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日本TI、業界で最低消費電力の浮動小数点汎用DSPおよびアプリケーション・プロセッサを発表

2008年10月06日

SCJPR-08-083 2008年10月6日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、業界で最低消費電力の浮動小数点汎用プロセッサ『TMS320C6745(以下C6745)』DSPおよび『TMS320C6747(以下C6747)』DSPと、浮動小数点アプリケーション・プロセッサ『OMAP-L137』の3新製品を発表しました。これら浮動小数点汎用製品はTIの『C674x』DSPコアをベースとし、浮動小数点特有の利点を持ちながら、固定小数点デバイス特有の利点である低消費電力・低コストのペリフェラルを組み合わせており、従来の浮動小数点プロセッサと比較して、ポータビリティ、接続性、コスト効率に優れ、高性能の最終製品の設計が容易になります。これまで設計者は、オーディオ、医療、産業用その他、最新のアプリケーションに浮動小数点DSPを採用することで、ダイナミックレンジおよび高性能のデータ処理ならびにアルゴリズムの簡易なプログラミングを実現していました。今回の3新製品では、高機能製品からベーシック製品までの設計に必要な柔軟性あるソリューションを備えています。本件に関する詳細はwww.tij.co.jp/lowpowerprocessorsより参照できます。

接続性と各種ペリフェラルの組み合わせで開発期間を短縮しシステムコストを削減
新製品の『C6745』DSP、『C6747』汎用DSPおよび『OMAP-L137』アプリケーション・プロセッサにはUSB 2.0/1.1、10/100イーサネット・マックおよびMMC/SDインターフェイス等のペリフェラルが含まれ、接続オプションの追加設計が容易になると共に、高いデータ転送やネットワーク/インターネットアクセス向けの接続に要求される幅広いアプリケーションに応用できます。今回の3新製品は、接続コンポーネントに加え、様々なオンチップオプションを提供しており、設計するアプリケーションに最適なパフォーマンスと価格を提供します。技術者は新製品をオンチップでインテグレーションすることにより、複数の外部コンポーネントの追加にかかる開発期間とコストを大幅に削減できます。

300MHzで動作する『C6745』DSPは、システム制御用の複数のシリアルポートと、最大16個のシリアライザおよびFIFOバッファがついた複数チャネル・オーディオ・シリアルポート(McASP)を搭載しています。また、NAND/NOR 型フラッシュ向けの8ビット外部非同期メモリー・インターフェイス(EMIFA)とSDRAM型向けの16ビット高速同期外部メモリー・インターフェイス(EMIFB)の2つの外部メモリー・インターフェイスを搭載しています。

システム性能を上げるために、『C6747』DSPは『C6745』DSPのすべての機能に加え、128KBのオンチップRAMを追加しています。また『C6747』上のEMIFAならびにEMIFBはそれぞれ16ビットおよび32ビットにアップグレードが可能です。さらにLCDコントローラが搭載されており、設計者は最終製品にQVGA等のディスプレイ機能を迅速に追加することができます。

『OMAP-L137』アプリケーション・プロセッサは『C674x』浮動小数点DSPコアとARM9を搭載しており、それぞれのコアは最大300MHzで動作します。開発者は、ARMへの非リアルタイムタスクの負荷を開放しつつ、リアルタイムプロセッシング中心のコンピューテーション向けの浮動小数点をサポートします。この機能により、開発者はグラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI)、タッチスクリーンやネットワークスタックなどのリッチな機能を持つ最終製品の設計が可能になります。また、開発者はARMを使い、VxWorks、WinCEやLinuxなどの多様な高レベル・オペレーション・システムを設計に組み込むことができます。『OMAP-L137』は『C6747』DSPとピン互換性があるため、これら異なるプロセッサを用いて、様々なレベルの複数製品を同時に開発することが可能です。

業界で最低消費電力の浮動小数点汎用DSPで更なるポータビリティをサポート
消費電力は、開発者にとって新製品を市場投入する際の最重要課題です。そのためTIは、顧客の開発において最高のエネルギー効率をもたらすプロセッサを開発することに注力しました。『C6745』および『C6747』は業界で最低消費電力の浮動小数点汎用DSPであり、TIの前世代の浮動小数点汎用DSPと比較して、スタンバイ時に半分、全体で3分の1の消費電力に抑えています。この新しい電力レベルにより、高性能で広範囲のダイナミックレンジの浮動小数点を必要とする最終製品の熱発散を減らし、人間工学を向上し、更なるポータビリティを高めることができます。両プロセッサの消費電力は、スタンバイ時に62mW、アクティブ時の全体で470mWです。詳細は www.tij.co.jp/c6747およびwww.tij.co.jp/c6745から参照できます。

『OMAP-L137』アプリケーション・プロセッサも同様に、スタンバイ時は62mW、アクティブ時全体は490mWと低消費電力で動作します。詳細はwww.tij.co.jp/omapl137から参照できます。

価格と供給について
『C6745』、『C6747』および『OMAP-L137』は、『C64x+™』および『C67x+™』DSPコアベースでコード互換性があり、これにより設計者は、より低消費電力の新しい浮動小数点デバイスへ簡単にコードを移植することができます。TIは、『C67x』汎用DSP、『OMAP-L13x』アプリケーション・プロセッサおよび『F2833x』マイクロコントローラといった幅広い浮動小数点ソリューションを提供しています。

『C6745 DSP』、『C6747 DSP』および『OMAP-L137』は、受注を開始しており、100個受注時の単価(参考価格)はそれぞれ10.41ドル、11.72ドル、18.93ドルです。また、『OMAP-L137』/『C6747』浮動小数点スターター・キットを提供しており、Linux and DSP/BIOS™ kernelsの柔軟性を備えています。スターター・キットの参考価格は52,290円(税込み)です。

※ C64x、C67xおよびDSP/BIOSはTexas Instrumentsの商標です。ARM9はARM Limitedの商標です。LinuxはLinus Torvaldsの登録商標です。すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します