2008年07月10日
通信、医療機器、試験/計測機器をはじめとした
高速A/Dコンバータの機能を最大限に引き出すアプリケーションに最適
SCJPR-08-061 2008年7月10日
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、ジッタ・クリーナ機能を内蔵した高速クロック・シンセサイザ『CDCE72010』を発表しました。『CDCE72010』は、超低ジッタのクロックをA/Dコンバータに供給することにより、SNR等の特性を最大約10dBc改善することが可能です。これにより、通信、医療機器、試験/計測装置などのパフォーマンスを向上させることが可能になりました。『CDCE72010』に関する詳細はhttp://www.tij.co.jp/cdce72010から参照できます。
A/Dコンバータの性能を引き出すクロック・シンセサイザ(ジッタ・クリーナ)
『CDCE72010』は、ジッタ・クリーナ機能内蔵の高速クロック・シンセサイザです。クラス最高の加算ジッタ 50fsというクロックを『ADS5483』をはじめとする高速A/Dコンバータに供給することにより、A/Dコンバータの性能(SNR、SFDR)を最大限に引き出すことが可能になりました。例えば、『CDCE72010』と水晶バンドパス・フィルタによるクロック駆動回路を使用して『ADS5483』を122.8MSPSで動作させた場合、100MHzの入力周波数に対してSNR 78.0dBFSとSFDR 89.1dBcという性能を実現できます。
『CDCE72010』は設定可能な周波数範囲が広いため、携帯電話基地局、試験・計測装置をはじめとする、さまざまなシステムがクロックに要求する条件を満足します。『CDCE72010』は8kHz~500MHzの入力周波数、最高1.5GHzの出力周波数を任意のユーザ設定が可能な出力を提供します。『CDCE72010』は初期設定を記憶するEEPROMをオンチップで内蔵していることから、システムのスタートアップ時間および外付け部品点数の低減に役立ちます。
『CDCE72010』の主な機能
製品開発と評価を迅速化するツール群およびシグナル・チェーン・ソリューション
『CDCE72010』は『ADS5483』と同一のEVM上に実装して供給されることから、これらの複雑なシステムの迅速な評価に役立ちます。EVMには、設計者の周波数設定に柔軟性を提供するため、VCXOおよび水晶フィルタ用の空きソケット、ならびに外部クロック入力のためのバイパス経路も用意されています。
『ADS5483』の評価ボードには、『CDCE72010』が実装されています。VCXOとループフィルタ用部品を未実装で提供することにより、設計者の任意のクロック設定をすぐに反映して評価を始めることが可能です。また、高速A/Dコンバータ製品(LVDS出力)のポートフォリオに使用できる『TSW1200』デジタル・キャプチャ・ツールも供給しています。『TSW1200』は最高16ビットの分解能および500MSPSのサンプリングレートのA/Dコンバータを迅速に評価できることから、設計作業の簡素化ならびにシステムの市場投入時間の短縮に役立ちます。TIでは、次の表に示す各製品をはじめ、お客様の製品設計を簡素化し、市場投入時間を短縮する包括的なシグナルチェーン向け製品を供給しています。
TIのシグナルチェーン向け製品ポートフォリオ
アプリケーション | A/Dコンバータ | D/Aコンバータ | アンプ | クロック | RF | DSP |
試験・計測装置 |
ADS5483 ADS5482 ADS5481 |
DAC5681 DAC5681Z |
OPA2695 THS4520 |
CDCE72010 | C6000 | |
ワイヤレス通信 |
ADS5483 ADS5482 ADS5481 |
DAC5688 |
THS4509 THS9001 |
CDCE72010 |
TRF3703 TRF3710 TRF3761 |
C6000 |
供給と価格について
『CDCE72010』は現在出荷中で、64ピンQFN PowerPAD®パッケージで供給されます。1,000個受注時の単価(参考価格)は10.95ドルです。
※すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。