放送用ビデオ機器において、業界をリードするジッタ特性と 消費電力低減を実現するトランシーバ

2008年9月11日

ナショナル セミコンダクター ジャパン株式会社（本社：東京都江東区木場2丁目17番16号、代表取締役ジェフ・ウォーターズ、資本金：42億750万円）は、業界初のトリプル・レート（3G/HD/SD）シリアル・デジタル・インタフェース（SDI）デュアル・チャネル・トランシーバを発売したと発表しました。業界をリードするジッタ特性を持つ、新しいトランシーバLMH4345は、2チャネルの送受信機能をシングルチップに集積しており、マルチチャネルの放送用ビデオ機器設計において、基板スペース、システムコストおよび消費電力の低減を実現します。ビデオ・ルータ、プロダクション・スイッチャ、ビデオ・サーバ、フォーマット・コンバータおよびビデオ編集機器やモジュラー機器に最適です。

LMH4345 トランシーバは、30ps（ピコ秒）の出力アラインメント・ジッタ特性と、0.6UI（ユニット・インターバル）以上の入力ジッタ耐性を提供します。トランスミッタの超低出力ジッタ特性は、十分な余裕を持って、SMPTE（全米映画テレビジョン技術者協会）424Mジッタ仕様を満たすことができます。また、レシーバの高い入力ジッタ耐性は、信号のアイ・パターンが最大70パーセント閉じた状態でも、デシリアライザがノイズの累積した入力ビデオ・ストリームの受信、ロックおよびデシリアライズを問題なく行えることを保証します。SMPTE 424Mは、3Gbpsシリアル・リンク上で非圧縮の1080p信号を毎秒60フレームのレートで伝送するためのSDI業界規格です。

LMH4345は、ディスクリートのシリアライザ/デシリアライザ（SerDes）が提供していた優れたアナログ性能を、フレキシブルなマルチチャネル構成において提供します。これまで、こうした高性能の実現は、高価なハイエンドFPGA（フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ）を使用しなければ不可能でした。LMH4345を設計に採用することで、SerDesを内蔵したハイエンドFPGAに必須の高価な電源、ノイズ遮断回路、クリーンな基準クロックおよび外付けVCXO（電圧制御水晶発振器）が不要になります。さらに、LMH4345は2個のSDI出力ドライバ、2個のリクロックされたループスルー・ドライバの合計4個のケーブル・ドライバを内蔵しており、部材費、基板スペースおよびシステムコストを低減します。

LMH4345のアーキテクチャは、FPGAとのインタフェースを簡素化するため、5ビットのLVDS（小振幅差動信号）パラレル・バスを活用しています。トランシーバのLVDSインタフェースはEMI（電磁波障害）を低減し、狭域パラレル・バスは1個の低コストFPGAによる多数の高速ビデオ・チャネルのサポートを可能にします。LMH4345は通常、放送用ビデオ・システムの設計において、ナショナルのSDIアダプティブ・ケーブル・イコライザ（LMH0344）、マルチフォーマット・シンク・セパレータ（LMH1981）およびビデオ・クロック・ジェネレータ（LMH1982）と併せて使用されます。

LMH4345 3G/HD/SDデュアル・チャネル・トランシーバの主な特長
LMH4345に内蔵されたトリプル・レートSDIシリアライザは、270Mbps、1.485Gbpsおよび2.97Gbpsのデータレートをサポートしており、デジタル・ビデオ放送非同期シリアル・インタフェース（DVB-ASI）、SD（SMPTE 259M-C）、HD（SMPTE 292M）のほか、新しい3G-SDI規格（SMPTE 424M）に対応した伝送を可能にします。LMH4345に組み込まれた2個のレシーバは、クロック/データ・リカバリ回路（CDR）を内蔵しています。CDRは、ホストFPGAとのインタフェース簡素化のため、入力シリアル・データレートの自動的な検出、クロック抽出、5ビットLVDSストリームへのデータのデシリアライズを行います。また、リクロックされたシリアル・ループスルー出力が、リアルタイム入力モニタリングのため、取り込んだ信号へのアクセスを提供します。各トランスミッタは、FPGAから付加されたパラレル・クロック・ノイズをクリーニングする、低帯域幅PLL（フェーズ・ロック・ループ）を内蔵しており、外部クロック・コンディショニングの必要性を軽減します。LMH4345は、競合するディスクリート・ソリューションの半分より小さいサイズの14mm x 14mm、小型の100ピンTQFPパッケージで提供されます。消費電力の代表値は、3Gbpsのデータ転送レート時で1.6Wです。

ナショナルは、トリプル・レートのLMH4345のほか、HD/SD SDI用デュアル・チャネル・トランシーバLMH4045と、SD専用のLMH4075も発売しました。

＜価格と供給＞
3つのSDIトランシーバは、現在サンプル出荷中で、量産品の出荷開始は2009年第1四半期の予定です。100個一括購入時の価格は、LMH4345（トリプル・レート）が55米ドル、LMH4045（HD/SD用）が49米ドル、LMH4075（SD用）が30米ドルです。各製品の購入時には、ポピュラーなFPGAモデル向けに、論理合成可能なVerilogまたはVHDLソース・コードで記述されたSMPTE IPが提供されます。このような総合的なFPGA IPにより、システム設計の際に、規格の変更への迅速な対応のほか、最終製品の差別化のための機能のカスタム化と追加が可能になります。

3製品の詳細情報およびサンプルや評価用ボードの注文についてはそれぞれ、
www.national.com/pf/LM/LMH4345.html、
www.national.com/pf/LM/LMH4045.html
www.national.com/pf/LM/LMH4075.htmlをご覧ください。

ナショナルは、9月12日から16日までアムステルダムで開催されるInternational Broadcasting Convention（IBC）のホール11、ブースF79で、この製品のデモを行います。

ビデオ・システムをサポートするソリューション
ナショナルの高性能アナログおよびミクスト・シグナル技術は、ビデオ製品の差別化を可能にします。ナショナルは、オペアンプ、パワーマネジメント、データ・コンバージョン、インタフェース、クロッキング、シリアル・デジタル・ビデオ製品、オーディオ・サブシステム、ディスプレイIC、ネットワーキング製品など、ビデオ製品設計で重要な機能を果たす製品を提供しています。ナショナルのSDI放送用ビデオ製品の詳細については、www.national.com/JPN/sdiをご覧ください。

高解像度の製品画像は米国本社のフォト・ギャラリで入手できます。

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ナショナル セミコンダクターは、エネルギー効率の高いアナログおよびミクスト・シグナル製品を提供して います。ナショナルのPowerWise製品は、バッテリの使用時間を延長し、システムの消費電力および 熱の発生を低減します。本社はカリフォルニア州サンタクララで、2008年5月25日に終了した2008会 計年度の売上高は18億9,000万ドルでした。

ナショナル セミコンダクター ジャパン株式会社（資本金 42億750万円）は、ナショナル セミコンダクター コーポレーションの全額出資の日本法人で、各種半導体、集積回路（IC）の輸入、販売を行っています。本社は東京で、大阪に支社を持っています。設立は1969年11月、従業員数は約110名です。

ウェブサイト・アドレス：
ナショナル セミコンダクター ジャパン株式会社： http://www.national.com/JPN/
米国本社：http://www.national.com/

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