2007年12月20日
ケーブルおよびバックプレーンの伝送距離の延長に最適
SCJPR-07-108 2007年12月20日
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、バックプレーンやケーブルによるPCB(プリント回路基板)間のデータ伝送距離を延長することができる高速イコライザ製品、『TLK1101E』を発表しました。この新製品は最高11.3 Gbpsのマルチレート動作により、10G/8Gインターフェイス標準規格等をサポートします。
『TLK1101E』は2線式のシリアル・インターフェイスと外部ピン制御により、伝送速度、損失補償値等の内部設定の変更が可能です。またPCベースのGUIを提供することにより、試作段階の設計者の作業負担を大幅に軽減します。これにより、サーバ、ネットワーク・ストレージ、通信装置およびATE(自動試験装置)などの高性能機器の開発期間を短縮できます。本件の詳細に関してはhttp://www.tij.co.jp/tlk1101e から参照できます。
『TLK1101E』は伝送損失の補償機能に優れ、各アプリケーションにおいて高いシグナル・インテグリティを提供します。例えば『TLK1101E』のレシーバ回路は30dBの損失補償をすることにより、最長20mの24-AWGケーブル、または最長40インチ(101.6cm)のFR-4 バックプレーンの配線において、最高11.3Gbpsのデータ伝送速度をサポートします。同時に、イコライザ出力において0.13パルス周期(11.3Gbpsにおいて約11.5ps)のデターミニスティック・ジッタ(*) 性能を提供します。また『TLK1101E』のトランスミッタ回路は最高7dBのデ・エンファシス機能を提供することから、FR-4 バックプレーンの長さ12インチ(30.48cm)の配線によって発生する損失を補償できます。
*注) デターミニスティック・ジッタ(DJ): 確定的ジッタ。再現および予測が可能なタイミング・ジッタ。これに対して予測困難なジッタであるランダム・ジッタ(RJ)がある。
『TLK1101E』はプログラム機能を備えていることから、次の標準インターフェイスのデータ伝送速度およびチャネル長に対応して、個々のデバイスを最適な性能に設定できます。
出力の差動電圧振幅は300/600/900 mVp-pに設定できます。また配線長は24-AWGツインアキシャル・ケーブルで0~20mに設定できます。入力のスレショルド電圧および、LOS(入力信号レベル低下警報)の発生レベルも調整可能です。これらの設定は各制御ピンまたは2線式シリアル制御ケーブル経由で実行できます。SASやSATAの帯域外信号などの低い周波数の制御信号をサポートできるよう、低域のカットオフ周波数は十分低い周波数に設定されています。
TIの高速イコライザ製品ファミリ
TIではケーブルおよびバックプレーン経由の信号伝送向けに、包括的な高速イコライザ製品ファミリを供給しています。これらの製品は通信およびデータ・システムのさまざまなデータレートの高速リンクのチャネル・リンク損失を補償する低ジッタのデバイスです。
供給と価格について
『TLK1101E』は現在出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。パッケージは20ピンQFNです。100個受注時の単価(参考価格)は12.35ドルです。サンプルおよび評価モジュールも供給されます。
*すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。