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日本TI、デジタル方式TVへの切り替えに備え、デジタルTVのエネルギー効率の向上、ならびにシステム・コストの低減を実現する新型電源デバイス二品種を発表

2008年08月27日

効率の改善 ならびにエネルギー消費の低減を実現

SCJPR-08-072 2008年8月27日

国内では、TVシステムのアナログ方式からデジタル方式への切り替えが2011年7月に予定されています。日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、この切り替えによって増加するエネルギー資源への需要に対応して、Natural Interleaving™ テクノロジー搭載の2フェーズPFC(力率補正)コントローラである『UCC28061』、ならびにデジタルTV製品のエネルギー効率の向上、および製品のサイズおよびコストの低減に役立つ新型のSWIFT™DC/DCパワー・マネージメント・コンバータである『TPS54331』の二種類の新型パワー・マネージメントIC(集積回路)を発表しました。本件の詳細に関してはhttp://www.tij.co.jp/ucc28061、ならびにhttp://www.tij.co.jp/tps54331から参照できます。

デジタル方式のLCD(液晶ディスプレイ)TVは、従来のCRT(ブラウン管方式)のTVと比較して、35%も大きな電力が必要です。このように、消費電力により大きな要求条件を持つLCD TVの市場が急速に成長していることから、今回のTV方式の切り替えによって、電力への需要が大幅に増加すると予測されています。

市場調査会社iSuppliの調査によれば、デジタルTV市場において最も急速に成長しているLCD TV分野の2002-2011年のCAGR(年平均成長率)は71.3%、2007-2011年のそれは22.1%と予測されています。

TIのパワーサプライ部門の責任者であるテッド・トーマス(Ted Thomas)は次のように述べています。「TIはコンセントから個々のポイント・オブ・ロード電源に至るまで、お客様の製品全体の電力節約に役立つ各種のソリューションを供給し、お客様のエネルギー消費の低減を支援するために注力しています」

今回発表された『UCC28061』コントローラは、先に発表された『UCC28060』PFCコントローラを基に開発された新製品であり、より小型のEMI(電磁干渉)フィルタ、より小型、またはより少ない個数の出力コンデンサ、より小さな体積のブースト用インダクタを使用できることから、より薄型の電源を設計でき、超薄型のLCD TVの開発に役立ちます。『UCC28061』コントローラの2フェーズの臨界モード動作は、全体的なシステム・コストの低減に役立つと同時に、広く利用されている連続電流モードのコントローラと比較しても大きな利点が多々あります。

『UCC28061』は、スタンバイ・モードを含め、軽負荷などの電力レベルにおいても優れた効率を提供するフェーズ・マネージメント、およびバースト・モード機能を備えています。高効率を提供する『UCC28061』は「ENERGY STAR®」および「80 Plus efficiency」の各標準規格へ準拠した製品の開発に役立ちます。さらに『UCC28061』のアーキテクチャは電力分散の構成がされていることから従来の放熱の方式よりも、熱設計が軽減されます。

同時に発表された『TPS54331』SWIFT DC/DCコンバータは、LCD TV内で個々の負荷に接近して配置されるポイント・オブ・ロード回路基板の設計において、消費電力を低減します。『TPS54331』は、新型のEco-mode™ スイッチング技術を搭載していることから、通常のDC/DCコンバータと比較して、軽負荷時のエネルギー効率を25%以上向上できます。また動作時の消費電流は110μA(マイクロアンペア)、シャットダウン時の電流は1μAです。『TPS54331』は3.5V(ボルト)~28Vと広い入力電圧範囲、最小0.8Vから可変の出力電圧、最高出力電流3A(アンペア)などの特長を備えていることから、LCD TV内のデジタルおよびアナログの各回路ブロックに十分な電力を供給できます。

DTV向けソリューションのポートフォリオを拡張
『UCC28061』および『TPS54331』は、『TAS5705』および『TAS5706』、ならびに『TPA3121D2』 および『TPA3124D2』オーディオ・アンプ製品をはじめ、製品の形状およびコストに厳しい制約を持つ製品に対応する、TIの包括的なHDTV向けのDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)およびアナログ製品のポートフォリオを拡張する、新型のパワー・マネージメント製品です。これらの製品の詳細に関してはhttp://www.ti.com/audio(英文)から参照できます。

供給と価格について
現在『UCC28061』および『TPS54331』は量産出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。パッケージは『UCC28061』が16ピンSOIC、『TPS54331』が8ピンSOICです。日本での1,000個受注時の単価(参考価格)は『UCC28061』が1.30ドル、『TPS54331』が1.00ドルを予定しています。『UCC28061』のEVM(評価モジュール)は http://www.ti.com/ucc28060evm (英文)からオンラインで注文できます。『TPS54331』のリファレンス・デザイン、EVMおよびSwitcherPro™ ソフトウェア・ツールは http://www.ti.com/tps54331evm (英文)からオンラインで注文できます。

『UCC28061』 の特性表

項目 UCC28061
UVLOスレッシュホールド On/Off 12V / 10 V
電源電圧範囲 Vcc 14 V ~ 21 V
スタートアップ電流 0.2 mA
動作時電源電流 Icc 5 mA
基準電圧 Vref 6.0 V
基準電圧精度 ±2%
デューティサイクル(Max) 100 %
実用動作周波数 (Max) 500 KHz
動作接合温度範囲 -40 ℃ ~ +125 ℃
ピン/パッケージ 16ピンSOIC
定格 データシート参照



『TPS54331』 の特性表

項目 TPS54331
出力電流Iout (Max) 3 A
入力電圧範囲Vin 3.5 V ~ 28 V
出力電圧範囲Vout 0.8 V ~ 25 V
静止電流Iq (Typ) 0.11 mA
スイッチング周波数 (Typ) 570 kHz
スイッチング電流制限 (Typ) 3.5 A
トポロジ バック型
動作接合温度範囲 -40 ℃ ~ +150 ℃
デューティサイクル(Max) 90 %
ピン/パッケージ 8ピンSOIC
定格 データシート参照