外付け部品なしで『MSP430』等のマイクロコントローラ向けDVS機能を実現し、更なる低消費電力化を実現

SCJPR-08-019 2008年3月18日

日本テキサス・インスツルメンツ（本社：東京都新宿区、社長：山崎俊行、略称：日本TI）は本日、『MSP430』マイクロコントローラ搭載のバッテリ動作機器向けに、2種類の出力電圧レベルを切り替え可能で、出力電流150mA（ミリアンペア）の低ドロップアウト・リニア・レギュレータ（リニアLDO）、『TPS780xx』を発表しました。『TPS780xx』は500nA（ナノアンペア）と業界で最も低い無負荷時自己消費電流を提供します。また電圧セレクト（VSET）ピンによって、2種類の出力電圧レベルを切り替えることができ、動作中に消費電力をカスタマイズし、マイクロコントローラの消費電流を半減することも可能です。本件に関する詳細は http://www.tij.co.jp/tps780xxから参照できます。

今回発表された『TPS780xx』超低消費電力LDOは、2種類の出力電圧レベルを備えていることから、バッテリ動作機器においてマイクロプロセッサがスリープ・モードに入った場合に、電源電圧を低い電圧レベルへ動作中に切り替えでき、さらにプロセッサの消費電流を低減することが可能です。これらの出力電圧レベルは、EPROM（書き込み・消去可能なリードオンリ・メモリー）を使用した独自のアーキテクチャによって工場出荷時に設定されることから、複数の出力電圧オプションを提供できます。

『TPS780xx』は、外付け部品なしで『MSP430』その他の8ビットまたは16ビット・マイクロコントローラ向けのDVS（ダイナミック・ボルテージ・スケーリング）機能を実現できます。『TPS780xx』は1μFを超えるどのような容量のコンデンサを出力に接続しても安定動作を提供します。『TPS780xx』は、小さな実装面積を維持しながら低い消費電力を必要とする携帯電話ハンドセット、デジタル・スチル・カメラ、煙探知機、リモコン、その他の『MSP430』マイクロコントローラ搭載のアプリケーションをはじめとするポータブル・アプリケーション向けに、2mm（ミリメートル）角の6ピンSONパッケージで供給されます。

『TPS780xx』の主な特長

• 2種類の出力電圧レベルを切り替え可能な、出力電流150mAのリニアLDO
• 低ドロップアウト電圧: 出力電流150mAにおいて250mV（ミリボルト、代表値）
• 出力精度: 全負荷範囲、入力電圧範囲、動作温度範囲において3%以内（代表値）
• 低い無負荷時自己消費電流: 500nA
• 出力電圧: 1.22V～5.25Vの範囲で可変、または固定
• VSETピンによって、2種類の電圧レベルを切り替え可能
• 過熱保護および過電流保護を内蔵

『TPS780xx』の特性表

価格と供給について
現在、『TPS780xx』はサンプル出荷中で、日本TIおよび販売特約店から供給されます。量産出荷は3月の予定です。1,000個受注時の単価（参考価格）は0.75ドルです。『MSP430』マイクロコントローラをサポートするLDO製品としては、静止電流1μA（マイクロアンペア）の『TPS781xx』のほか、『TPS797xx』および『TPS715xx』があります。TIの包括的なLDO製品の詳細に関しては、http://power.ti.com（英文）から参照できます。

革新的な製品を実現するTIの包括的なコントローラ製品
TIでは、『MSP430』超低消費電力MCU、ARM7® ベースの『TMS470』32ビット汎用MCUから高性能の『TMS320C2000™』DSP（デジタル・シグナル・コントローラ）まで、広範囲の組み込み制御向けソリューションを供給しています。また、TIの包括的なソフトウェアおよびハードウェア・ツール、広範に渡るサードパーティ製品および技術サポートを活用することでお客様の製品の市場投入時間を短縮できます。TIの包括的なコントローラ製品の詳細に関しては、http://www.ti.com/mcu（英文）から参照できます。

*すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。