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ニュースリリース

TI、DLP® ピコ・プロジェクタの製品化実現に向けて大きく前進

2008年02月13日

新チップセットの量産を2008年中に開始

SCJPR-08-008 2008年2月13日
(米国時間2008年2月11日発表 抄訳)

テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、社長兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称:TI)は11日、スペイン・バルセロナで開催中の携帯電話関連の展示会「Mobile World Congress 2008」において、『DLP Pico™』チップセットの量産予定について発表しました。2008年下半期の量産出荷開始を予定しています。『DLP Pico』チップセットはイメージング・チップおよびプロセッサから構成され、全く新しいモバイル・プロジェクション機器を実現します。
同チップセットにより、これまでのポータブル機器では動画やグラフィック・コンテンツの視聴は「小型ディスプレイ」上に限られていましたが、『DLP Pico』チップセットの登場により、多人数が「大きな画面」でコンテンツを共有できるという新たな活用法が開かれます。

今年の1月に米国ラスベガスで開催された「CES 2008」にて、主要各誌から数々の栄えある賞を獲得したDLPピコ・プロジェクション製品がもたらした興奮と勢いをそのままに、『DLP Pico』チップセットは、コンシューマのコミュニケーションやエンタテインメント向けポータブル機器への高まり続ける期待に応えています。『DLP Pico』チップセットは非常に小型なため、簡単にモバイル機器内に収まることに加え、DLPフロントプロジェクタおよびDLP Cinema® で積み上げた技術に裏付けられた、類まれな高画質をも提供します。

従来のモバイル機器による限られたマルチメディア・コンテンツの楽しみ方を刷新する『DLP Pico』チップセットは、TIの『OMAP™』アプリケーション・プロセッサと組み合わせての実装も可能です。クラス最高レベルの画像、映像およびグラフィック処理能力を誇る『OMAP』プロセッサと、『DLP Pico』チップセットの優れた映像の投射力によって、ユーザは携帯機器に保存されたコンテンツを「大きな画面」で視聴できるという究極のモバイル体験ができます。

TIのDLP事業本部、フロント・プロジェクション事業部エマージング・マーケット・ビジネス・マネージャのフランク・モイジオ(Frank J. Moizio)は、以下のように述べています。「この度、DLP Picoチップセットの量産体制が整ったことは、モバイル機器を用いたコンテンツの視聴体験をより良いものにしていくうえで、非常に大きな一歩だと言えます。Foxconn、Sypro、Young Opticsなどのパートナー各社が弊社のチップセットを用いて開発した製品の映像品質はまさに『一見に如かず』であり、驚くほどすばらしいものです」

プロジェクタ市場に特化した調査会社であるPacific Media Associatesの創業者であるビル・コッシャル(Bill Coggshall)氏は、以下のように述べています。「TIは、まったく新しい市場におけるリーダとして前進を続けています。弊社では、ポータブル機器にプロジェクタを組み込んだ製品は、2009年に登場すると見込んでおりますが、この市場は、その後5年のあいだに大きく拡大すると予想しています。プロジェクタ業界にとっても大きなニュースであり、TIがそれを引っ張っているのです」

『DLP Pico』チップセットは、『DLP Pico』チップおよび『DLP Pico』プロセッサ(DDP1500およびDDP1505)から構成されています。DDP1500プロセッサはポータブル機器向けの組み込み型アプリケーション向けに、また、DDP1505はポータブル機器の周辺機器市場向けに、それぞれ投入されます。
『DLP Pico』ソリューションは92%を超える開口率と高い解像度を兼ね備え、20マイクロ秒以下という高速なスイッチング・スピードと『DarkChip™』による優れたネイティブ・コントラスト比を実現する画期的なものです。さらに、同チップは最先端のLED(発光ダイオード)を光源として用いた場合、非常に幅広い色域の表現ができます。DLPテクノロジーは、安全、安価かつ信頼性に優れ、信頼性に優れたプロジェクタ製品を実現します。

今日までに1,500万台以上のDLPチップを出荷しているDLPテクノロジーは、大量生産が求められる携帯機器市場においても優れた実績を残しています。業界随一の信頼性を誇るDLPテクノロジーの歴史の積み重ねによって、今回の新チップの発表に至りました。

DLP® テクノロジーについて
テキサス・インスツルメンツのDLP® 映像テクノロジーは鮮明で明るくシャープな映像を提供します。大画面HDTV、ビジネスおよびホームシアター向けフロントプロジェクタ、業務用大型プロジェクタ、デジタルシネマ用映写機(DLP Cinema® )などに採用されています。現在世界50社以上の企業がDLPテクノロジーを採用した製品を設計、製造、販売しています。DLPテクノロジーは、世界各地の映画館6,000スクリーン以上での興行上映の実績をベースに開発されたフルデジタル映像技術の総称です。すべてのDLPチップの中核には、最大220万個の極小ミラーが敷き詰められており、これらが超高速スイッチとして機能することで高解像度・高信頼性を誇るフルカラー画像を作り出します。DLP テクノロジーは、そのチップ・アーキテクチャと高速な応答速度という独自の特長によって、スムーズな画像と動きの速い動画の優れた再生機能を実現します。1996年初頭の量産開始から現在までDLPサブシステムの累積出荷台数は1,550万台を記録しました。

* DLP、DLPロゴはテキサス・インスツルメンツの登録商標です。
* OMAP、 DarkChipはテキサス・インスツルメンツの商標です。
* すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。