus』ファミリーをもって、斬新的な機能を搭載するAVRなどの製品向けソリューションを提供するテクノロジ・リーダーとして努めてまいります。『DA8x Aureus』によりメーカー各社は、フルプログラム可能なARMおよびDSPコアを活用して、差別化できる製品を開発するとともに、市場要求が高いインテリジェント・ボリューム機能や自動音場補正機能、およびメディア・ネットワークへの接続機能をはじめとするハイエンドの機能をより普及帯レンジのオーディオ・システムにも搭載できるようになります」

価格と供給について
『DA830 Aureus』および『 DA828 Aureus』は現在サンプル出荷中で、100個量産受注時の単価(参考価格)は19.44ドルです。EVM(評価モジュール)は、Spectrum Digital社から供給されます。EVMの詳細、購入に関しては弊社特約店にお問い合わせください。

製品に関する情報は下記をご参照ください


※ AureusはTexas Instrumentsの商標です。その他、すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。