2008年10月30日
通信、テスター・計測装置向けに低消費電力、ならびに
業界で最高のダイナミック性能を提供する新製品
SCJPR-08-093 2008年10月30日
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、広い信号帯域幅、高いダイナミック性能、低消費電力という組合せに加え、最高250MSPS(メガサンプル/秒)のサンプリングレートを提供する、12ビットおよび14ビットのA/Dコンバータ(アナログ-デジタル・コンバータ)である『ADS6149』、『ADS61B49』、『ADS6148』、『ADS6129』、『ADS61B29』、『ADS6128』の6品種を発表しました。これらの新製品は、DPD(デジタル・プリディストーション)ソリューション向けではより高い効率のパワー・アンプ直線性補正機能を、また高速のテスター・計測装置ではより高い精度を実現できます。本件に関する詳細は http://www.tij.co.jp/ads6149から参照できます。
『ADS6149』は14ビット性能と、量産製品としては最も高い精度を提供する250 MSPSのA/Dコンバータであり、最高の性能、ならびに低消費電力を提供します。『ADS6149』、ならびに入力バッファ内蔵の『ADS61B49』は250MSPSのサンプリングレート時に業界最高のダイナミック性能、さらにDC(直流)~250MHz(メガヘルツ)の入力周波数範囲において70dB(デシベル)を超えるSNR(信号-雑音比)、および80dBのSFDR(スプリアス・フリー・ダイナミック・レンジ)を提供します。『ADS6149』は最高サンプリングレートの250MSPS動作時に687mW(ミリワット)と低消費電力です。またダイナミック・パワー・スケーリングによって、150MSPS動作時の消費電力を490mWまで低減できます。
イノベーティブ・インテグレーション社(Innovative Integration)の創立者の一人であるダン・マクレーン氏(Dan McLane)は次のように述べています。「『ADS61xx』ファミリーの各デバイスの低消費電力特性によって、当社の次世代のワイヤレスおよびレーダー用レシーバ製品において、高いチャネル密度かつ高性能を実現できます。このことは、システム・コストの低減を意味するとともに、一枚の基板上に複数チャネルを高密度で実装した信号処理回路を実現できることから、全く新しいアプリケーションの創出につながります」
TIの『ADS61xx』製品ファミリーは高い柔軟性を備えていることから、特定のアプリケーション向けに、性能を最高化できます。1dB(デシベル)~6dBの範囲でプログラマブルのゲイン・オプションによって、それぞれのアプリケーションに固有の要求条件に対応してSNR、SFDR、および入力振幅を最適化できます。例えば、SNRを最高化することでDPDソリューションの直線補正の効率をさらに向上できます。 またSFDRを向上すると同時に入力信号を低減できることから、高周波のレシーバのアプリケーションにおいて、小信号解析性能をさらに向上できます。『ADS61B49』および『ADS61B29』は、完全差動の入力バッファを内蔵していることから、アナログ・フロントエンドの設計が簡素化され、さらに高い柔軟性を提供します。この入力バッファは入力周波数全域に渡って一定の入力インピーダンスを提供することで、A/Dコンバータのトラック・ホールド回路からのキックバック電流を防止でき、信号の均一な直線性を確保できます。また『ADS61xx』製品ファミリーはユーザー選択可能なパラレルCMOS、およびDDR(差動ダブル・データレート)LVDS出力のオプションを備えていることから、さらに高い柔軟性を提供します。
TIでは次の表に示す製品をはじめとして、お客様の製品の性能の最高化、デザインの簡素化、および市場投入時間の短縮を実現する包括的なデバイスを供給しています。これらのデバイスは『ADS5547/27』などの前世代の高速デバイスとの間でピン接続の互換性を提供します。
アプリケーション | A/Dコンバータ | D/Aコンバータ | アンプ | クロック | RF | DSP |
テスター・計測 |
ADS6149 ADS61B49 ADS6148 |
DAC5681Z DAC5681 |
THS4509 THS4513 THS4520 |
CDCE72010 | TRF3761 | C6000 |
ワイヤレス通信 |
ADS6129 ADS61B29 ADS6148 ADS6128 |
DAC5682Z DAC5688 |
THS4509 | CDCE72010 |
TRF3703 TRF3761 |
C6000 |
価格と供給について
現在、『ADS6149』および『ADS6129』は、省スペースに役立つ7mm(ミリメートル)角の48ピンQFNパッケージで量産出荷中です。『ADS61xx』ファミリーのその他の4品種に関しては、2008年末までに順次、量産出荷される予定です。また、TIでは『ADS61xx』ファミリーの全品種の評価モジュールも供給します。さらに、TIの『TSW1200』デジタル・キャプチャ・ツールを活用することで、最高16ビットの分解能で500MSPSまでのサンプリングレートのA/Dコンバータを迅速に評価できます。サンプル、『TSW1200』、ならびにその他のツール群に関してはhttp://www.ti.com/ads6000(英文)から参照できます。『ADS61xx』ファミリーの1,000個受注時の単価(参考価格)、その他の性能を次の表に示します。
製品名 |
サンプリングレート (MSPS) |
分解能 (ビット) |
消費電力 (mW) |
1,000個受注時の単価 (参考価格) |
ADS6149 | 250 | 14 | 687 | 96.50ドル |
ADS61B49 | 250 | 14 | 790 | 99.95ドル |
ADS6148 | 210 | 14 | 628 | 82.50ドル |
ADS6129 | 250 | 12 | 687 | 59.00ドル |
ADS61B29 | 250 | 12 | 790 | 62.45ドル |
ADS6128 | 210 | 12 | 628 | 45.00ドル |
『ADS61xx』ファミリーは、工業、通信、オーディオ、および医療用をはじめとした広範囲のアプリケーション向けに、高速、高精度を提供するTIの包括的なデータ・コンバータ製品ポートフォリオの最新の製品です。最新の『Amplifier and Data Converter Selection Guide』は、http://www.tij.co.jp/analogelabから参照できます。
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