画期的なアーキテクチャにより音質を向上、
電源およびオーディオ・システム・コストを低減する新製品

SCJPR-08-013 2008年2月26日

日本テキサス・インスツルメンツ（本社：東京都新宿区、社長：山崎俊行、略称：日本TI）は本日、業界初のローカル・フィードバック回路搭載した20W（ワット）ステレオ出力のフル・デジタルアンプ、『TAS5706』を発表しました。

『TAS5706』は、今までの高品位デジタルソースをアナログ変換することで生じる音への不満を払拭し、音の劣化をまったく感じさせず、コンパクトでありながら無駄のない熱効率の優れた設計を可能にします。さらに画期的な新技術として、フル・デジタルでありながら、電力増幅段のHブリッジ回路の特性を理想的に補正するTI独自のローカル・フィードバック方式による帰還回路を搭載しています。また、ミニDSPも搭載し、7バンドのスピーカー補正用イコライザーやダイナミックレンジ・コンプレッサー機能を活用できるので、さらにシステム・コストを低減できます。高い柔軟性を持つ出力構成と、各種サポート・ツールによって、LCD（液晶ディスプレイ）、プラズマおよびDLP® TV、メディア・ドッキング・ステーションをはじめとするHDTV（高品位テレビ）メーカー各社において、製品の設計が容易になり、市場投入時間を短縮できます。本件に関する詳細は http://www.tij.co.jp/tas5706から参照できます。

TIのハイパフォーマンス・アナログ・ビジネス担当シニア・バイスプレジデントのアート・ジョージ（Art George）は次のように述べています。「HDTV市場においては、年々製品の薄型化・高集積化が進んでおり、TVメーカー各社はよりコンパクトなシステム設計に対し、大きな困難に直面しています。TIは『TAS5706』をはじめとした新製品により、高品質のオーディオ・システムを省スペースで実現するソリューションを提供し、TVメーカー各社の問題を解決します。」

ローカル・フィードバック回路
『TAS5706』に搭載されたローカル・フィードバック回路とは、高速・大電流で動作するフル・デジタルアンプ出力段のHブリッジ回路のスイッチング特性を補正し、オーディオ高調波歪の低減、出力インピーダンスの低減、PSRR電源リップル除去比の改善を実現するTI独自の帰還回路です。この回路技術により、従来のフル・デジタルアンプと比較し、より高品質なサウンド、それに低音の応答特性向上などを実現すると共に、高いPSRRによるオーディオ帯域に結合する電源ノイズの低減を可能にします。そのため、例えばLCD TVであれば、既存の+24V（ボルト）のバックライト用電源をオーディオ・アンプ用電源として活用することで、電源システムのコストダウンも可能です。

設計・開発時間を短縮する、高い柔軟性を備えたプラットフォーム
『TAS5706』は柔軟な出力構成を提供することから、メーカー各社は一つのプラットフォームで複数の製品に対応できます。『TAS5706』はヘッドホンおよびサブウーハ用のPWM（パルス幅変調）出力をサポートするほか、ステレオ（2チャネル）、クワッド（4チャネル）、それに2.1（2チャネル + 1チャネル）に対応するスピーカー出力構成もサポートしています。

『TAS5706』の特性表

価格と供給について
現在、『TAS5706』は出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。パッケージは実装面積の節約に役立つ10mm（ミリメートル）角のQFPおよびSMTです。100個受注時の単価（参考価格）は5.46ドルです。『TAS5706』はTIの『TAS57xx』ファミリーの製品であり、その他の製品は2008年第1四半期に発表の予定です。

ホーム・エンターテインメント用オーディオおよびHDTV向け製品を拡張
『TAS57xx』製品はTIの包括的なホーム・エンターテインメント向けオーディオ製品に追加されます。業界をリードするDSP（デジタル・シグナル・プロセッサ）およびハイパフォーマンス・アナログ製品からロジック、広範囲のアプリケーション・ソフトウェア・ポートフォリオまで、TIはシンプルおよび複雑なオーディオ・デザイン向けに、最高の信頼性、スケーラビリティ、電力効率を備えたソリューションを供給しています。詳細に関してはhttp://www.ti.com/audioの『Audio Selections Guide』（英文）から参照できます。さらに、『TAS57xx』ファミリーは、デジタル・メディア・プロセッサ、ビデオ・デコーダ、オーディオ・アンプ、インターフェイスおよびパワー・マネジメント製品をはじめとするTIの包括的なHDTV向けDSPおよびハイパフォーマンス・アナログ製品を拡張します。詳細に関してはhttp://focus.ti.com/docs/solution/folders/print/387.html（英文）から参照できます。

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