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日本TI、USBスティック型の新型開発ツールを発表

2007年11月07日

コンパクトながらフル機能、かつ低価格 小電力無線通信の需要増に対応、最先端の無線通信用ICを標準搭載

コンパクトながらフル機能、かつ低価格 小電力無線通信の需要増に対応、最先端の無線通信用ICを標準搭載

SCJPR-07-097 2007年11月7日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、同社の『MSP430』超低消費電力マイコン用の新型開発ツール、『eZ430-RF2500』を発表しました。最先端の無線用ICと『MSP430』をボード上に搭載し、7,000円(参考価格:税込み)と低価格かつ使いやすいUSBスティック型の開発ツールです。主な用途は各種の組み込み用ローパワー・システムの開発で、本ツールにより開発作業がより迅速、容易になります。 『eZ430-RF2500』は以下の3種のパーツから構成されています。

  • 『eZ430-RFエミュレータ』:USB経由でPC接続するデバッグ・インターフェイス・システム
  • 『eZ430-RF2500T』:ターゲット・ボード2枚(マイコンと2.4GHz無線用ICを搭載)
    • 2枚のターゲット・ボード間で無線通信をシミュレーションできるため、このキットだけで独立したワイヤレス製品の開発が可能となります
  • ターゲット・ボード用電池ボックス

『eZ430-RF2500』は、各種センサー、メーター、ホーム・セキュリティおよびホーム・オートメーション、キーボードその他の小電力無線システムの開発において最も容易な開発・評価手段を提供します。本件の概要に関しては http://www.tij.co.jp/ez430-rf2500 にて参照いただけます。

TIが他社に先駆けて2006年に発表した、画期的なUSBスティック型『eZ430-F2013』開発ツールは、全世界で多くの実績を上げています。今回の新製品『eZ430-RF2500』はその実績を元に開発されました。
『eZ430-RF2500』は超低消費電力マイコンと最先端の無線用ICとを組み合わせた最強の組合せにより、迅速かつ容易な機器設計を実現します。さらに『eZ430-RF2500』は、すでに販売中の各種ターゲット・ボード(『F2013』および『F2012』)との上位互換性を保持しており、既存の設計を拡張する場合にも継続したサポートを提供できます。

無線通信向けマイコン開発を容易に---USBで使い易いツールと2枚のターゲット・ボード
『eZ430-RF2500』開発ツールは、普通郵便切手サイズの『eZ430-RF2500T』ターゲット・ボードに『MSP430』(TIの16ビットRISC型超低消費電力マイコン)および『CC2500』(TIの2.4 GHz対応小電力無線トランシーバ)を搭載し、これらのプログラミングに必要なすべてのハードウェアおよびソフトウェアを提供します。『eZ430- RF2500』開発ツールはコードの作成のほか、現場におけるアプリケーションの動作試験および評価のためのフル機能を内蔵しています。
この開発ツールのUSBスティック・インターフェイスは、特別なドライバ・ソフトウェアなしでPCのポートに接続可能であるとともに、ターゲット・ボード『eZ430-RF2500T』とも直接接続できます。『eZ430-RF2500』キットには2枚のターゲット・ボードが含まれており、開発に必要なワイヤレス・ネットワークの基本機能を提供します。またこのキットには電池ボックス(単四電池2個使用)が含まれており、これにより、ターゲット・ボードをスタンドアロン・システムとして動作させることができます。
さらに業界標準の2.54mm(ミリメートル)ピッチのスルーホール・ピン・コネクタによって、ターゲット・ボードに外付け部品や既存のシステムを簡単に接続できます。これらのターゲット・ボード上には、動作状態が表示可能でプログラマブルな2個のLED(発光ダイオード)、プログラマブルなインターフェイス用トグルボタン・スイッチ、電源電圧が低下した場合に『MSP430』をリセットするために使用される内蔵のゼロ電力ブラウン・アウト・リセット回路などの機能が搭載されています。

最強の組合せを載せたターゲット・ボード:「超低消費電力マイコン+最先端の無線用IC」
『eZ430-RF2500T』ターゲット・ボードに搭載される『MSP430F2274』は、16ビットRISC型マイコンで、32Kバイトのフラッシュ・メモリおよび1KバイトのRAMを内蔵しています。さらに200kSPS(キロサンプル/秒)のサンプリング・レートの10ビットADC(アナログ・デジタル・コンバータ)や2個のオペアンプ、UART、SPI、I2CおよびIrDA通信のサポート機能などの高性能アナログ回路や周辺回路を内蔵します。『MSP430F2274』は、5種類のローパワー・モードを備え、最高の電力効率を提供するとともに、スタンバイ・モードからの復帰時間が1μs (マイクロ秒)未満と超高速であるという特長も提供します。
同じくボード上に搭載される『CC2500』は、2.4 GHz帯を使用する小電力無線アプリケーション向けに設計された高集積度のマルチチャネルRFトランシーバです。『CC2500』は自動化パケット・エンジンを内蔵し、1.2K~500Kbps(キロビット/秒)のデータ・レートをサポートしています。

ソフト/ハードとしてもフル機能を搭載、すぐに開発に着手可能
『eZ430-RF2500』キットには、搭載された『MSP430F2274』による無線通信向けアプリケーションのプログラミングに必要なすべてのソフトウェアが付属しています。またターゲット・ボードに対するエミュレーションおよびデバッグを行うのにUSBデバッグ・インターフェイス・システム『eZ430-RFエミュレータ 』を使用します。お客様はIAR社の『Embedded Workbench™』統合開発環境(アセンブラ、リンカ、シミュレータ、デバッガ、Cコンパイラ付き)を用いてコードの作成およびダウンロードを行い、アプリケーションをフルスピードで動作させ、その他追加のハードウェアなしでハードウェア・ブレークポイントおよびシングル・ステップを使用してデバッグ作業をPC上で行うことができます。
『eZ430-RF2500』キットに付属のソフトウェアには小電力無線ネットワーク向けのプロトコル・スタックおよびLHAL(ライト・ハードウェア・アブストラクション・レイヤ)が含まれていることから、無線通信の設計および試作期間を短縮できます。さらに『eZ430-RF2500』キットにはワイヤレス・センサ・ネットワーク経由で温度および電圧を測定するための、実際に動作するプロジェクト例が含まれています。またツールおよびソフトウェアに関する豊富な資料も付属します。

供給と価格、および使用上のご注意について
『eZ430-RF2500』開発ツールは日本では2007年12月より販売開始予定です。価格は7,000円(参考価格:税込)です。追加オプションとしての『eZ430-RF2500T』ターゲット・ボードは2008年から個別販売の予定です。これらの開発ツールおよびターゲット・ボードは、日本TI の販売特約店から購入いただけます。
『eZ430-RF2500』がPC上で対応するOSはWindows2000とWindowsXPです。 『eZ430-RF2500』および『eZ430-RF2500T』開発ツールを使用の際には、電波法により、外部空間へ規定以上の電波の漏れない環境、電波暗室などに限られます。電波暗室外での使用は電波法の定めに基づき技術適合証明が必要です。

「超低消費電力マイコン+最先端の無線IC」のみならず、ソフトウェアも含めた小電力無線に関するTIからの統合的サポート
TIは下記の技術を提供することで、無線通信分野の革新的発展をサポートします。世界でTIのみが、チップからソフトウェアまで下記のすべてを一社で提供可能です。

  • 超低消費電力マイコン『MSP430』シリーズ
  • 最先端の無線用IC『Chipcon』
  • 業界標準かつ無償ライセンスのZigBee® Stack『Z-stack』
  • シンプルかつ無償ライセンス のプロトコル・ソフトウェア『SimpliciTI™』
  • コンパクト/フル機能/低価格な無線通信システム向け開発ツール『eZ430-RF2500』