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ニュースリリース

日本TI、低消費電力に優れたDSPおよびアプリケーション・プロセッサのロードマップを発表

2008年07月28日

業界で最も消費電力の低い固定および浮動小数点DSPをはじめとした、
高いパーフォーマンスとポータビリティを両立する15品種の新製品を順次提供

SCJPR-08-067 2008年7月29日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、15品種の低消費電力に特化したプロセッサ新製品からなる、4つの製品群についてのロードマップを発表しました。従来、プロセッサの性能と消費電力はトレードオフの関係にありましたが、TIの新しい低消費電力に特化した製品群により、開発者は、医療機器、オーディオ機器、産業機器または、新たなアプリケーションの開発を行う際に、高性能/高機能とともに低消費電力化を実現することができます。TIの新しいロードマップには、業界で最も消費電力の低い浮動小数点DSPが含まれ、開発者は浮動小数点DSPを用いた高精度の演算を必要とするアプリケーションに初めてポータビリティを導入することができるようになります。このロードマップには、業界で最も消費電力の低い固定小数点DSPも含んでいます。 さらに開発者は、TIのARM9™ ベースまたは、ARM9+DSPをベースにしたアプリケーション・プロセッサを採用することで高機能なグラフィック・ユーザー・インターフェイス(GUI)を搭載し、かつ低消費電力を実現することが可能になります。詳細についてはwww.tij.co.jp/lowpowerprocessorsから参照できます。

TIのプリンシパル・フェローである、ジーン・フランツ(Gene Frantz)は次のように述べています。「従来、お客様からの要求はプロセッサの性能を重視したものが多かったのですが、昨年ごろからは、開発者から限られた電力で従来以上の処理を行いたいというように、TIに要求されるソリューションの内容に変化が見られます。TIは長年にわたる低消費電力化への経験に基づき、最適なプロセス技術を用いたトランジスタのドライブ能力の改善、ペリフェラルの集積、プロセッサの並列処理、アナログ回路の内蔵、インターフェイス回路の内蔵、電源管理のツールおよびソフトウェア、といった点から消費電力の最小化を可能にしました」

TIは今後12ヶ月間、以下の4つの製品群にわたり、15品種の新製品からなる組み込みプロセッサのソリューションを提供していきます。

  • 低消費電力と高精度な演算が可能な『TMS320C674x DSP』:浮動小数点DSPによる高精度の演算や広いダイナミック・レンジが要求される医療機器、オーディオ機器、産業機器、および新たなアプリケーションに対し、開発者は初めてポータビリティをもたらすことが可能になります。既存の浮動小数点DSPと比べ消費電力を3分の1まで低減できる『C674x』は、24-32ビットの演算精度を持つ業界で最も消費電力の低い浮動小数点DSPです。『C674x』は2008年第4四半期に供給を開始する予定で、待機時に6 mW、動作時には420mWの消費電力を実現します。詳細は、www.tij.co.jp/c674xを参照してください。

  • 高性能かつ従来の製品に対し2分の1の消費電力を実現する『TMS320C640x DSP』:『C640x』は、既存の『TMS320C6000™』プラットフォーム製品と比較し2分の1の消費電力を実現しています。ソフトウェア無線機、産業向け計測機器などを始めとする、負荷の重い処理を必要とするアプリケーションでもバッテリ駆動の可能性が広がります。『C640x』はTIの高性能『C64+™ DSP』コアをベースとし、待機時に6 mW、動作時には415mWの消費電力を実現します。『C640x』は『C674x』および後に説明する『OMAP-L1x』製品とのピン互換性を備えており、機能拡張が容易です。供給開始は2009年第1四半期からの予定です。詳細は、www.ti.com/c640xpb(英語)を参照してください。

  • マルチメディア性能と低消費電力を備えた『OMAP-L1x』 アプリケーション・プロセッサ:ARM9™ ベースまたは、ARM9+DSPをベースにする新しい『OMAP-L1x』製品により、開発者はポータブル製品に豊富な機能を備えたグラフィック・ユーザー・インターフェイス(GUI)を搭載できるようになります。また様々なペリフェラル機能も内蔵しており、ネットワークやタッチスクリーン機能の搭載も可能です。『OMAP-L1x』はLinuxまたはDSP/BIOS™ のリアルタイム・オペレーティング・システムによるアプリケーションの開発に対しても柔軟な開発環境を提供します。消費電力は待機時に6 mW、動作時には435 mWとなります。供給開始は2009年第1四半期からの予定です。さらに『OMAP-L1x』は『C640x』および『C674x』製品と、ソフトウェア及びピン互換性を備えているため、用途に合わせた上位の多機能・多ペリフェラル搭載製品や、より低消費電力ならびに下位機能の製品というように、最初に開発したプロセッサを軸にして短い開発工数で、開発者は容易に製品を拡張することが可能になります。詳細は、www.tij.co.jp/omapl1xを参照してください。

  • 業界最長のバッテリ寿命を実現する『TMS320C550x』:『C550x』は高速解析を行うために最適化されたFFTコプロセッサと大容量メモリを搭載し、さらに消費電力を既存の『C5000』製品の2分の1まで低減することが可能となります。消費電力は待機時に6.8uW、動作時には46mWとなります。C550x DSPは、複数のパラメータを処理する医療機器、ノイズ・リダクション・ヘッドフォン、ポータブル・オーディオ機器/ミュージック・レコーダ等のアプリケーションに最適です。供給開始は2009年第1四半期からの予定です。詳細は、www.ti.com/c550xpb(英語)から参照できます。

低消費電力化による地球温暖化対策への貢献
新しいプロセッサ製品群は、低消費電力化という課題へのTIの30年におよぶ取り組みに基づいています。超低消費電力マイクロコントローラ『MSP430』、業界で最も低消費電力のゼロ・クロスオーバ・オペアンプ『OPA369』、および電力効率に優れた設計を可能にするパワーマネジメント・ソリューションなど、TIは長年にわたって消費電力の最適化ソリューションをお客様に提供してきました。TIは低消費電力への取り組みにより、地球温暖化の原因になっているCO2削減に貢献し、効率的で低消費電力といった環境に優しい製品を消費者に提供できるよう、開発者をサポートしています。

供給と価格について
『C674x』製品、サポートソフトウェア、およびツールのサンプル出荷は2008年第4四半期から、その他の製品についても今後12か月間にわたり、順次開始します。100個受注時の単価(参考価格)は、製品によって異なりますが9ドル以下からの提供を予定しています。

※OMAP、 TMS320C5000、 TMS320C6000、 C64x+およびDSP/BIOSはTIの登録商標です。すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。