通信インフラや軍用システム向けに 業界最良のENOB、SFDRおよびゲイン・フラットネスを提供する PowerWise® A/Dコンバータと差動アンプ

2008年11月6日

ナショナル セミコンダクター ジャパン株式会社（本社：東京都江東区木場2丁目17番16号、代表取締役ジェフ・ウォーターズ、資本金：42億750万円）は、2.5GHzの完全差動型アンプLMH6554と、変換速度がシングル入力信号では2GSPS（ギガサンプル/秒）、デュアル入力信号では1GSPSの10ビットADC（アナログ/デジタル・コンバータ）製品ADC10D1000を発売したと発表しました。両製品の組み合わせは、広帯域アプリケーション向けに比類ないシステムレベルのダイナミック特性と低消費電力を提供し、地上レーダーやデータ・アクイジション・システム、ポイント・ツー・ポイント基地局および次世代のセットトップ・ボックス（STB）に最適です。

ADC10D1000は、入力周波数248MHz時に66dBcという業界最高のスプリアス・フリー・ダイナミック・レンジ（SFDR）と、9.1ビットの有効分解能（ENOB）を提供します。単一の電源電圧で動作し、同等のADC製品に比べて33パーセントも低い総消費電力（2.8W）で、非常にハイレベルのダイナミック特性を実現します。この10ビットのADC10D1000を2.5GHzの広帯域幅完全差動型アンプLMH6554で駆動すると、最大800MHzの周波数まで0.1dBというクラス最高のゲイン・フラットネスを提供するほか、250MHz時に72dBcのSFDRと、業界をリードする0.9nV/√Hz（ナノボルト/ルートヘルツ）の低入力電圧ノイズ特性を提供します。

両製品とも優れた"性能対電力"比を特長としており、エネルギー効率の高いナショナルのPowerWise®ブランド製品に指定されています。ADC10D1000は1変換あたり2.52ピコジュール（pJ）の性能を、LMH6554は1MHzあたり21μAの消費電力を提供します。

業界最高のダイナミック特性と最も低い消費電力を提供するギガサンプルADC
業界最高のSFDRとENOBを実現したADC10D1000は、第1、第2および第3ナイキスト・ゾーンを通じて優れたダイナミック特性を維持します。こうした新たな性能レベルを達成したことにより、これまでは高分解能のサンプリングを行うためにナローバンドのADCを使用しなければならなかったアプリケーションで、広帯域幅のデジタル変換が可能になります。例えば、高分解能のレーダー・システムでは、少ないパラレル・チャネル数で同じ帯域幅のデジタル変換を行うことが可能になり、基板サイズと電力損失が大幅に低減します。ADC10D1000は消費電力が2.8Wと極めて低いため、-40℃から+85℃までの工業温度範囲にわたってヒートシンク不要の設計が可能で、スペースと重量を低減します。

ADC10D1000はまた、2チャネルのアナログ入力信号をそれぞれ最大1GSPS、もしくはシングルのアナログ入力信号を最大2GSPSのサンプリング・レートでデジタル変換します。マルチチップ同期のためのAutoSync、プログラマブル・ゲイン、チャネルごとのオフセット調整などの付加機能も内蔵しています。10-18という極めて低いコード・エラー・レートを提供しながら、内部トラック/ホールド・アンプと拡張セルフキャリブレーション・スキームにより、ナイキスト周波数を上回る周波数帯で、すべての動的パラメータの非常に平坦な応答を可能にします。ADC10D1000は、292ピンの放熱特性を向上させたBGAパッケージ（鉛フリー品も供給）で提供されます。

業界最高のダイナミック特性を提供する、完全差動型ギガヘルツ級アンプ
LMH6554は、8ビットから16ビットまでの高速ADCを駆動するための優れた信号忠実度を提供する、2.5GHz完全差動型アンプです。低インピーダンス差動出力により、ADC入力およびいかなる中間フィルタ段の駆動も可能です。LMH6554は、200Ωの負荷に対して75MHzの周波数まで2Vのピーク・ツー・ピーク電圧を、最大16ビットの直線性でドライブします。LMH6554は、外付けのゲイン設定抵抗と内蔵の同相帰還回路により、差動‐差動またはシングルエンド‐差動のどちらの構成にも使用でき、最大1.8GHzの大信号帯域幅、8dBのノイズ・フィギュア、6200V/μsのスルーレートを提供します。

LMH6554は、ナショナルの新しいCBC8シリコン・ゲルマニウム（SiGe）相補型バイポーラCMOSプロセス技術を採用しています。現在、業界で最も先進的なアナログ・プロセスの一つであるCBC8プロセスは、モノリシック回路で、SiGe NPNとPNPトランジスタの組み合わせ、低消費電力のCMOSトランジスタを特長とし、要求の厳しい高速アナログ・アプリケーション向けに、優れた高速性、直線性、回路密度、低消費電力および低ノイズを実現します。LMH6554は、-40℃から+125℃までの拡張温度範囲で動作し、放熱特性を向上させた省スペースの14ピン・フリップチップ・オン・リード（FCOL）パッケージで提供されます。

シグナルパス設計を迅速化するリファレンス・ボードとツール
ADC10D1000とLMX2531クロック・ソースおよびFPGA（フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ）で構成されるリファレンス・ボードは、ナショナルの新しいWaveVision 5ソフトウェアに直接インタフェースし、評価プロセスを簡素化します。WaveVision 5システムは、ナショナルのシグナルパス製品の評価作業をサポートする、使いやすい解析ツールです。例えば、ADC10D1000を、LMH6554アンプ、LMX2531シングルチップ、VCO（電圧制御オシレータ）内蔵PLL（フェーズ・ロック・ループ）、またはLMK04000クロック・ジッタ・クリーナ・ファミリ製品と組み合わせることにより、完全なシグナルパス・ソリューションを構成できます。

＜価格と供給＞
ADC10D1000とLMH6554は現在サンプル出荷中で、量産品の出荷開始は2009年第1四半期の予定です。ADC10D1000の価格、サンプルおよびリファレンス・ボードに関する詳細情報については、www.national.com/pf/DC/ADC10D1000.htmlをご覧ください。LMH6554の1,000個一括購入時の価格は4.50米ドルです。LMH6554の詳細情報およびサンプルの注文については、www.national.com/pf/LM/LMH6554.htmlをご覧ください。

また、ADC10D1000の航空宇宙仕様を満たした製品を2009年第1四半期から出荷する予定です。放熱特性を向上させた、密封した376ピンのセラミック・コラム・グリッド・アレイ（CCGA）パッケージで提供され、シングル・イベント・ラッチアップ（SEL）に対して120MeVの放射線耐性レベル、300Kラド（Si）のトータル・イオナイジング・ドーズ（TID）を満たす仕様を備えており、広帯域の衛星通信に最適です。CCGA版は、評価のためのサンプル出荷が開始されています。

ナショナルの通信インフラ用ソリューション
ナショナル セミコンダクターの通信インフラ用ソリューションは、システム効率の最適化、電力密度の向上、安定したシステム性能を実現します。ナショナルのPowerWiseサブシステム・リファレンス・デザインは、エネルギー効率の問題を小さいスペース内で、アーキテクチャ・レベルで解決するため、優れた性能を提供しながら、冷却の必要性を低減します。ナショナルが提供するリファレンス・デザインおよびソリューションは、有線のデータセンタ、ワイヤレス基地局やさまざまな電源アプリケーションに対する特定のニーズに対応した回路設計を実現します。

高解像度の製品画像は米国本社のフォト・ギャラリで入手できます。

＜商標＞
PowerWiseはナショナル セミコンダクター コーポレーションの登録商標です。その他のブランドおよび商標または登録商標は、各社の所有に属します。

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ナショナル セミコンダクターは、エネルギー効率の高いアナログおよびミクスト・シグナル製品を提供して います。ナショナルのPowerWise製品は、バッテリの使用時間を延長し、システムの消費電力および 熱の発生を低減します。本社はカリフォルニア州サンタクララで、2008年5月25日に終了した2008会 計年度の売上高は18億9,000万ドルでした。

ナショナル セミコンダクター ジャパン株式会社（資本金 42億750万円）は、ナショナル セミコンダクター コーポレーションの全額出資の日本法人で、各種半導体、集積回路（IC）の輸入、販売を行っています。本社は東京で、大阪に支社を持っています。設立は1969年11月、従業員数は約110名です。

ウェブサイト・アドレス：
ナショナル セミコンダクター ジャパン株式会社： http://www.national.com/JPN/
米国本社：http://www.national.com/

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