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日本TI、業界初のデジタル接点入力を8チャネル内蔵したシリアライザを発表

2008年06月18日

広範囲の工業用アプリケーションにおいて
基板実装面積を最高60%低減する高集積IC

SCJPR-08-050 2008年6月18日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、デジタル接点入力を8チャネル内蔵したシリアライザ『SN65HVS882』を発表しました。『SN65HVS882』は、信号コンディショニング機能を内蔵し、0V~34Vの8本のデジタル接点入力をSPIインターフェイス上の1本のデータストリームに変換します。これにより、後段の絶縁素子等も含めて、工業用オートメーション、試験・計測装置などのデザインの簡素化および基板実装面積の低減を可能にします。
本件に関する詳細は http://www.tij.co.jp/sn65hvs882から参照できます。

TIのハイパフォーマンス・アナログ・ビジネス担当でシニア・バイスプレジデントのアート・ジョージ(Art George )は次のように述べています。「狭い設置場所に適合する、高密度の工業用オートメーション・システムの設計において、革新的なアーキテクチャを備えた『SN65HVS882』を採用することにより、お客様の直面されている様々な問題点を解決できます。」

デザインを簡素化する各機能を内蔵
『SN65HVS882』は高密度のシステムにおける回路の複雑さを緩和し、製品の市場投入時間を短縮する数々の機能を内蔵しています。『SN65HVS882』は、大きく分けて次の3ブロックから構成されます。

  1. 信号コンディショニング
    • 1個の外付け抵抗で入力電流を200μA~5mAの範囲で調整可能
    • プログラマブルのデ・バウンス機能 (0ms, 1ms, 3ms遅延を外部ピンで選択)
      雑音の多いスイッチ入力からの最高3msまでのスプリアス・パルスを抑圧
    • 入力状態監視用に、チャネル毎にLEDを接続可能
  2. シリアライザ
    • SPIポートを使用して、8入力をシリアルデータに変換
    • カスケード接続することにより、最大160チャネルのシリアル化が可能
      チャネル数の多い接点入力モジュールに必要な絶縁素子数および制御ピン数を低減可能
  3. 電圧レギュレータ
    • 現場で利用可能な工業用の10V~34Vの入力を5Vレベルに変換
      この電圧はシステムの絶縁デバイスやロジック・コントローラの電源として使用可能
    • 温度センサー内蔵
      チップ温度が約150℃を越えると、モニタ端子からLow出力。さらに、約170℃を越えると、全出力をHzにして外部回路から切断。

工業用アプリケーション向けに業界で最もコンパクトなシリアライザ・ソリューション
『SN65HVS882』は、システム設計者にとって、次のような利点があります。

  1. 実装面積の低減、高密度実装、部品点数の削減、装置のコンパクト化
    通常は外付け部品によって実行される重要な機能を1個のデバイスに集積しています。各機能の集積と8チャネル内蔵により、設計者はシステム基板面積を市場の同種の製品と比較して最高60%低減できます。
  2. 消費電力の低減、高密度実装、装置のコンパクト化の熱対策
    代表的な工業用アプリケーションと比較して、システム・レベルの消費電力を50%以上低減できます。例えば、5Vおよび3mAのターンオン・ポイントを持つ24Vのアプリケーションでは、チャネルあたり275mWもの電力を低減できます。

『SN65HVS882』は、-40℃~+125℃の広い温度範囲で動作することから、プロセス制御システム、ファクトリー・オートメーション、テスター、計測装置などのアプリケーションに最適です。また、システム全体の消費電力の低減が重要なエレベーターやプログラマブル・ロジック・コントローラなどのアプリケーションに最適です。
工業用24V 接点入力向けに、同様な機能を内蔵した『SN65HVS880』も提供中です。

設計時間の短縮に役立つサポート・ツールおよびシグナルチェーン向けソリューションを提供
TIでは、お客様の製品の設計プロセスを迅速化する、評価モジュールおよびサンプルの提供を行っています。またTIでは、『ISO7241』4チャネル内蔵デジタル・アイソレータ、『DCR022405』絶縁型DC/DCコンバータ、『TMS320F28x』32ビット・デジタル・シグナル・コントローラをはじめ、高性能、高密度システムのデザインの簡素化にさらに役立つ包括的なソリューションを供給しています。

『SN65HVS882』は、USB、RS-232、1394、LVDS、RS-485、CANおよびUARTの各標準規格向けのさまざまな製品ファミリーをはじめとする、TIの包括的なインターフェイス製品のポートフォリオを拡張します。詳細に関してはInterface Selection Guide (http://focus.ti.com/lit/ml/sszt009c/sszt009c.pdf 英文)から参照できます。

『SN65HVS882』の特性表

項目 SN65HVS882 SN65HVS880
動作電圧範囲 10 V ~ 34 V 18 V ~ 30 V
インターフェイス SPI SPI
出力数 0 0
入力数 8 8
I/Oレート (Max) 1,000 kbps 1,000 kbps
デ・バウンス時間 0, 1, 3 ms 0, 1, 3 ms
IO電流 0.2 mA ~ 5.2 mA 0.2 mA ~ 5.2 mA
IO電圧範囲 0 V ~ 34 V 0 V ~ 30 V
電圧モニタ機能 なし あり
パリティ なし なし
過熱保護機能 内蔵 内蔵
動作温度範囲 -40 ℃ ~ +125 ℃ -40 ℃ ~ +85 ℃
ピン/パッケージ 28ピンHTSSOP 28ピンHTSSOP
1,000個受注時の単価(参考価格) 3.00ドル 2.75ドル

価格と供給について
現在、『SN65HVS882』は量産出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。パッケージは28ピンHTSSOPです。1,000個受注時の単価(参考価格)は3.00ドルです。

※すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。