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ニュースリリース

日本TI、クローズドループの非接触通信市場向けにセキュリティ機能を搭載したISO/IEC 14443チップおよびモジュールを発表

2008年09月18日

高速、低消費電力プラットフォームで
多目的アプリケーションと多層セキュリティデザインを実現

SCJPR-08-080 2008年9月18日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、市場が拡大しているクローズドル-プの非接触型の少額決済、ID管理およびアクセスコントロール・アプリケーション向けに、新しいセキュア多目的非接触IC、『RF-HCT-WRC5-KP221』を発表しました。

新製品のISO/IEC 14443 Type Bチップの『RF-HCT-WRC5-KP221』は、高速プロセッシング、高性能のラジオ周波数(RF)機能、さらに業界標準のセキュリティに加えて、1枚の非接触型カードやトークンで最大5つのアプリケーションまで対応可能かつフレキシブルなコンフィギュラブル・メモリーを搭載しています。

アジア、中央および南アメリカでは、数多くのクローズド・アプリケーションに対して、処理スピード、利便性および高いセキュリティをもったISO/IEC 14443基準の非接触通信技術が求められています。TIのセキュアな多目的チップにより、自社ブランドカードでの決済や会員証、クロ-ズドループの少額決済、セキュアID、コーポレートアクセス・コントロールといったアプリケーションをひとつのカードやトークンに搭載可能です。たとえば、小売業者はこのチップを利用して、顧客の決済やポイントを付加することが可能となり、また大学などでは各施設へのアクセス、支払い、学生や職員のセキュアIDと組み合わせることができます。

TIの新しい非接触型チップは、数多くのセキュリティ機能を搭載しているため、高い機密性が要求されるアプリケーションにおいてデータの秘匿性を保つことができ、複製やリプレーアタック*注から保護されます。また、この暗号は、米国標準技術局(NIST)認定のトリプルDESとSHA-1クリプトアルゴリズム、セッションキーをベースにしたANSI X9.63セキュリティに準拠しています。128ビットの固有のセッションキーをトランザクションごとに生成し、タグとリーダの通信が暗号化され、高度の機密性を保つことができます。TIの製品によって通信セッションごとに、相互にタグとリーダ間の認証が可能となり、認証されたタグとリーダだけにトランザクションを行うことが許可されます。

TIのRFIDシステムのセキュア電子ID担当マネージャであるVC・クマー(VC Kumar)は次のように述べています。「当社の新非接触型チップとモジュールは、高度のセキュリティ、容易なシステム構築、迅速で信頼性の高い処理能力をもたらしました。これにより企業はクロ-ズドループ・アプリケーションのビジネスにおいて、セキュアな近接非接触型ソリューションを展開することができます」

また、セキュア非接触型チップおよびモジュールに加えて、TIは『TRF796x ISO/IEC 14443』リーダライタICを提供しており、顧客はトータルに非接触型タグおよびリーダソリューションを開発・実現することができます。中国を拠点とするシステムインテグレータのLierda社は、中国国内の家庭用電力、ガス、水道メータにTIの『TRF7963』リーダライタ・モジュールと『MSP430』マイクロコントローラを採用しました。これにより、非接触ICカードを用いたユーティリティの前払いが可能となりました。電気メータのアプリケーションでは、非接触ICカードはキオスクで購入可能です。このカードには、TIのセキュア多目的非接触チップモジュールが搭載され、プリペイド金額が記録されています。顧客がカードをメータにかざすことにより、メ-タが作動し、適正な金額がカードから引き落としされます。

Lierda社のチーフ・テクノロジー・オフィサーであるリン・ユアン(Liang Yuan)氏は次のように述べています。「通常、水道、電気、ガス等の支払いは多くの家庭において、前払い方式となっています。それぞれのメータは別々で、その内訳を把握するのは困難です。当社がTIのセキュアな非接触型チップと読み取りテクノロジーを採用することよって、公益事業会社が、お客様に迅速で便利な支払い方法とともに、継続的なサービスを提供することを可能にしました」

TIのセキュア多目的非接触型チップとモジュールには、ユーザーがリーダにかざした時、カードの向きを考慮せずに毎回正しくトランザクションができるよう、高感度のRFフロントエンドが搭載されています。チップとモジュールは、38mm×28mmの小型のRFアンテナをサポートしており、キーフォブ、トークンならびにISO/IEC 7810カードといった様々なサイズのパッケージに搭載できると同時に、より高精度なリードライト機能を実現します。『RF-HCT-WRC5-KP221』チップおよび『RF-HCT-MRT4-KP222』モジュールの詳細はwww.ti.com/secureIC(英語)より参照できます。

*注 リプレーアタック: 正規利用者がシステムにログインするときの通信を傍受・記録した攻撃者が、後で同内容を送信することで認証を突破しようとする試み

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