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日本TI、業界初のローカル・フィードバック回路搭載、PWM入力パワー・ステージを発表

2008年05月08日

画期的なアーキテクチャにより音質を向上、
電源およびオーディオ・システム・コストを低減する新製品

SCJPR-08-034 2008年5月8日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、ローカル・フィードバック回路を搭載した、業界初の20W(ワット)ステレオ出力のPWM入力パワー・ステージ、『TAS5601』を発表しました。『TAS5601』は、フル・デジタルでありながら電力増幅段のHブリッジの特性を理想的に補正する、TI独自のローカル・フィードバック回路を搭載しており、Class-Dアンプ製品のポートフォリオを拡張する高効率のパワー・ステージ製品です。より優れた音質、EMC(電磁輻射)性能の向上、電源要求性能の緩和を可能にし、システム・コストの低減に役立ちます。『TAS5601』は高い柔軟性を備えており、複数のスピーカー出力設定をサポートするとともに、ビデオまたはオーディオ用プロセッサと簡単に接続できるPWMインターフェイスを内蔵していることで、LCD(液晶ディスプレイ)、プラズマおよびDLP®TV、ならびにメディア・ドッキング・ステーションをはじめとするHDTV(高品位テレビ)メーカー各社において製品の設計が容易になり、市場投入時間を短縮できます。本件に関する詳細は http://www.tij.co.jp/tas5601から参照できます。

システム・コストを低減するとともに、真のデジタル性能を提供
ローカル・フィードバック回路搭載の『TAS5601』は、スピーカーまで含めたオーディオ・サブシステムの制御機能を実現し、より正確で忠実なサウンドと高いダンピング・ファクタによる低音応答特性の向上を提供することで、システムのオーディオ性能を向上します。『TAS5601』に搭載されたローカル・フィードバック回路は、より優れたPSRR(電源雑音除去比)を提供し、オーディオ帯域に結合する電源雑音を低減することから、低価格の電源を使用できます。高速、大電流で動作するフル・ブリッジ回路のスイッチング特性を補正し、出力波形のエッジ遷移を緩やかにしたことで、最良のTHD+N(全高調波歪み+雑音)特性を保ちながら、EMC性能を大幅に向上しました。『TAS5601』は90%を超える高効率と、3.3V(ボルト)および10V~26Vの二電源動作を提供します。+26Vまでの動作により、LCDテレビのメーカー各社は『TAS5601』の電源として既存のバックライト用の+24V電源を使用でき、オーディオアンプ専用の電源が不要となることから、システム・コストをさらに低減できます。

さらに『TAS5601』は過電圧、電圧低下、過熱および短絡などの故障に対する自己保護回路を内蔵しています。短絡および過熱状態は『TAS5601』からのFAULT信号およびTHERM_WARN信号経由でシステム・コントローラに通知することも可能です。

設計を簡素化し、開発時間を短縮する高い柔軟性を提供
高い柔軟性を提供する『TAS5601』プラットフォームは、2チャネルのBTL(ブリッジ)出力、4チャネルのSE(シングルエンド)出力、それに2.1システムをサポートする2チャネルのSE出力と1チャネルのBTL出力の組み合わせなど、さまざまなスピーカー出力構成をサポートします。またTIが最近発表した『TAS3308』オーディオ・システムSoC(System on Chip)をはじめとするビデオ・プロセッサまたはオーディオ・プロセッサと簡単に接続できるPWMインターフェイスを内蔵していることから、さらに設計が容易になり、市場投入時間の短縮に役立ちます。『TAS3308』の詳細に関しては http://www.ti.com/tas3308(英文)から参照できます。

TAS5601の特性表

項目 TAS5601
スピーカー・チャネル数 BTL 2ch, SE 4ch, SE 2ch + BTL 1ch
出力電力 20 W
負荷抵抗(最小値) 4 Ω
全高調波歪み+雑音 (1kHz、半値電力) 0.1 %
PWM入力周波数 200 ~ 400 kHz
デジタル電源電圧DVDD (5Vロジックに対応) 3.3V
アナログ電源電圧範囲 10 V ~ 26 V
電源電圧範囲 Vcc 10 V ~ 26 V
動作温度範囲 -40 ℃ ~ 85 ℃
ピン/パッケージ 56HTSSOP

価格と供給について
現在、『TAS5601』は56ピンHTTSOPパッケージで出荷中です。1,000個受注時の単価(参考価格)は2.00ドルです。

ホーム・エンターテインメント用オーディオおよびHDTV向け製品を拡張
『TAS5601』はTIの包括的なホーム・エンターテインメント向けオーディオ製品に追加されるとともに、HDTVおよびメディア・ドッキング・ステーション市場向けのTIのローカル・フィードバック回路搭載製品のポートフォリオを拡張します。業界をリードするDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)およびハイパフォーマンス・アナログ製品からロジック、広範囲のアプリケーション・ソフトウェアまで、TIはシンプルおよび複雑なオーディオ・デザイン向けに、最高の信頼性、スケーラビリティ、電力効率を備えたソリューションを供給しています。詳細に関してはhttp://www.ti.com/audioの『Audio Selections Guide』(英文)から参照できます。

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