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日本TI、MSP430マイクロコントローラ用の総合開発環境 Code Composer Essentials v3を発表

2008年05月15日

Eclipseベースの統合開発環境を高性能化、開発期間の短縮を実現

SCJPR-08-037 2008年5月15日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、同社の超低消費電力マイクロコントローラ『MSP430』用の統合開発環境(IDE)の新バージョンとなる『Code Composer Essentials』v3 (以下『CCEssentials』v3)を発表しました。『CCEssentials』v3は開発現場での導入が急速に進みつつあるオープンソース・プラットフォームのEclipseに対応し、低価格でありながら、性能、エミュレーション機能、操作性などが向上しています。Eclipseオープンソース・プラットフォームをベースとすることで、設計の柔軟性と互換性を高めてきました。それにより『CCEssentials』v3は互換性のあるプラグインを容易に統合し、高度なカスタマイズが可能です。本件に関する詳細は www.tij.co.jp/cce/から参照できます。

『CCEssentials』は、直感的に操作できるユーザー・インターフェイス、業界最高レベルのCコード生成効率ならびに強力なデバッグ機能の組み合わせにより、設計プロセスの効率向上を可能にします。今回のバージョン・アップでは、デザインフローの改善、デバッグならびに検証作業の簡素化、および開発期間の短縮に重点を置いた最適化、改善がなされ、これらをコストを抑えたまま実現しました。

  • 使いやすさが向上:オプション・ダイアログ・ボックスの効率化により、一般的な設計タスクで要求される作業工程数を削減。また、開発者は単一のIDEを通して、MSPGCC GNUツール・チェーンなど、他の『MSP430』コンパイラツールへのアクセスも可能
  • 高度な組み込みエミュレーション:ブレイク・ポイントやスタック・トレースなどリアルタイムでのハードウェア機能を備えた非介入型のコード実行など、『MSP430』MCUのオンチップ機能を包括的にサポートすることによって、エミュレーション時間の短縮と効果的なデバッグ環境を実現。内部バス上の複雑なトリガ条件やペリフェラルへのクロック制御により、今までになくダイナミックなデバイス・コントロールを実現
  • 高性能デバッガ:GDBデバッガをTIの『CCStudio Debug Server』に置き換えることにより、アプリケーションのダウンロード、シングル・ステップ、およびレジスタや変数の更新といったタスクの実行速度が最大200パーセント向上
  • C言語構文をアップデート:開発者はTIおよびTIサード・パーティーからの多様なサンプル・コード、ライブラリ、およびデモ・コードを変更することなく、直接インポートすることが可能
  • 『MSP430』全製品をサポート:すべての世代の『MSP430』MCUをサポートすることで、開発ニーズに応じた最適なデバイスを利用可能に。『MSP430F261x』などのMSP430xアーキテクチャの機能である最大1MBまでの拡張メモリ(フラッシュ)も使用可能

開発ツールへのアクセスを円滑化し使い勝手を向上
MSP430ストラテジック・ツール・マーケティング・マネージャであるエイドリアン・バレンズエラ(Adrian Valenzuela)は次のように述べています。「当社は、お客様に低価格で業界最高レベルの開発ツールを提供しています。無償提供版の『CCEssentials』の対応コード・サイズを16Kバイトまで拡張することで、これまで行き届かなかった多くの独立系のデザインハウス、大学など多くの新興市場への参入障壁を取り除きました」

『CCEssentials』は単一のIDEにすべての『MSP430』開発ソフトウェアを統合しているので、開発者は主要な機能を一ヵ所から入手でき、速やかに設計を更新できます。また、IDEとコンパイラを独立させることで、開発者がクラス最高のプラグインを設計に利用できるようになりました。

『CCEssentials v3』(MSP-CCE430)の評価版(無償)は、最大16Kバイトのコード・サイズ(リンカ出力)をサポートしています。有償版の『CCEssentials Pro v3』(MSP-CCE430PRO)は、C言語とアセンブリ・コード・サイズを無制限でサポートし、1セットあたりの参考価格は69,000円(税込)です。『CCEssentials v3』は本日(2008年5月15日)より日本TIの販売特約店より提供を開始致します。

製品名 正式型番 内容 使用制限 希望小売価格
CCEssentials v3 MSP-CCE430 無償評価版 リンカ出力16KB制限 無償
CCEssentials Pro v3 MSP-CCE430PRO 製品版 無制限 69,000円(税込)

なお、CCEssentials v3, CCEssentials Pro v3が対応しているPC上のOSはWindows XP(SP2以上)もしくはWindows Vistaです。

革新と柔軟性を実現するEclipseオープン・ソース
『CCEssentials』 IDEは、Eclipseオープン・ソース開発プラットフォームのバージョン3.2をベースとしており、開発者は様々な開発言語、プラットフォーム、ベンダ環境下で、ツール統合、ソフトウェア・モデリングおよびテストを自由に選ぶことができます。Eclipseのプラグインをベースとするフレームワークとカスタマイズ可能なツール群は、設計者およびサード・パーティー各社によるソフトウェア・ツールの作成および統合作業を簡素化し、開発時間や投資コストの削減が可能となります。中核となる統合技術の共同研究によって、開発者はプラットフォームを再利用しつつ、競争優位性につながるような新技術の開発にリソースを集中できます。詳しい情報はこちら www.eclipse.org (英文)をご覧ください。

業界をリードする超消費電力MCU
『MSP430』 MCUプラットフォームは、スタンバイ電流0.5マイクロ・アンペアという超消費電力性能を実現する低消費電力クロック・システム機能を備えています。16ビット RISC CPUによって迅速な命令実行とともに、デジタル制御発振回路(DCO)により、1マイクロ秒以内でスタンバイ・モードから起動でき、その結果10年以上のバッテリ寿命を誇る超低消費電力性能が可能となります。
さらに、アナログ関連を含めた豊富なペリフェラル(周辺回路)により、完全なシグナル・チェーン(ワンチップ・ソリューション)の実現が可能です。それにより、システムの小型化、低消費電力化、コストの削減を同時に実現します。

MSP430入門セミナーを開催
5 月20日福岡を皮切りに全国12箇所で、初心者を対象にMSP430の新製品の特長、アプリケーション事例、開発環境を 2 時間で解説するセミナーを開催します。

日時:5 月 20 日(火)- 6 月 6 日(金)
会場:福岡、大阪、名古屋、厚木、横浜、品川、大崎、赤坂、武蔵境、大宮、筑波、勝田

MSP430 入門セミナー 2008の詳細はこちらをご覧ください。http://www.tij.co.jp/430day