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日本TI、業界初の1Gbps LVDS入力に対応した16ビット2チャネルD/Aコンバータ・ファミリーを発表

2008年05月29日

超小型パッケージの広帯域D/Aコンバータ

SCJPR-08-039 2008年5月29日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、分解能16ビット 1GSPS D/Aコンバータ『DAC568x』ファミリーを発表しました。このD/Aコンバータは1チャネルおよび2チャネル内蔵した製品がラインナップされています。これらの製品は1GbpsのLVDSのデータ入力ポートを備え、最大400MHzの信号帯域幅を出力することできます。また、設定オプションが柔軟であるうえに、充実した評価ツール群が提供されるため、基地局、広帯域IF(中間周波数)送信機、レーダー、試験・計測機器などの設計が容易になり、市場投入時間を短縮することができます。本件に関する詳細は http://www.tij.co.jp/dac5682Zから参照できます。

超小型パッケージでクラス最高の性能と柔軟性を提供
『DAC568x』ファミリーは、TIの高性能、高集積技術により9mm角のQFNパッケージで提供されるため、従来製品に比べて実装面積を70%低減することができます。このD/Aコンバータ・ファミリーは、多様な設定オプションにより、ダイレクト・アップコンバージョンや、リアルもしくは複素信号でのIF出力など、様々な送信機アーキテクチャに対応できるため、WCDMA、TD-SCDMA、WiMAX、LTEなどの様々な無線通信方式で使用することができます。例えば、WCDMAのACPR(隣接チャネル漏洩電力比)性能は、出力周波数が160MHzのとき、シングル・キャリアで73dBc、4キャリアでは67dBcとなります。1チャネルの『DAC5681』および『DAC5681Z』、ならびに2チャネル『DAC5682Z』は次のようなデジタル設定機能を提供します。

  • ローパス・フィルタ、ハイパス・フィルタ、バイパス・フィルタの選択が可能
  • 2倍、4倍のインターポレーション、もしくはそのバイパス
  • ±Fs/4または±Fs/8に設定可能なコース・ミキサ
  • 8サンプル長の入力データFIFO

開発時間を短縮するワールドクラスのツール群およびサポートを提供
TIでは、迅速なシステム・レベルの評価が可能な、使いやすく高機能な2つの評価ボード、ベースバンド出力の『DAC5682ZEVM』、RF出力の『TSW3082』を提供します。さらに、TIではD/Aコンバータ製品の評価用に、『TSW3100』(デジタル・パターン発生器)も提供しています。『TSW3100』は1GSPSのLVDSバスと最大256Mベクタのパターンを使用可能なメモリを備えており、様々な評価プラットフォームでの入力源として使用することができます。また、『TSW3100』を様々な評価モジュールと組み合わせることで、迅速でコスト効率の高い評価ソリューションを提供します。さらに、『DAC568x』ファミリーの広帯域性能を活用して、次のような高性能システムを構築できます。

  • 次世代通信方式の基地局
  • 最先端の画像処理機器向けの高解像度な画像表示
  • 多くの標準規格に対応するSDR(ソフトウェア無線)
  • 高いシステム性能を備えた試験・計測機器

TIは、『OPA695』(オペアンプ)、『CDCM7005』(クロック・シンセサイザ/ジッタ・クリーナー)、『TRF3761』(高集積PLL/VCO)、『TRF3703』(直交変調器)をはじめ、製品設計をさらに簡素化する、包括的なシグナル・チェーン向けの製品を提供しています。『DAC5682Z』は、無線基地局向けに最適化されたTIのシングルコアまたはマルチコアのDSPとの組み合わせにも最適です。

『DAC5682Z』の特性表

項目 DAC5681 DAC5681Z DAC5682Z
分解能 16 ビット 16 ビット 16 ビット
内蔵DACチャネル数 1 1 2
微分非直線性誤差DNL (max) ±2 LSB ±2 LSB ±2 LSB
積分直線性誤差 INL (max) ±4 LSB ±4 LSB ±4 LSB
セトリングタイム 0.0104μs 0.0104μs 0.0104μs
サンプル・レート/ アップデート・レート 1000 MSPS 1000 MSPS 1000 MSPS
消費電力 650 mW 800 mW 1300 mW
出力信号形式 電流 電流 電流
出力電流範囲 2 ~20 mA 2 ~20 mA 2 ~20 mA
電圧範囲 VDD VDD VDD
アーキテクチャ I-ステアリング I-ステアリング I-ステアリング
アナログ電源電圧範囲AV/DD 3.0 V ~ 3.6 V 3.0 V ~ 3.6 V 3.0 V ~ 3.6 V
ロジック電源電圧範囲DV/DD 1.71 V ~2.15 V 1.71 V ~2.15 V 1.71 V ~2.15 V
SNR(代表値) 79 dB 79 dB 79 dB
SFDR(代表値) 81 dB 81 dB 81 dB
必要電源数 (ユニポーラ) 2 2 2
ピン/パッケージ 64VQFN 64VQFN 64VQFN

価格と供給について
『DAC5682Z』は現在、64ピンQFNパッケージで出荷中です。1,000個受注時の単価(参考価格)は31.95ドルです。TIの16ビット、1GSPS D/Aコンバータ・ファミリーのサンプルおよび評価モジュールの供給に関しては、http://www.ti.com/dataconverters(英文)から参照できます。

※すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。