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ニュースリリース

日本TI、業界初のダイナミック・レンジの圧縮機能およびスピーカー保護機能を内蔵したポータブル・オーディオ機器向けステレオClass-Dオーディオアンプを発表

2008年07月08日

携帯電話端末およびパーソナル・ナビゲーション機器の
音量および明瞭度を向上する新型デバイス

SCJPR-08-058 2008年7月8日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、1チャネルあたりの出力電力が1.7W(ワット、8Ω負荷時)、フィルタレスで、従来のClass-Dオーディオアンプ製品と比較してトータル音量を向上するステレオClass-Dオーディオアンプ、『TPA2016D2』を発表しました。『TPA2016D2』は、プログラマブルのDRC(ダイナミック・レンジ圧縮)機能を内蔵しており、スピーカーの保護のほか、波形のクリッピングおよび歪みを防止すると同時に、オーディオ信号レベルを希望する音量範囲に自動調整する機能を提供します。さらに高い柔軟性を備えた『TPA2016D2』に加え、直観的に理解できるサポート・ツール群も供給されることから、携帯電話端末、パーソナル・ナビゲーション機器、ノートPCおよびポータブルDVDプレーヤなどのポータブル機器メーカー各社の製品設計作業を簡素化し、市場投入時間の短縮に役立ちます。本件に関する詳細は http://www.tij.co.jp/tpa2016d2から参照できます。

音量向上とスピーカーの保護を同時に提供するプログラマブルDRC機能
『TPA2016D2』は、より大きなスピーカー音量への性能要件に対応して、ソフト・ボリュームを自動的に増加させるDRC機能を内蔵しています。設計者の立場からは、DRC機能によって、オーディオ信号のダイナミック・レンジを圧縮してスピーカーのダイナミック・レンジと一致させることで、不要な大音量によるクリッピングと音割れの発生を防止できます。またDRC機能は過剰な出力電力によるスピーカーの破損を防止できることから、製品出荷後の故障を低減できます。さらに『TPA2016D2』のDRC機能によって、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)の演算処理を最高20%も低減できることから、他の機能の向上にも役立ちます。

設計作業を簡素化し市場投入時間を短縮する高い柔軟性とダイナミック・ツール群を提供
『TPA2016D2』のDRC機能はI2Cデジタル・バス経由で設定できることから、製品システムのオーディオ性能を最適化するための設計パラメータを簡単に規定できる柔軟性を提供します。例えば-28dB(デシベル)~+30dBの間でゲインを設定できるほか、アタック/ホールド/リリース時間、圧縮比、雑音のスレッシュホールド値などの各パラメータを設定できます。

使いやすいGUI(グラフィック・ユーザー・インターフェイス)や、高い柔軟性を持つDRCの全機能を設定できるソフトウェア付属の評価モジュールも供給されます。このGUIは動的に変化するグラフィック・プロットを提供し、理解しやすい視覚的な表示によって入出力関係の迅速な評価が可能なことから、市場投入時間の短縮に役立ちます。

TIのポータブル・オーディオ機器向けソリューションのポートフォリオを拡張
『TPA2016D2』は、『TLV320AIC3104』、『TLV320AIC33』および『TLV320AIC34』などのポータブル向けオーディオ・コンバータ、『TLV320DAC32』および『PCM1774』などのD/Aコンバータ(デジタル-アナログ・コンバータ)、ならびに『TPA4411』および『TPA6130A2』などのヘッドフォン・アンプをはじめとするTIの包括的なポータブル市場向けデジタル・オーディオアンプ製品を拡張する新製品です。『TPA2016D2』はTIのDSPおよびOMAP™プロセッサ、ならびに携帯電話端末向けに高集積度を提供するLoCosto™ およびOMAP-Vox™ ソリューションなど、各TI製品との組み合わせに最適化されています。

価格と供給について
現在、『TPA2016D2』Class-Dオーディオアンプは量産出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。パッケージは基板実装面積の低減に役立つ2.2mm(ミリメートル)角のNanoFree® WCSPです。1,000個受注時の単価(参考価格)は1.60ドルです。サンプルと評価モジュールも提供されます。

※すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。