TI ホーム > ニュースリリース

ニュースリリース

日本TI、ポータブル・コンシューマ機器向けにマイクロフォン機能をサポートする新型ステレオ・コーデック製品を発表

2007年12月03日

高い雑音耐性によって性能の拡張およびデザインの柔軟性を提供する新製品

高い雑音耐性によって性能の拡張およびデザインの柔軟性を提供する新製品

SCJPR-07-103 2007年12月3日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、低消費電力でノイズ・フィルタ機能などを内蔵し、ワイヤレス・ハンドセット、パーソナル・ナビゲーション機器、デジタル・スチル・カメラ、ポータブル・メディア・プレーヤをはじめとするポータブルのコンシューマ向けアプリケーションにおいてバッテリ動作時間の延長および性能の拡張を提供する新型ステレオ・オーディオ・コーデック、『TLV320AIC34』、『TLV320AIC33』および『TLV320AIC3106』の3製品を発表しました。これらの製品はデジタル方式、またはアナログ方式のマイクロフォンと直接インターフェイスが可能な業界初のI2S搭載コーデックです。本件の詳細に関しては http://www.tij.co.jp/tlv320aic34 から参照できます。

デジタル・マイクロフォン搭載のトレンドをサポートする高い柔軟性
4チャネル内蔵の『TLV320AIC34』、ならびに2チャネル内蔵の『TLV320AIC33』、および『TLV320AIC3106』の各オーディオ・コーデックは、デジタル・マイクロフォンからのデジタル・ビット・ストリーム、および従来のアナログ・マイクロフォンからの差動またはシングルエンド入力信号を接続できます。Akusticaをはじめとする各社が供給中のデジタル・マイクロフォンと、これらTIの新型コーデック製品を組み合わせることで、特に優れた品質のオーディオ・ソリューションを提供できます。

Akusuticaのマーケティングおよびプロダクト・マネジメント担当バイスプレジデントのデービン・ユークニス氏(Davin Yuknis)は次のように述べています。「ポータブル機器や携帯電話では電磁干渉や高周波による妨害などによって、ジーという雑音や通話の途切れなどが発生し、オーディオ品質が低下するおそれがあります。TIの進歩した高性能コーデックと、高い堅牢性を持つ当社のデジタル・マイクロフォンを組み合わせることで、音声のシグナル・チェーン全体に渡って明瞭なオーディオ品質を確実に実現できます」

デジタル・マイクロフォンはアナログ信号に比較して雑音の影響を受けにくいデジタル・オーディオ信号を発生する機能を持っていることから、より多くのオーディオ・アプリケーションに採用されるようになりました。デジタル・マイクロフォンを使用することで、機器内でコーデックとマイクロフォンをより柔軟に配置できます。ポータブル・アプリケーションではプリント基板上にチップやその他の部品が密集して実装されており、コーデックとマイクロフォンを接近して配置することは困難であることから、この柔軟性は必須の要件です。今回発表の新型コーデック製品はデジタル・マイクロフォンと直結できるほかに、次のような特長を備えています。

  • 8kSPS(キロサンプル/秒)~96kSPSのサンプリング・レート
  • デジタル‐アナログ変換では102dB(デシベル)、アナログ‐デジタル変換では92dBと高いSNR(信号‐雑音比)
  • 広範囲のオーディオ・クロックをサポートするPLL(フェーズロック・ループ)を内蔵
  • ポータブル・システム向けに、低消費電力のヘッドホン、スピーカー、再生モードなどを提供
  • 3Dサウンド、バス、トレブル、イコライズ、デ・エンファシスなど、プログラマブルのデジタル・オーディオ・エフェクトを提供

『TLV320AIC34』、『TLV320AIC33』および『TLV320AIC3106』の各デバイスは、ポータブル・アプリケーション向けに多用途、ソフトウェア互換性、低消費電力を提供する『TLV320AIC3101』、『TLV320AIC3104』、『TLV320AIC3105』をはじめとするTIのコーデック製品ファミリの一部です。

デジタル・マイクロフォンを搭載したデザインをサポート
TIでは『TLV320AIC34』、『TLV320AIC33』および『TLV320AIC3106』の各オーディオ・コーデックの技術サポートのほか、評価モジュールの設定やコーデックとデジタル・マイクロフォンの接続方法をはじめ、ステップ・バイ・ステップの実例を紹介する詳細なアプリケーションノートなどの資料を提供しています。詳細に関しては http://www.ti.com/audiocodecdigmic-appnote (英文)から参照できます。

TIのポータブル・オーディオ向けシグナル・チェーン・ソリューションを拡張する新製品
今回発表された最新のオーディオ・コーデック製品は、高性能DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)、低ジッタ特性のクロック、Class-Dオーディオ・パワー・アンプ、それに『DirectPath™』ヘッドホン・アンプなどで構成されるTIのポータブル・オーディオ・シグナル・チェーン向けの包括的なアナログおよびDSP製品ポートフォリオに加わります。詳細に関しては http://www.ti.com/audio のAudio Solutions Guide(英文)から参照できます。またTIのポータブル・コンシューマ・アプリケーション向けパワー・マネジメント製品に関しては http://power.tij.co.jp から参照できます。

『TLV320AIC33』、『TLV320AIC34』、『TLV320AIC3106』の特性表

項目 TLV320AIC33 TLV320AIC34 TLV320AIC3106
内蔵 DAC数 / ADC数 2 / 2 4 / 4 2 / 2
サンプリング・レート(最大値) 96 kHz 96 kHz 96 kHz
Resolution(Bits) 24 ビット 24 ビット 24 ビット
DACのSNR /ADCの SNR
(代表値)
100 dB / 92 dB 102 dB / 92 dB 102 dB/ 92 dB
デジタル・
オーディオ・
インターフェイス
L, R, I2S, DSP, TDM L, R, I2S, DSP, TDM, PCM L, R, I2S, DSP,TDM
制御インターフェイス SPI, I2C I2C I2C, SPI
消費電力(代表値) 14 mW 15 mW 15 mW
アナログ電源電圧範囲 2.7 V - 3.6 V 2.4 V - 3.6 V 2.7 V - 3.6 V
デジタル電源電圧範囲 1.525 V - 1.95 V 1.525 V - 1.95 V 1.525 V - 1.95 V
IO 電源電圧範囲 1.1 V - 3.6 V 1.1 V - 3.6 V 1.1 V - 3.6 V
その他の機能 3D, EQ, Matrix Mixing,
PLL, Alt, Audio Int.,
HS detect
3D, EQ, Matrix Mixing,
PLL, Alt, Audio Int.,
HS detect
3D, EQ, Matrix Mixing,
PLL, Alt, Audio Int.,
HS detect
動作温度範囲 -40 ℃ ~ 85 ℃ -40 ℃ ~ 85 ℃ -40 ℃ ~ 85 ℃
ピン/パッケージ 48QFN,80BGA
MICROSTAR JUNIOR
87BGA 48QFN,80BGA
MICROSTAR JUNIOR

価格と供給について
現在、『TLV320AIC33』および『TLV320AIC3106』は出荷中で、『TLV320AIC34』はサンプル出荷中です。『TLV320AIC34』は6mm(ミリメートル)角のBGAパッケージで供給されます。『TLV320AIC33』および『TLV320AIC3106』は5mm角のBGAパッケージおよび7mm角のQFNパッケージで供給されます。1,000個受注時の単価(参考価格)は『TLV320AIC34』が6.00ドル、『TLV320AIC33』は3.95ドル、また『TLV320AIC3106』は3.85ドルです。

関連リンク  
アナログ製品 トップページ

※ すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。