TI ホーム > ニュースリリース

ニュースリリース

日本TI、超低消費電力マイクロコントローラMSP430シリーズにオペアンプ内蔵の新製品を発表、ポータブル医療機器向け

2007年11月14日

~ADコンバータ、DAコンバータに加え、他社に先駆けてオペアンプを内蔵、より高度なシグナル・チェーンをワンチップで実現 機器の小型化、低価格化を可能に~

~ADコンバータ、DAコンバータに加え、他社に先駆けてオペアンプを内蔵、 より高度なシグナル・チェーンをワンチップで実現 機器の小型化、低価格化を可能に~

SCJPR-07-099 2007年11月14日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、ポータブル医療機器向けのマイクロコントローラ・ユニット(MCU)の新製品、『MSP430FG4270』を発表しました。ポータブル医療診断機器を設計するのに必要な出入力回路、信号処理からメモリまでの機能一式を、高集積、高度なシグナル・チェーンでワンチップ上に実現しました。部品点数の削減により、機器の小型化やコスト削減を可能にします。

新製品『MSP430FG4270』は大容量のオンチップメモリとADコンバータ、DAコンバータといったアナログペリフェラルに加え、オペアンプまでチップ上に内蔵することで、ポータブル医療機器設計における部品点数や基板面積を最小限にまで削減します。主なアプリケーションは家庭用血糖計、肺活量計、パルス酸素濃度計および心拍計などです。本件に関する詳細は、http://www.tij.co.jp/msp430fg4270-pr をご参照ください。

医療診断技術は新たな診断機器の登場により、急速に進化しつつあります。最新の診断機器として、患者のベッド脇に運べる携帯型の医療機器も登場しています。こういった機器向けの信号処理には、高性能かつ低消費電力に加え、SoC(システム・オン・チップ)の高集積化によって基盤上の実装面積と部品点数を最小化が求められます。『MSP430FG4270』では、体温、血圧をはじめ、その他の生体信号などの微弱なアナログ信号までをも、内蔵したオペアンプにより増幅します。その後、フィルタリング、ADコンバータによるデジタル化と計測/演算、LCDドライバでの表示、DAコンバータによるクローズド・ループ・コントロールといった一連のシグナル・チェーンのすべてが、『MSP430FG4270』のチップ上に集積された機能により実現可能です。

『MSP430FG4270』のCPUコアは16ビットRISCアーキテクチャをもち、ポータブル機器の設計者が特に重視する、処理性能とバッテリ寿命の最適化を実現すべく設計されています。1.1マイクロアンペア(μA)と極めて低い消費電力(スタンバイ時)をはじめ、 5つの低消費電力モードを備えており、機器を使用する際には瞬時にアクティブ・モード(6マイクロ・アンペア未満)に切り替えて起動します。オンチップのアナログ機能としては、他社に先駆けてマイコンに内蔵したオペアンプ(2個)、高性能16ビット・シグマ・デルタADコンバータ(リファレンス内蔵、5つのアナログ差動入力に対応)、12ビットDAコンバータを集積しています。

デジタル機能としては、16ビットタイマ、16ビット・レジスタ、I/Oピン(32本)、ゼロパワー・ブラウンアウト・リセット、および1.8Vの入力電圧でもLCD表示可能なコントラスト制御機能(チャージポンプ内蔵)付LCDドライバ(56セグメント)をチップ上に集積し、マイコン・ワンチップによるポータブル機器の実現を可能にしています。

超低消費電力性能とシグナル・チェーンのワンチップ化された『MSP430FG4270』は、医療機器以外のアプリケーションにも適しています。具体的にはアナログおよびデジタルのセンサーシステム、デジタルモーター制御、リモコン、サーモスタット、デジタルタイマーおよびポータブル計測器などがあげられます。

『MSP430FG4270』むけ開発ツールは、『MSP-FET430U48』です。当開発キットには『IAR Embedded Workbench™』と『Code Composer Studio Essentials™』 IDE(統合開発環境)、USBデバッグ、プログラミング・インターフェイスおよび『MSP430』を搭載したターゲットボードが含まれます。

価格と供給およびパッケージについて
新製品『MSP430FG4270』は日本TIおよび販売特約店から本日より出荷開始です。パッケージは48ピンSSOPもしくは48ピンQFNです。『MSP430FG4270』の参考価格は10,000個出荷時で単価511円(税別)です。

FG42x0ファミリー・ラインナップ
『MSP430FG4270』のほかにも内蔵するFlashメモリのサイズによりラインアップを取り揃えています。

製品名 Flash RAM
MSP430FG4250 16KB 256B
MSP430FG4260 24KB 256B
MSP430FG4270 32KB 256B

この製品の主要モジュールの応用方法を、12月4日開催の日本TI主催MSP430:ATS2007でも紹介いたします。

MSP430: ATS2007 (アドバンスド・テクニカル・セミナー)
MSP430 の設計に本格的に取り組もうとされているお客様に向けたセミナーです。無線(Chipcon)への応用、クリスタルやアナログ回路の設計/設定上の TIPS や、システム設計へのプログラミング入門および 『MSP430F2xx 』の最新情報など、実践に則したセッションを準備しています。

日時 : 2007 年 12 月 4 日(火)10:00 - 18:00  開場:9:30
場所 : 秋葉原 UDX 4 階 UDX ギャラリー(登録制/入場無料)
セミナーの詳細は、以下のウェブから入手できます。
http://www.tij.co.jp/ats2007