2008年02月19日
『MSP430』シリーズの新製品、現行ユーザー向けに互換性を確保
SCJPR-08-011 2008年2月19日
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、業界で最も低消費電力の16ビット汎用マイクロコントローラ(MCU)の『MSP430F2xx』シリーズに高性能を目指した、5つの新ファミリー(17製品)を発表しました。今回発表した新ファミリーは、定評あるTIの超低消費電力MCU『MSP430F1xx』シリーズの上位製品にあたり、完全なソフトウェア互換性とピン互換性を備え、直接のアップグレード・パスが整っていると同時に、搭載メモリー量も増大しており、開発を円滑に進めることが可能です。さらに『MSP430F2xx』シリーズは、最大処理速度が2倍、スタンバイ時の消費電力が約2分の1 (対『MSP430F1xx』シリーズ)で、これにより、最終製品の性能を2倍に強化し、かつバッテリー動作時間を2倍に延長することが可能となります。主なアプリケーションは、各種メータやセンサ、工業制御システム、ポータブル機器などです。
特にこれまで『MSP430F1xx』シリーズを採用してきた組み込みシステムの開発者は、『MSP430F2xx』シリーズによって、システム設計を最小限に抑えつつ、最終製品の性能を引き上げ、電池寿命を延ばすことができます。
本件の詳細に関しては www.tij.co.jp/msp430f2xx から参照できます。
『MSP430F2xx』は、アナログ機能を統合し、新世代の制御システムの要件に対応して設計されたアーキテクチャを採用しています。最大120KBのメモリーを内蔵するほか、20ビットのアドレス・ワードにより、アドレス指定可能なメモリー総量が、ページングなしで1MBに拡大されるため、より複雑なプログラムの開発に対応できます。
アナログおよびデジタルの各種ペリフェラルも豊富に揃い、最終製品の機能拡充とともにシステムコストと消費電力の低減も可能になります。新製品のスタンバイ時の消費電力は0.5μA(マイクロアンペア)と低く、待機時のバッテリー電力損失がほとんどないうえ、スタンバイモードからの復帰も素早いことから、バッテリー負荷はさらに軽減されます。また動作電圧範囲が1.8~3.6Vと広く、柔軟なクロック・システムにより、設計者は必要処理能力に合わせた動作電圧を選択することが可能です。さらに動作電圧3.3Vで最高動作速度16MHzを達成するなど、バッテリー動作時間とシステムコストはさらに最適化されており、余裕をもって電源仕様を設計できます。
TIでは『MSP430F1xx』シリーズのユーザーに対し、アップグレード可能な製品を『F2xx』シリーズ内にフルラインアップで提供する方針を掲げています。今回発表の5つのファミリー(17製品)は、この方針に沿ったものです。新ファミリーのMCUは、最大120KBのプログラム・メモリ、3チャネルのダイレクト・メモリ・アクセス(DMA)、8チャネルの12ビットA/Dコンバータ(ADC)、2チャネルの12ビットD/Aコンバータ(DAC)などをオンチップに集積します。また、ユニバーサル・シリアル通信インターフェイス(USCI)は、I2C やSPI、IrDA、UARTなどの標準インターフェイスを備えています。
『MSP430F241x』と『MSP430F261x』は、最大120KBのフラッシュメモリと8KBのRAMを搭載し、高度な処理能力を必要とするシステムを主なアプリケーションとして想定しています。これに対し、『MSP430F24x』と『MSP430F23x』はより汎用性の高いデバイスとして位置づけられます。これらのデバイスのうち、『MSP430F2418』と『MSP430F2618』は低消費電力のZigBee® ネットワーク向けに最適化されており、『MSP430F2410』はIEEE 802.15.4準拠の無線ネットワークや自動検針装置(AMR)などの用途向けとなっています。
供給について
『MSP430F2xx』シリーズの5つの新ファミリーは現在出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。
ファミリー | デバイス | パッケージ |
MSP430F23x: | F233、F235 | 64ピンQFP/QFN |
MSP430F24x/2410: | F247、F248、F249、F2410 | 64ピンQFP/QFN |
MSP430F24x1: | F2471、F2481、F2491 | 64ピンQFP/QFN |
MSP430F241x: | F2416、F2417、F2418、F2419 | 64/80ピンQFP |
MSP430F261x: | F2616、F2617、F2618、F2619 | 64/80ピンQFP |
評価ツールも全デバイス用に提供が開始されています。