～デジタル電源および組み込みコントロールアプリケーション向け～

SCJPR-08-041 2008年6月2日

日本テキサス・インスツルメンツ（本社：東京都新宿区、社長：山崎俊行、略称：日本TI）は本日、32ビットデジタル電源および組み込みコントロール設計を容易にする『TMS320F28x』デジタル・シグナル・コントローラ（DSC）向けの検証およびアプリケーション用開発キット5製品を発表しました。このモジュラーキットは、DSCベースの通信インフラ、交換可能プロセッサ・カード・モジュールやcontrolCARD搭載の産業・民生用アプリケーション、アプリケーション仕様のDC-DC/AD-DCデジタル電源開発キットの迅速なプロトタイピングを可能にします。開発期間短縮のために、各キットは、TIの32キロバイト（KB）限定の統合開発環境（IDE）である『Code Composer Studio™ (CCStudio)』に加え、コードサンプルとフルハードウェア詳細設計を同梱しています。製品の詳細は日本TIのWeb サイト http://www.tij.co.jp/F28xkitsから参照できます。

モジュラーcontrolCARDおよび検証用キットにより32ビットDSCのコストが削減
新製品『TMS320C2000™』controlCARDの採用によって、OEMメーカーは、取り外し可能な小型100ピンDIMM形フォームファクタ・カード（90mm×25mm）で作動するコントローラ・サブシステムを使ったプロトタイプやフルプロダクションシステムを迅速に構築することができます。キーアナログ、デジタルI/OシグナルおよびJTAGテストピンはcontrolCARDインターフェイスを通して提供されるとともに、電源レベルがボード上で提供されるため必要な入力電圧は5ボルト（V）で済みます。最初に提供されるcontrolCARDの2製品は、150MHz動作、512KBフラッシュメモリーの『TMS320F28335』浮動小数点DSCおよび100MHz動作、128KBフラッシュメモリーの『F2808』固定小数点DSCをベースにしています。『F28335』controlCARDは税込参考価格8,820円、『F2808』controlCARDは7,560円（同）で提供されます。

『C2000™』検証用キットは、『TMS320F2808』もしくは浮動小数点『F28335』controlCARDはドッキングステーション付で税込参考価格11,340円から提供されます。すべてのcontrolCARDピンは4ピンのRS-232インターフェイスと共にドッキングステーションからフルアクセスが可能で、ブロードバンドエリアからコンポーネントを追加することができます。

新キットで産業・民生用アプリケーションのデジタル電源にメリット
デジタル制御の電力変換システムは、プログラマブルコントローラの機能強化によって全体的なコスト削減が可能になると同時に、リアルタイムで負荷条件のインテリジェントモニターを可能にし、かつシステムの信頼性や効率を向上させます。デジタル電源アプリケーションキットの3新製品により、これらの利点が通信インフラ、産業・民生用アプリケーションなどのデジタル・パワー・マネジメントにもたらされます。

デジタル電源検証用キットは、『F2808』controlCARD とともに、TIのデジタル非絶縁隔離『PowerTrain™』モジュール2製品を使ったDC-DCマザーボードなど高機能の開発環境を提供することによって、ソフトウェアベースのデジタル・パワー・マネジメントに利点をもたらすべく設計されています。また、このDC-DCボードは、デジタル・マルチメーターとアクティブロードを備えているため、設計者は過渡電流反応を分析・調整することができます。デジタル電源検証用キットには、ワーキングシステムやデジタルパワーの説明資料を含む無償でダウンロード可能なソフトウェアパッケージと、32キロバイト限定の『CCStudio』IDEが含まれています。

DC-DCデジタル電源開発キットは、16レールのデジタル電源コントローラとして機能を発揮する『F28044』DSCベースのcontrolCARDを使ったマルチレールかつマルチフェーズのアプリケーションをターゲットとしています。DC-DC開発キットには、産業、通信インフラ、コンシューマ・エレクトロニクスといった幅広い機器においてDC POL電源制御のプロトタイピングに使用される8個のTIデジタル非絶縁PowerTrainモジュールを使ったDC-DCマザーボードが含まれます。DC-DC開発キットには、32キロバイト限定の『CCStudio』IDEと無償でダウンロードが可能なソフトウェアパッケージが含まれます。

AC-DC開発キットは、最大80ワットの整流開発プラットフォームで、2位相のインターリーブ力率改善IC（PFC）フロントエンドおよび位相シフト・フルブリッジ・セカンダリを使用しています。このシステムは1個の『F2808』controlCARDで完全制御されており、サーバファームやベースステーションといった通信システムやテレコム、民生機器などのプロトタイピングに適しています。AC-DC開発キットには、32キロバイト限定の『CCStudio』IDEと無償でダウンロード可能なソフトウェアパッケージが含まれます。

価格と供給について
『F2808』ベースのcontrolCARDは7,560円（税込参考価格）、『C2000』検証用キットは『F2808』controlCARD付きで11,340円（同）、『C2000』DC-DC検証用キットは『F2808』controlCARD付きで29,400円（同）で提供を開始します。42,000円（同）のDC-DC開発キットおよび88,200円（同）のAD-DC開発キットは受注を開始しており、提供は2008年8月から開始されます。

拡大するデジタル・パワー・ポートフォリオ
TIの幅広いソリューションの高度なシステムインテリジェンスとハイパフォーマンス・プロセッサ、最適化されたコントローラおよびドライバ、直感的に使える開発環境を使った機能性によって、設計者はデジタル制御電源を設計することが可能となります。ハイパフォーマンス『TMS320F28x』デジタル・シグナル・コントローラから『FUSION DIGITAL POWER™』シリーズの『UCD9K』および『UCD7K』コントローラや電源ドライバにいたるまで、TIのデジタル電源ソリューションはPOL電源からハイパワーAC-DC／DC-ACコンバータまで幅広いアプリケーション用に最適化されています。

※Code Composer Studio、TMS320C2000、C2000、PowerTrainおよびFUSION DIGITAL POWERはTexas Instruments Inc.の商標です。すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。