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日本TI、ブースト・コンバータ内蔵、バッテリー電圧の低下に対して一定な1.5Wの出力を提供するClass-Dオーディオアンプを発表

2008年07月08日

バッテリー電圧範囲内で一定の出力を提供し、
ポータブル・オーディオ機器の性能を向上する新型デバイス

SCJPR-08-059 2008年7月8日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、ブースト・コンバータ内蔵でモノリシック構成、フィルタレスのClass-Dオーディオアンプ、『TPA2014D1』を発表しました。『TPA2014D1』は、携帯電話端末、パーソナル・ナビゲーション機器、ゲームおよびワイヤレス・スピーカーをはじめとするポータブル・アプリケーションにおいて、スピーカーにより高い出力電力を供給して大音量を発生させる性能要件に対応し、8Ω(オーム)負荷に対して最大1.5W(ワット)の出力を提供するとともに、バッテリーが最小電圧まで放電した場合でも音割れを防ぎ大音量を 保つオーディオアンプ機能を提供します。本件に関する詳細は http://www.tij.co.jp/tpa2014d1から参照できます。

これまで、ポータブル向けの高出力Class-Dオーディオアンプ製品は、電源として使用するバッテリー電圧によって出力が変化していました。バッテリー電圧が低下するにしたがって最大出力電力は減少し、音量の低下および音割れを発生しました。『TPA2014D1』は、Li-Ion(リチウム-イオン)バッテリーの満充電から最小電圧までの範囲で、より高く一定の出力電力を提供します。さらに、85%と高いトータル電力効率を提供することから、バッテリー動作時間を延長でき、ポータブル機器の通話または再生時間を増加できます。

『TPA2014D1』のその他の特長として、オーディオ性能の向上があります。『TPA2014D1』は2.5V(ボルト)~5.5Vと広い電源電圧範囲、ならびに91dB(デシベル)と非常に高いPSRR(電源雑音除去比)を備えていることから、電源設計を簡素化するとともに、音質の劣化なしでバッテリーに直結して動作できます。さらに、『TPA2014D1』はClass-Dオーディオアンプとブースト・コンバータの動作クロックを同期するPLL(フェーズロック・ループ)を内蔵していることから、可聴域のビート雑音を大幅に低減できます。

価格と供給について
現在、『TPA2014D1』Class-Dオーディオアンプは量産出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。パッケージは4mm(ミリメートル)角のQFNパッケージと基板実装面積の節約に役立つ2.3mm角の超小型WCSPパッケージで供給されます。1,000個受注時の単価(参考価格)はQFNパッケージ製品が1.32ドル、WCSPパッケージ製品が1.40ドルです。サンプルとEVM(評価モジュール)の供給に関してはhttp://www.ti.com/audio(英文)から参照できます。

『TPA2014D1』の特性表

項目 TPA2014D1
スピーカー・チャネル数 1ch (モノラル)
ヘッドフォン・チャネル なし
出力電力 1.5 W
負荷(最小値) 8 Ω
電源電圧範囲 2.5 V ~ 5.5 V
全高調波歪み+雑音 (1kHz、半値電力) 2.5 V ~ 5.5 V
全高調波歪み+雑音 (1kHz、半値電力) 0.1 %
チャネルあたり静止電流(代表値) 11 mA
シャットダウン時電流(代表値) 0.5 μA
PSRR(代表値) 91 dB
動作温度範囲 -40 ℃ ~ 85 ℃
パッケージ/ピン QFN-20, WCSP-16

TIのポータブル機器向けオーディオ製品を拡張
『TPA2014D1』は、より高い出力電力と4Ω負荷の駆動能力を備えた 『TPA2013D1』をはじめとするTIの包括的なポータブル市場向けClass-Dオーディオアンプ製品を拡張する新製品です。これらの製品は、『TLV320AIC3106』をはじめとするポータブル機器向けオーディオ・コンバータ、『TLV320DAC32』D/Aコンバータ、『Aureus™』オーディオDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)プラットフォームなどで構成されるTIのオーディオ向け製品との動作に最適化されています。TIはお客様のオーディオ・シグナル・チェーン全体に向けたシリコン・チップ、ソフトウェア、システムに関する専門知識およびサポートを供給し、製品の市場投入時間を短縮します。TIの包括的なオーディオ・シグナル・チェーン向け製品の詳細に関してはhttp://www.ti.com/audio(英文)から参照できます。またTIのポータブル・コンシューマ・アプリケーション向けパワー・マネージメント製品の詳細に関してはhttp://power.tij.co.jpから参照できます。

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