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ニュースリリース

日本TI、ポータブルの超音波診断機器においてクラス最高の電源の最適化を提供する新型のアナログ・フロントエンド製品を発表

2008年07月07日

既存製品と比較して消費電力を30%以上低減した
アナログ・フロントエンド製品ファミリーの第二弾新製品

SCJPR-08-056 2008年7月7日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、医療用超音波診断市場向けのAFE(アナログ・フロントエンド)製品ファミリーである『AFE58xx』の第二弾のデバイスとして、高集積度でポータブル超音波診断装置向けの『AFE5804』を発表しました。新製品の『AFE5804』は、特に、低消費電力と小型化が必要な超音波診断システム向けに開発されました。8チャネル内蔵の『AFE5804』は、市場の同種のデバイスと比較して30%以上少ない消費電力で動作することから、より長いバッテリー動作時間、ならびに、より高品質な診断画像を提供するポータブル・システムの実現に役立ちます。本件に関する詳細は http://www.tij.co.jp/afe5804から参照できます。

ポータブルの超音波システムの設計に役立つ最先端の特長を提供
全機能を集積した『AFE5804』は、40MSPS(メガサンプル/秒)の動作時に、102mW/チャネル(ミリワット/チャネル)の低消費電力、ならびに1.25nV/√Hz(ナノボルト/√Hz)の低ノイズ特性と、クラス最高の低消費電力を提供すると同時に、より優れた品質の診断画像をポータブルの超音波装置に提供します。『AFE5804』は8チャネルのLNA(ローノイズ・アンプ)、VCA(電圧コントロール・アッテネータ)、PGA(プログラマブル・ゲイン・アンプ)、LPF(ローパス・フィルタ)、およびLVDSデータ出力を備えた12ビット、10MSPS~50MSPSのA/Dコンバータ(アナログ-デジタル・コンバータ)を内蔵しています。

LNA、VCAおよびPGAのゲイン設定によって、処理系が受信する診断画像の微調整が可能であることから、より優れた画像処理を実現できます。LNAのゲインは20dB(デシベル)に設定され、優秀なノイズ特性ならびに、280mVpp(ミリボルト ピーク-ピーク)の入力範囲、および高速の過入力回復時間をはじめとする信号処理機能を提供します。VCAのゲインは、8チャネルに共通した0V(ボルト)~1.2Vのコントロール電圧によって、46dBまでの範囲で可変です。PGAのゲインは20dB、25dB、27dB、30dBに設定できます。A/DコンバータのLVDS出力は、ASIC(特定用途向けIC)またはFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレー)とのインターフェイスに必要な配線本数を低減できることから、ポータブル・システムにおいて要求される高い実装密度の実現に役立ちます。

消費電力およびノイズ特性の最適化に役立つプログラマブルのモード・コントロール
『AFE5804』は、モード・コントロール機能によってノイズ・レベルと消費電力特性を設定できる柔軟性を提供することから、システムの最適化に役立ちます。

ローノイズ特性

  • 0.92 nV/√Hz(TGC-Mode I)
  • 1.25 nV/√Hz(TGC-Mode II)
  • 1.1 nV/√Hz(CWおよびPWモード)

低消費電力特性

  • 112 mW/チャネル(TGC-Mode I)
  • 102 mW/チャネル(TGC-Mode II)
  • 105 mW/チャネル(PWモード)
  • 65 mW/チャネル(CWモード)

使いやすく高品質の超音波診断システムの実現に役立つTIのAFE製品ポートフォリオ
TIの『AFE58xx』製品ファミリーは、より優れた診断画像の品質と、より少ない消費電力を備えた超音波診断システムを実現します。2008年3月に発表された製品ファミリー初のデバイスである『AFE5805』は、ポータブルからミッドレンジの超音波市場向けの製品です。今回発表の『AFE5804』は『AFE5805』との間でピン互換性を備え、より低消費電力が必要なシステムへの移行を容易にするAFEソリューションです。『AFE58xx』製品ファミリーの詳細に関しては、http://www.ti.com/ultrasound (英文)から参照できます。

TIでは、『AFE58xx』製品ファミリーのほか、超音波診断その他の医療用画像装置向けに、高性能DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)、『DaVinci™』デジタル・メディア・プロセッサ、『OMAP™』アプリケーション・プロセッサ、高速データ・コンバータおよびアンプ、パワー・マネージメント、クロックおよびインターフェイス、ワイヤレス接続向けソリューションをはじめとした包括的なIC(集積回路)製品ポートフォリオを提供しています。TIの最新の『Medical Application Guide』のダウンロード、および広範囲のシステム構成のブロック図に関しては、www.ti.com/medical.(英文)から参照できます。

価格と供給について
現在、『AFE5804』は15mm(ミリメートル)×9mm角の135ボールBGAパッケージでサンプル出荷中です。量産出荷は2008年9月の予定です。1,000個受注時の単価(参考価格)は62ドルです。評価用ボードの供給も2008年9月の予定です。

『AFE58xx』ファミリーの特性表

項目 AFE5804 AFE5805
入力電圧ノイズ (Typ) 1.25 nV/√Hz 0.85 nV/√Hz
入力範囲(Typ) 280 mVpp 250 mVpp
消費電力(Typ) 102 mW 122 mW
ゲイン・コントロール範囲 (Typ) 46 dB 46 dB
最高総合ゲイン (Typ) 49.5 dB 50 dB
第二高調波歪み(Typ) -47 dB -45 dB
過入力回復時間 1 クロックサイクル 1 クロックサイクル
ゲイン誤差 (Typ) ±0.5 dB ±0.5 dB
分解能 12 ビット 12 ビット
内蔵チャネル数 8 8
ピン/パッケージ 135ボールBGA 135ボールBGA
動作温度範囲 0 ℃ ~ +70 ℃ 0 ℃ ~ +70 ℃
1,000個受注時の単価(参考価格) 62ドル 45ドル

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