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日本TI、低消費電力、小型パッケージの高性能8チャネルADコンバータ・ファミリを発表、医療用画像診断装置およびワイヤレス通信システムに最適

2008年01月22日

既存の製品と比較して30%少ない消費電力で動作する8回路ADコンバータ内蔵製品

SCJPR-08-003 2008年1月22日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、10ビットおよび12ビットの分解能で8回路内蔵のADコンバータ、『ADS5281』ファミリを発表しました。このADコンバータ・ファミリは業界で最小かつ低消費電力を提供することから、医療用画像診断装置、ワイヤレス通信、自動試験およびビデオなどの幅広いアプリケーション分野において、小型で高いエネルギー効率のシステムを実現できます。『ADS5281』ファミリは高い分解能、最高65 MSPSのサンプリング・レート、低雑音性能などの特長を備えており、ポータブルの超音波診断装置やMRI機器をはじめとした、微小信号を扱う画像処理アプリケーションに必要な高性能を提供します。本件の詳細に関してはhttp://www.tij.co.jp/ads5281から参照できます。

TIのハイパフォーマンス・アナログ・ビジネス担当でシニア・バイスプレジデントのアート・ジョージ(Art George)は次のように述べています。「医療用画像診断装置のポータブル化および小型化が進む現在、TIでは、製造各社がこれらのシステムを設計する際に直面する問題点を解決する製品に注力しています。今回発表した『ADS5281』ADコンバータ・ファミリと『VCA8500』8回路内蔵のアンプ製品を組み合わせることにより、これらのシステムが要求する超低消費電力と高密度実装を、性能と画像品質を犠牲にすることなく実現できます」

高い実装密度のシステム向けに、業界で最も低消費電力を提供
『ADS5281』、『ADS5282』および『ADS5287』ADコンバータ・ファミリは既存の製品と比較して30%も少ない消費電力で動作し、市場で最も低消費電力のソリューションを提供します。『ADS5281』ファミリは最高サンプル・レートの65 MSPS動作時に1回路あたり77 mWの低消費電力を提供します。ダイナミック・スケーリング機能を使用し30 MSPSのサンプル・レートで動作する場合、消費電力は1回路あたり48 mWまで低下します。

『ADS5281』ファミリはTIの8回路内蔵の新型可変ゲイン・アンプである『VCA8500』とのインターフェイスに適合します。『VCA8500』は0.8nV/√Hzの入力雑音と、1回路あたり63mWの低消費電力などの特長を備えています。『ADS5281』ファミリと『VCA8500』を組み合わせて使用することで、より優れた雑音性能と、50MSPS動作時に1回路あたり130mW未満という、現在の市場において最も低い消費電力を提供します。これにより、医療機器向けシグナル・チェーン・ソリューションを容易に実現できます。

コンパクトな医療用画像診断装置を実現する小型パッケージ
『ADS5281』ファミリの各デバイスと『VCA8500』は業界で最も小型の9mm × 9mmの64ピンQFNパッケージで供給されることから、高密度実装による装置の小型化が実現できます。『VCA8500』は外付け部品なしで『ADS5281』ファミリに接続できます。また『ADS5281』の各デバイスと『VCA8500』可変ゲイン・アンプの組み合わせソリューションは、市場の同種のデバイスと同等の基板面積に実装できます。

性能をさらに向上する進歩した機能を内蔵
『ADS5281』ファミリは、性能をさらに向上する、さまざまな機能を内蔵しています。

  1. 低周波雑音抑圧モードは1/f雑音(フリッカ雑音)を抑圧することで、ベースバンドおよび時間ドメインのアプリケーションにおいて1MHzの帯域にわたってSNRを最高4.2dB改善できます。
  2. オーバーロード・リカバリ回路によって、各ADコンバータは6dBまでの過大入力の後、1クロック・サイクル以内に有効なデータを出力できることから、過大入力から素早く回復し、信号処理を再開できます。
  3. 0dB~12dBのプログラマブル・ゲインによって、最小で0.5Vp-pの入力信号からフルスケール出力を提供できます。

最終製品の市場投入時間を短縮する各種の開発ツール、サポート、シグナル・チェーン・ソリューションを提供
TIでは、お客様の製品の設計作業を迅速化し市場投入時間に短縮に役立つ、各種の評価用ボード、デ・シリアライザおよびデータ・キャプチャ基板を供給し、迅速かつ高いコスト効率の評価を実現します。お客様の設計をさらに簡素化するため、TIではシステムのシグナル・チェーンを補間するさまざまな製品を供給しています。また医療用画像診断装置向けの『VCA8500』のほか、『DAC5672A』、『TRF3710』、『TRF3703』、『GC5016』および『THS45xx』アンプ・ファミリなどのワイヤレス通信システム向けシグナル・チェーン・ソリューション、またワイヤレス・インフラストラクチャ向けに最適化されたシングル・コアおよびマルチ・コアのDSPファミリも提供しています。

供給と価格について
『ADS5281』ADコンバータ・ファミリは省スペースに役立つ9mm × 9mmの64ピンQFNパッケージで供給されます。また先行の8回路内蔵ADコンバータである『ADS527x』ファミリからの移行を容易にするため、これらの製品とピン互換性を持つ14mm × 14mmの80ピンTQFPパッケージも供給されます。『ADS5281』は現在サンプル出荷中で、『ADS5282』および『ADS5287』のサンプル出荷は2008年前半に開始される予定です。

製品名 サンプル・レート 分解能 最高サンプル・レート時の
1回路あたり消費電力
100個受注時の価格
(参考価格)
ADS5281 50 MSPS 12ビット 64 mW 60.00ドル
ADS5282 65 MSPS 12ビット 77 mW 68.60ドル
ADS5287 65 MSPS 10ビット 77 mW 40.00ドル

現在、『VCA8500』可変ゲイン・アンプはサンプル供給中で、省スペースに役立つ9mm x 9mm 64ピンQFNパッケージで供給されます。100個受注時の価格(参考価格)は40ドルです。

『ADS5281』ADコンバータ・ファミリはTIの工業、通信、オーディオおよび医療用機器をはじめとした広範囲のアプリケーション向けの高速、高精度データ・コンバータの最新製品です。最新の『Amplifier and Data Converter Selection Guide』に関しては、http://www.ti.com/analogelab の『Analog eLab™ Design Center』(英文)からダウンロードできます。

*すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。