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ニュースリリース

日本TI、業界で最も低消費電力のゼロドリフト計測アンプ製品を発表

2008年07月15日

高精度センシング機器の小型化・低消費電力化・低電圧化に最適な新製品

SCJPR-08-063 2008年7月15日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、高精度、低消費電力および低電源電圧動作の組合せを提供し、業界で最も低消費電力のゼロドリフト計測アンプである『INA333』を発表しました。この新製品は、市場の同種の製品と比較して、最も低い静止電流と最も低いバイアス電流、それに驚異的なSNR(信号対雑音比)、非常に低いオフセット電圧とオフセット・ドリフト、1.8V(ボルト)の低電圧動作などの特長を提供します。『INA333』はこれら数々の特長によって、ポータブルの医療用機器、データ・アクイジション、重量計、ハンドヘルドの計測機器などをはじめとするバッテリー動作機器の動作時間を延長すると同時に、精度および安定度を向上します。本件の詳細に関してはhttp://www.tij.co.jp/ina333から参照できます。

TIのハイパフォーマンス・アナログ事業部担当 シニア・バイスプレジデントのアート・ジョージ(Art George)は次のように述べています。「お客様は、センサ信号のアクイジション・システムの性能と価値を向上させるため、より高い精度と同時に、低消費電力と低電源電圧動作の組合せを常に求めています。今回発表された『INA333』はTIのアナログ・シグナル・コンディショニングに関する専門知識を活用して開発された新製品であり、高精度、低消費電力の計測アンプ製品分野に新しい基準をうち立てるとともに、お客様が市場競争に勝利するための、より多くの利点を提供します」

『INA333』は占有のスイッチド・キャパシタによるノッチ・フィルタを内蔵したTI独自のゼロ・ドリフト・テクノロジーを使用しています。『INA333』はこのテクノロジーによってチョッパー・ノイズを排除することで、50nV/√Hz(ナノボルト/√ヘルツ)という非常に低い入力電圧ノイズ特性を提供します。『INA333』は3個のオペアンプを内蔵した汎用性の高いアーキテクチャを備えており、設計の簡素化および基板実装面積の低減に役立ちます。

『INA333』は75μA(マイクロアンペア)と低い静止電流、ならびに1.8Vの最小電源電圧によって、最高の電力効率を提供します。また25μV(マイクロボルト)と低いオフセット電圧、ならびに0.1μV/℃(マイクロボルト/℃)のオフセット・ドリフト特性を備えていることから、最高の精度、ならびに長期安定度を提供します。さらに、200pA(ピコアンペア)と低い入力バイアス電流特性を備えていることから、高い信号源インピーダンスを持つアプリケーションに最適です。

『INA333』の入力には、RF(高周波)の妨害を低減するための特殊なフィルタが直列に接続されています。RF妨害信号に起因するオフセット電圧の変化は、重量計をはじめとするDC(直流)安定度が必要なアプリケーションにおいて重大な欠点となりますが、このフィルタによって、RF信号への感度を大幅に低減できます。

『INA333』の主な特長

  • 低い入力電圧ノイズ:   50nV/√Hz(ナノボルト/√ヘルツ)
  • 低い静止電流:           75μA(マイクロアンペア)
  • 最小電源電圧:           1.8V
  • 低いオフセット電圧:     25μV(マイクロボルト)
  • 低いオフセット・ドリフト: 0.1μV/℃(マイクロボルト/℃)
  • 低い入力バイアス電流: 200pA(ピコアンペア)
  • 1パッケージに3個のアンプを内蔵
  • 各入力にRFフィルタを内蔵

『INA333』は、『ADS1244』A/Dコンバータ(アナログ-デジタル・コンバータ)、『OPA333』オペアンプ、『ISO721』デジタル・アイソレータ、『TMP102』などの温度センサをはじめとするTIの高精度、低消費電力のアプリケーション向けシグナル・チェーン・ソリューションの一つです。また、『INA333』は、TIの『MSP430』超低消費電力マイクロコントローラ・ファミリーとの動作にも最適化されています。

供給と価格について
『INA333』は現在出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。パッケージは8ピンMSOPです。また8ピンDFNパッケージの製品は2008年第3四半期に供給開始の予定です。1,000個受注時の単価(参考価格)は1.80ドルです。使いやすい回路シミュレーション機能を提供するSPICEベースのTINA-TIアナログ・シミュレーション・ソフトウェアも供給中です。
TIではアナログ技術者向けにセミナ、デザイン・ツール、技術資料、評価モジュール、サンプル提供などの幅広いサポートを提供しています。TIの包括的なアナログ・デザイン・サポートの詳細に関しては、http://www.tij.co.jp/analogelabから参照できます。

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