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日本TI、工業および医療アプリケーション向けに広帯域と優れたAC/DC性能を同時に提供する625kSPS、24ビットA/Dコンバータを発表

2008年10月09日

二系統のデジタル・フィルタを内蔵し、設計の柔軟性を提供する
デルタ-シグマ型A/Dコンバータ

SCJPR-08-084 2008年10月9日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、24ビットの高分解能と625kSPS(キロサンプル/秒)の高速動作を提供するデルタ-シグマ型A/Dコンバータ(アナログ-デジタル・コンバータ)、『ADS1672』を発表しました。この新製品は、広い帯域幅、優れたAC(交流)/DC(直流)性能、二系統のデジタル・フィルタ内蔵などの特長を同時に提供することから、自動試験装置、医療用装置、振動解析およびソナーなどの各種アプリケーション向けに、より高い柔軟性を提供します。本件に関する詳細は http://www.tij.co.jp/ads1672から参照できます。

『ADS1672』は、ユーザー選択が可能な二系統のデジタル・フィルタを内蔵したことで、個々のアプリケーションにおいて帯域幅と待ち時間を容易に最適化し、最高の性能を実現できます。二系統の信号経路のうち、305kHz(キロヘルツ)と広帯域の信号経路は、優れたAC性能と非常に平坦な通過帯域内リップル特性を提供することから、ソナー、振動測定、通信装置などに必要な連続的な測定を実現できます。一方、待ち時間の小さい経路は、業界をリードする5.5μs(マイクロ秒)のセトリング時間を提供することから、マルチプレクサと組み合わせることで、過渡信号のサンプリングが必要なアプリケーションに最適な処理を実現できます。

『ADS1672』は次のような優れたAC性能とDC精度特性を同時に実現するチョッパ安定化による変調器を内蔵しています。

  • AC性能: 625kSPSのサンプリングレート時に107dB(デシベル)のダイナミック・レンジ性能、78kSPS時に116dBのダイナミック・レンジと-115dBのTHD(全高調波歪み)性能

  • DC精度: 3ppm(百万分の1)の積分非直線性誤差、2μV/℃(マイクロボルト/℃)のオフセット・ドリフト、2ppm/℃(百万分の1/℃)のゲイン・ドリフト

『ADS1672』はLVDSおよびCMOSレベルを選択可能なシリアル・インターフェイスを内蔵しており、MCU、DSP、FPGAなどのホスト・コントローラと簡単に接続できます。 『ADS1672』は単一5V(ボルト)のアナログ電源、ならびに3Vのデジタル電源で動作し、350mW(ミリワット)と低消費電力で、高いエネルギー効率の動作を提供します。『ADS1672』の仕様は工業用温度範囲である-40℃~+85℃で規定されています。

TIでは高精度工業用アプリケーション向けに、『OPA211』および『THS4520』オペアンプ、『REF50xx』電圧リファレンスをはじめ、シグナル・チェーンを補完する広範囲の半導体製品を提供しています。

『ADS1672』の特性表

項目 ADS1271 ADS1672
分解能 24 ビット 24 ビット
サンプリングレート (Max) 105 kSPS 625 kSPS
変換方式 デルタ-シグマ型 デルタ-シグマ型
消費電力 (Typ) 92 mW 350 mW
SINAD   105 dB
SNR 109 dB 105 dB
SNR (Typ)   105 dB
SFDR -108 dB -115 dB
DNL(Max) ±1 LSB ±1 LSB
INL(Max) ±0.0006 % ±2 LSB
ノー・ミッシング・コード性能 24 ビット 24 ビット
ENOB(有効ビット数)   19.2
使用電源数 2 2
アナログ電源電圧範囲AV/DD 4.75 V ~ 5.25 V 4.75 V ~ 5.25 V
ロジック電源電圧範囲DV/DD 1.65 V ~ 3.6 V 2.7 V ~ 3.3 V
入力電圧範囲 1.06Vref ±Vref
基準電圧 外部 外部
定格 データシート参照 データシート参照
ピン/パッケージ 16ピンTSSOP 64ピンTQFP
入力チャネル数 1 1
動作温度範囲 -40 °C ~ +125 °C -40 °C ~ +85 °C
単価(参考価格) 7.90ドル(100個受注時) 11.75ドル(1,000個受注時)

価格と供給について
現在、『ADS1672』は64ピンTQFPパッケージで供給中です。1,000個受注時の単価(参考価格)は11.75ドルです。使いやすいEVM(評価モジュール)は2008年第4四半期に供給の予定です。TIの包括的なデータ・コンバータ製品のポートフォリオ、ならびに最新の『Amplifier and Data Converter Selection Guide』は、http://www.tij.co.jp/dataconverterから参照できます。

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