24Vのバックライト用電源で動作し、シングルエンド出力を備えた
出力15Wの新型Class-Dアンプ

SCJPR-08-055 2008年7月3日

日本テキサス・インスツルメンツ（本社：東京都新宿区、社長：山崎俊行、略称：日本TI）は本日、TIの第二世代のステレオClass-Dアンプで、出力電力15W（ワット）、アナログ入力、シングルエンド出力の『TPA3121D2』および『TPA3124D2』を発表しました。これらの新製品は、高効率を提供するとともに、部品点数を低減できることから、HDTV（高品位テレビ）その他のコンシューマ向けオーディオ・エレクトロニクス製品において、ソリューション全体のサイズおよびコストの低減に役立ちます。『TPA3121D2』および『TPA3124D2』は、シングルエンド出力に伴う設計上の困難に対応する特長を備えていることから、LCD（液晶ディスプレイ）、プラズマおよびDLP® TVその他のホーム・オーディオ製品において高い堅牢性と信頼性ならびに性能を備えたオーディオ機能を実現できます。本件に関する詳細は http://www.tij.co.jp/tpa3121d2から参照できます。

部品点数を低減し、高いコスト効率でコンパクトなデザインを実現
HDTV市場において産業向けデザインと、より小型のフォームファクタが標準的になるにつれて、メーカー各社は価格とサイズの問題に直面するようになりました。『TPA3121D2』および『TPA3124D2』は、これらの困難に対応します。シングルエンド・アーキテクチャは2組のLC（インダクタとコンデンサ）構成の出力フィルタを省略できることから、BOM（原材料費）および基板実装面積の低減に役立ちます。これらのデバイスは、LCD HDTVに内蔵の既存の24V（ボルト）のバックライト電源で動作可能であり、オーディオ専用の電源が不要になることから、コストの低減にさらに役立ちます。これらのデバイスで構成されたオーディオ・ソリューションのBOMは、他の同種の製品と比較して部品点数が少なく、メーカー各社はコストを最高25%も低減できます。さらに、これらの新型Class-Dアンプ製品は、90%を超える高効率動作を提供することから、放熱器も不要です。高価な部品が不要になることで、全体的なシステム・コストを低減できるとともに、よりスリムな外形のデザインを実現できます。

高い堅牢性と信頼性で高いオーディオ性能を提供
『TPA3121D2』および『TPA3124D2』はBOMおよび基板実装面積の低減と同時に、高い堅牢性も提供します。これらのデバイスはフィールドにおいて高実績を持つTIのテクノロジーによって、シングルエンド出力のソリューションが持つクリック音およびポップ音などのノイズの問題を解決しました。『TPA3121D2』および『TPA3124D2』の出力回路は、シングルエンドのステレオ出力をサポートするほか、モノラルで30W出力のBTLモードにも設定でき、ワイヤレス・スピーカーやサブウーハなどのアプリケーションもサポートします。さらに、『TPA3121D2』は30μs（マイクロ秒）と高速のミュート時間も備えています。ビデオ・プロセッサによっては、電源切断時のポップ雑音を防止するために高速のミュート機能が必要となります。また『TPA3121D2』および『TPA3124D2』の両デバイスは、過電圧、過熱および短絡などの故障に対する自己保護回路を内蔵しており、高い信頼性を確保できます。

TIのHDTV向けホーム・オーディオ製品のポートフォリオを拡張
『TPA3121D2』および『TPA3124D2』は、TIのHDTV向けおよびコンシューマ・オーディオ・エレクトロニクス製品向けのシングルエンド・オーディオ・ソリューション製品を拡張する新製品です。さらに、TIではI2S入力へ移行する市場トレンドに対応して、最近発表された『TAS5706』をはじめとするデジタル入力でローカル・フィードバック回路搭載のClass-Dアンプ製品も供給しています。より洗練されたオーディオ処理が必要なお客様向けには、全機能内蔵の高性能プロセッサ製品も供給しています。詳細に関しては、http://www.tij.co.jp/tas5706またはwww.tij.co.jp/tasaudioから参照できます。

価格と供給について
現在、『TPA3121D2』および『TPA3124D2』は量産出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。次の表にTPA312xD2製品ファミリーの現行および今後の製品、出力電力、電源電圧、パッケージ、1,000個受注時の単価（参考価格）を示します。

『TPA312xD2』ファミリーの概要

『TPA3121D2』は、『TPA3124D2』および『TPA3123D2』との間でピン互換性を備えています。ピン互換性によって、メーカー各社は複数の製品に共通のプリント基板を利用できます。サンプルと評価モジュールならびに最新の『Audio Solutions Guide』に関してはhttp://www.ti.com/audio（英文）から参照できます。

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