2008年06月05日
高い測定精度と基板実装面積の低減を提供
SCJPR-08-044 2008年6月5日
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、小型のSC70パッケージで、ハイサイド(高電圧側)およびローサイド(低電圧側)で使用可能な双方向電流シャント・モニタIC(集積回路)、『INA210』ファミリーを発表しました。この新製品はゼロ・ドリフト特性の双方向アーキテクチャを搭載し、-40℃~+125℃の温度範囲で±1%(最大値)の高精度、ならびに35μV(マイクロボルト、最大値)と低いオフセット特性を提供します。オフセット電圧をほとんど排除したことと、ゼロ・ドリフト特性によって、『INA210』ファミリーに使用するシャント抵抗の電圧降下および消費電力を一桁も低減できること、およびSC70パッケージにより貴重な基板実装スペースも低減できます。『INA210』ファミリーはサーバ、通信機器、自動車、バッテリー・マネージメント、コンピュータ、電源および試験装置など、さまざまなアプリケーションに使用できます。本件の詳細に関してはhttp://www.tij.co.jp/INA210から参照できます。
『INA210』ファミリーは-0.3V(ボルト)~+26Vの同相モード範囲を備えていることから、電源短絡時でも電流検出機能を確保できます。各入力は全同相モード範囲の差動入力に耐えます。双方向のトポロジには、単方向または双方向の各アプリケーションに適合させるために静止出力にバイアスを加えるリファレンス・ピンも含まれています。『INA210』ファミリーは+2.7V~+26Vの範囲の単一電源で動作します。100μA(マイクロアンペア)と低い静止電流によって、ポータブル・アプリケーションにおいて消費電流を最少にするとともに、電源を切断するだけでシャットダウンも実現できます。電源の切断時においても、シャント入力は全範囲の同相電圧に耐えます。
『INA210』ファミリーは異なる要求条件のアプリケーションに対応するため、5種類のゲインの製品が用意されています。非常に低い電圧降下の電流測定に最適化された製品として、『INA210』(200倍ゲイン)、『INA211』(500倍ゲイン)および『INA212』(1000倍ゲイン)があります。また低いオフセットとゲインを備え、広いダイナミック・レンジの電流検出に最適な『INA213』(50倍ゲイン)および『INA214』(100倍ゲイン)も供給されます。
『INA210』の特性表
項目 | INA210 | INA211 | INA212 | INA213 | INA214 |
ゲイン | 200 V/V | 500 V/V | 1000 V/V | 50 V/V | 100 V/V |
同相モード入力範囲 | -0.3 V ~+26V | -0.3 V ~+26V | -0.3 V ~+26V | -0.3 V ~+26V | -0.3 V ~+26V |
入力オフセット電圧 (Max) | ±35 μV | ±35 μV | ±35 μV | ±60 μV | ±60 μV |
入力オフセット・ ドリフト(Max) |
±0.5 μV/℃ | ±0.5 μV/℃ | ±0.5 μV/℃ | ±0.5 μV/℃ | ±0.5 μV/℃ |
CMRR (Min) | 105 dB | 105 dB | 105 dB | 100 dB | 105 dB |
小信号帯域幅 (Typ) | 0.014 MHz | 0.014 MHz | 0.014 MHz | 0.014 MHz | 0.014 MHz |
静止電流 (Typ) | ±0.065 mA | ±0.065 mA | ±0.065 mA | ±0.065 mA | ±0.065 mA |
電源電圧範囲 Vs | 2.7 V ~ 26 V | 2.7 V ~ 26 V | 2.7 V ~ 26 V | 2.7 V ~ 26 V | 2.7 V ~ 26 V |
動作温度範囲 | -40 ℃ ~ +125 ℃ | -40 ℃ ~ +125 ℃ | -40 ℃ ~ +125 ℃ | -40 ℃ ~ +125 ℃ | -40 ℃ ~ +125 ℃ |
ピン/パッケージ | 6ピンSC70 | 6ピンSC70 | 6ピンSC70 | 6ピンSC70 | 6ピンSC70 |
1,000個受注時の単価(参考価格) | 0.65ドル | 0.65ドル | 0.65ドル | 0.65ドル | 0.65ドル |
供給と価格について
『INA210』ファミリーは現在出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。パッケージは6ピンSC70です。1,000個受注時の単価(参考価格)は0.65ドルです。
TIではアナログ技術者向けにセミナ、デザイン・ツール、サンプル提供などの幅広いサポートを提供しています。TIの包括的なアナログ・デザイン・サポートの詳細ならびに最新の『Amplifier and Data Converter Selection Guide』に関しては、http://www.tij.co.jp/analogelabから参照できます。
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