2008年11月13日
TIのClass-Dアンプ・ファミリーを拡張し
システムの柔軟性を向上する新型デバイス
SCJPR-08-098 2008年11月13日
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、自動車業界特有のニーズに適合した、車載市場向けの高効率Class-Dオーディオアンプ・ファミリーである『TAS54xx』を拡張する新型デバイス、『TAS5412』および『TAS5422』の2品種を発表しました。これらの新型Class-Dアンプ製品は、より高い集積度とチャネル設定の柔軟性を提供することから、車載オーディオ用ヘッド・ユニットおよび外付けアンプなどのアプリケーションの設計において、システム・コストを最高50%低減できます。これら新製品は、『TAS54xx』ファミリーに共通した高いEMC(Electro-Magnetic Compatibility、電磁環境適合性)性能、およびオーディオ性能とともに、より高いシステム・レベルの柔軟性を提供します。本件に関する詳細は http://www.tij.co.jp/tas5412から参照できます。
『TAS5412』はシングルエンド入力、『TAS5422』は差動入力であり、TIの既存の4チャネルClass-Dアンプ製品である『TAS5414A』および『TAS5424A』と組み合わせることで、より高い柔軟性を提供します。2チャネルまたは6チャネルが必要な車載用オーディオ・システムにおいては、高い実装レベルを保ちながら、これらのスピーカー数に、より効率的に適合できることから製品の設計を最適化できます。さらに、『TAS5412』および『TAS5422』は、車載用オーディオ・システム内で、マイクロコントローラなしで動作できるよう設計されていることから、システム・レベルのコストを削減できます。
『TAS5412』および『TAS5422』は、より高いEMC性能を提供することで、車両内の他の電子システムとの間の有害な電磁干渉を防止できます。これらの新型アンプは、市場で実績を持つ『TAS54x4A』に搭載された特許申請中のテクノロジーを搭載し、不要放射ノイズに関する国際規格であるCISPR-25 Level 5の規制値、ならびに数多くの車載市場向けの要求条件を超える性能を持ち、ハイパワーのオーディオ・システムから自動車内で動作する他の回路への電磁干渉を低減し、安全性を確保します。
また『TAS5412』および『TAS5422』は、より高い電圧および電流能力をサポートしていることから、実装密度やシステム構成などの理由からオーディオ・パワーアンプの発熱の低減が必要なアプリケーションにおいて、より高い最大出力電力を実現できます。さらに『TAS5412』および『TAS5422』は、車載アプリケーションに共通する厳しい電磁環境において優れた電源雑音除去比を提供する、特許取得済のPWM(パルス幅変調)回路も内蔵しています。
供給、価格、パッケージについて
現在、『TAS5412』および『TAS5422』はサンプル出荷中で、量産出荷は2009年第1四半期に予定されています。1,000個受注時の単価(参考価格)は、『TAS5412』が5.30ドル、『TAS5422』が5.80ドルです。それぞれの製品の詳細に関しては http://www.tij.co.jp/tas5412およびhttp://www.tij.co.jp/tas5422から参照できます。両製品ともに、AEC-Q100認証( 注1)の取得も予定されています。
『TAS54xx』ファミリーのその他の製品の特長、パッケージ、1,000個受注時の単価(参考価格)は以下のとおりです。
製品名 | 特長 | パッケージ |
1,000個受注時の単価 (参考価格) |
TAS5414ATDKD | シングルエンド入力 | 64 ピンQFP | 10.00 ドル |
TAS5414ATPHD | アナログ入力 | 36ピンPSOP | 8.80ドル |
TAS5424ATDKD | 差動入力 | 44ピンPSOP | 10.75ドル |
TAS5424ATPHD | アナログ入力 | 64ピンQFP | 9.50ドル |
TIの車載市場向け製品ポートフォリオを拡張
『TAS5412』および『TAS5422』は「ISO/TS16949」認証(注2 )を取得済みのTI内の各事業拠点において開発、製造された車載市場向け製品ポートフォリオを拡張する新製品です。TIでは様々な要件を持つ車載製品向けに、30年以上に渡って各種ソリューションを供給してきた経験と専門知識を元に、自動車メーカー各社が市場で成功するために必要な高い品質、信頼性、およびコスト低減などの目標達成に貢献する包括的な製品とサポートを提供しています。その他のTIの車載向け製品の詳細に関しては、http://www.ti.com/auto(英文)をご参照ください。
注1: AEC-Q100:米国の自動車業界がIC(集積回路)向けに仕様等を定めた業界標準規格。
注2: ISO/ /TS16949:自動車業界の品質管理システムの国際規格。
『TAS5412』および『TAS5422』の特性表
項目 | TAS5412 | TAS5422 |
入力回路 | シングルエンド入力 | 差動入力 |
スピーカー・チャネル数 | 2 | 2 |
出力電力 | 100 W | 100 W |
負荷インピーダンス (Min) | 2 Ω | 2 Ω |
電源電圧範囲 | 8 V ~ 24 V | 8 V ~ 24 V |
半値出力THD+N (1kHz) | 0.04 % | 0.047 % |
チャネルあたり静止電流 Iq (Typ) | 40 mA | 40 mA |
シャットダウン時電流 ISD | 2μA | 2μA |
PSRR | 75 dB | 75 dB |
動作温度範囲 | -40 ℃ ~ +105 ℃ | -40 ℃ ~ +105 ℃ |
ピン/パッケージ | 64ピンHTQFP | 64ピンHTQFP |
定格 | データシート参照 | データシート参照 |
1,000個受注時の単価(参考価格) | 5.30ドル | 5.80ドル |
※ すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。