SCJPR-08-042 2008年6月3日

日本テキサス・インスツルメンツ（本社：東京都新宿区、社長：山崎俊行、略称：日本TI）は本日、他に例のないDC（直流）精度およびAC（交流）性能と高いコスト効率を提供する高い集積度を備え、複数の回路を内蔵した16ビット・デルタ-シグマ型A/Dコンバータ（アナログ-デジタル・コンバータ）、『ADS1174』（4回路内蔵）および『ADS1178』（8回路内蔵）を発表しました。これらの新製品は振動解析やモード解析をはじめ、AED（除細動器）、ECG（心電図）モニタ、電力測定、圧力センサ、コリオリ流量計など高性能を要求する信号アクイジション・アプリケーション向けに、同時サンプリング機能を持つ計測システムを提供します。本件に関する詳細は http://www.tij.co.jp/ads1174から参照できます。

『ADS1174』および『ADS1178』は、25kHz（キロヘルツ）の帯域幅、2μV/℃（マイクロボルト/℃）のオフセット・ドリフト、最高97dB（デシベル）のSNR（信号/雑音比）などの特長を備えています。また、52kSPS（キロサンプル/秒）の動作速度と、7mW/チャネル（ミリワット/チャネル）の消費電力の両方に最適化が可能な2種類の動作モードも備えています。

これまで、良好なドリフト性能を提供する工業用デルタ-シグマ型A/Dコンバータには、通過帯域内で大きなドループ特性を持つデジタル・フィルタが使用されていたことから、信号帯域が制限され、ほとんどの用途はDC測定でした。一方、オーディオ・アプリケーション用の高分解能のA/Dコンバータは、より高い使用可能帯域幅を提供しますが、同種の工業用のコンバータと比較してオフセットおよびドリフトの仕様は大幅に低く、しばしば特性が規定されていない場合もあります。『ADS1174』および『ADS1178』は、これら2種類のA/Dコンバータを組み合わせることで、最高のDCおよびAC仕様で高精度の工業向け測定を実現できます。

『ADS1174』および『ADS1178』は、高次数のチョッパー・スタビライズド変調器を内蔵し、DCからナイキスト周波数までの信号帯域幅において非常に低いドリフト特性および低雑音特性を実現します。また内蔵のデシメーション・フィルタは変調器および帯域外の雑音を抑圧することで、ナイキスト周波数の90%までの使用可能信号帯域幅と、阻止帯域において100dBの減衰量を提供します。

SPIまたはフレーム同期を選択可能なシリアル・インターフェイスは、DSP（デジタル・シグナル・プロセッサ）およびFPGA（フィールド・プログラマブル・ゲート・アレー）、それにマイクロコントローラとのインターフェイスに便利です。両方のインターフェイスはデイジー・チェーン接続をサポートしていることから、多チャネル構成のシステムにおいて、複数の『ADS1174』および『ADS1178』を簡単に使用できます。これらのA/Dコンバータの特性は-40℃～+105℃の工業用温度範囲で規定されています。『ADS1174』および『ADS1178』はこれらの製品と同一パッケージで供給され、ピン互換性を備えた24ビットの高性能A/Dコンバータである『ADS1274』および『ADS1278』へ簡単にアップグレードできます。

『ADS1174』および『ADS1178』の特性表

価格と供給について
現在、『ADS1174』および『ADS1178』は64ピンHTQFP PowerPAD™ パッケージで出荷中です。100個受注時の単価（参考価格）は『ADS1174』が12.45ドル、『ADS1178』が19.95ドルです。
TIではアナログ技術者向けにセミナー、デザイン・ツール、技術資料、評価モジュール、サンプル提供などの幅広いサポートを提供しています。TIの包括的なアナログ・デザイン・サポートの詳細ならびに最新の『Amplifier and Data Converter Selection Guide』に関しては、http://www.ti.com/analogelab（英文）から参照できます。

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