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日本TI、ARM® Cortex™-A8搭載の『OMAP35x』新製品を発表、ソフトウェア開発キットを拡張

2008年08月11日

ノートPC並みの処理性能とHDマルチメディア性能を実現

SCJPR-08-070 2008年8月11日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、ARM® Cortex™-A8を搭載したアプリケーション・プロセッサの3新製品、『OMAP3515』、『OMAP3525』、『OMAP3530』のサンプル出荷、ならびにビデオ、産業用、医療、自動車の各分野でソフトウェア統合・開発作業により開発者への負担を軽減する『OMAP35x』デジタル・ビデオ・ソフトウェア開発キット(DVSDK)の提供を開始しました。魅力的なユーザー・インターフェイスの実現には、ビデオ、画像、音声、マルチメディアの個別コンポーネントが完璧に集積されることが必要です。スーパースカラ・プロセッサの採用によって実現する、ノートPCに匹敵する性能と省電力性は、高度で直感的なユーザー・インターフェイス、3Dグラフィックス、妥協のないブラウジング機能、広範な接続オプションを提供します。また、『OMAP35x DVSDK』の提供により、設計を簡素化し、開発期間を短縮可能です。『OMAP35x』プラットフォームに関する詳細は、www.tij.co.jp/omap35xから参照できます。

『OMAP35x』評価モジュール(EVM)に対応した『OMAP35x DVSDK』は、包括的な開発環境を実現します。これによって開発者は、マルチメディア機能を搭載し、高い性能が求められる低消費電力機器の設計を迅速に行い、競合他社よりも数か月先んじて製品を市場投入することが可能となります。システム・インテグレーションとその後の最適化の作業を簡素化・迅速化し、きめ細かく調整されたシステムを実現するため、DVSDKには基本的なオーディオ/ビデオ・コーデックが搭載されています。ARMベースのアプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)ライブラリがデジタル・シグナル・プロセッサやビデオ・アクセラレータとの通信を行い、コーデックを直接管理する必要がなくなるため、システム・インテグレーションがより容易になります。さらに、DVSDKは、最新のLinux 2.6.22カーネル上で動作するTIのコーデック・エンジンならびにマルチメディア・フレームワークを搭載するほか、近い将来にはWindows® Embedded CE 6.0もサポートする予定です。『OMAP35x』プロセッサは完全にスケーラブルなため、『OMAP35xEVM』の開発者は、『OMAP35x DVSDK』をダウンロードすることで、設計時間を無駄にすることなく、『OMAP3530』製品での開発を継続できます。

さまざまな設計ニーズに適合した開発ツール
今後、開発者の設計作業を迅速化すべく、TIとデベロッパ・ネットワーク各社から『OMAP35x』の開発ツールが幅広く提供されます。これらは、クリエイティブなアイデアを実装する低コストのファンレス・ボードや、ターンキー型の包括的なリファレンス・デザイン、システム・オン・モジュール(SOM)など、開発者のさまざまなニーズに対応します。

『OMAP35x』 評価モジュール(EVM)およびデジタル・ビデオ・ソフトウェア開発キット(DVSDK)
特長

  • Linuxボードでの2.6.22カーネルベースのパッケージサポート
  • VGAタッチスクリーンLCD
  • 128 MBメモリー
  • ペリフェラルドライバー、関連拡張カード
  • OMAP35x EVMの購入者はダウンロードで入手可能


アプリケーション

  • ポータブルメディアプレーヤ
  • ポータブル・ナビゲーション
  • インターネット・アプリケーション

新製品『OMAP35x』が、ノートPC並の性能と高品位(HD)コンテンツを提供
Cortex-A8の初のボード製品を採用した『OMAP35x』は、市販されているARMベースのシステム・オン・チップ(SoC)製品の中で業界最高の性能を実現します。最大1,200ドライストーンMIPSの性能によって、高度なグラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI)、リアルタイムのビデオ・エンコード、高品位(HD)ビデオ水準にも対応したデコードにより、ロボット工学やモバイル車両監視製品などの幅広い次世代アプリケーションの開発が可能です。『OMAP35x』の省電力性は、数日間のバッテリー寿命が要求されるバッテリー駆動型のポータブル機器だけでなく、これまで以上に環境に配慮した製品にも対応します。

Gumstixの社長兼CEO、W・ゴードン・クルバーグ(W. Gordon Kruberg)博士は、次のように述べています。「『OMAP35x』プロセッサはパフォーマンス、電力効率、マルチメディア機能に優れているため、2008年第4四半期に初登場する次世代Gumstix™製品、overo™に間違いなく採用することになるでしょう。GumstixとTIの専門知識、設計スキル、技術が組み合わさることによって、オープン・ソースの開発者に対し、業界をリードするGumstixの開発環境とボリューム・デプロイメント・ソリューションの提供が可能です」
新しい『OMAP35x』3製品は、顧客の製品ポートフォリオに合わせ、OpenGL® ES 2.0グラフィックス・エンジン、ビデオ・アクセラレータ、『TMS320C64x+™』DSPコアを統合して提供します。『OMAP3515』は、Imagination社のPowerVR™ SGXグラフィックス・エンジンを搭載しており、組み込み型のゲーム機器やシンプルなポータブル・ナビゲーション機器上で、写真画質のリアルなグラフィックスが備わったスマートかつ強力なユーザー・インターフェイスの開発が可能です。『OMAP3525』は、DaVinciテクノロジーを採用し、『C64x+』DSPとビデオ処理を重視したペリフェラルを集積しており、マルチメディア製品のHDビデオに対応します。スマートで軽量な機器向けには、『OMAP3530』のARM、DSP、グラフィックス・エンジン、ペリフェラルを組み合わせにより、ゲーム品質のグラフィックスを実現しつつ、高い性能を要する高電力効率の設計が可能となります。

供給と価格について
アプリケーション・プロセッサの『OMAP3503』、『OMAP3515』、『OMAP3525』、『OMAP3530』の100個受注時の単価(参考価格)はそれぞれ25.95ドル、29.23ドル、43.49ドル、48.34ドルです。TMDXEVM3503は、推奨販売価格 189,000円(税込み)で供給中です。

※OMAP、DaVinci、TMS320C64x+およびC64x+はTexas Instrumentsの登録商標です。ARM はARM Limitedの登録商標です。CortexはARM Limitedの商標です。WindowsはMicrosoft Corporationの登録商標です。すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。