SCJPR-07-092 2007年10月24日

日本テキサス・インスツルメンツ（本社：東京都新宿区、社長：山崎俊行、略称：日本TI）は本日、浮動小数点ベースのデジタル・シグナル・コントローラ（DSC）『TMS320F2833x』を使ったソフトウェアの評価や開発向けに、『F28335 eZdsp™』スタータ・キットを発表しました。
現在サンプル出荷中の『F28335』コントローラは、業界初の浮動小数点ベースのDSCです。浮動小数点デバイスは固定小数点デバイスに対してパフォーマンスの向上やソフトウェア開発期間の短縮といった面で優位性があります。産業用システムを開発する技術者は『F28335』を使用することで、浮動小数点デバイスの優位性を活用できます。
なおTIではデジタル信号処理ソリューションに加えて、デジタル制御電源やエネルギー効率に優れた可変速モータ制御、インテリジェント・センシング・アプリケーションなどの開発用に補完的なアナログ・ソリューションの豊富なラインアップを提供しています。

評価と開発を簡素化する多彩な機能を備えた単体モジュール
TIのDSPサードパーティー・ネットワークのメンバーであるSpectrum Digital社が開発した『F28335 eZdsp』スタータ・キットは、『F2833x』コントローラ用のソフトウェア開発を容易にするためのプラットフォームを開発者に提供する単体ツールです。わずか60,900円（参考価格）と安価なこの開発プラットフォームは、評価やソフトウェア開発に必要なすべてのハードウェアとソフトウェアを提供し、設計期間の短縮と関連コストを長期的に削減します。 『F28335 eZdsp』には、『F28335』ターゲット・ボード、TIの『Code Composer Studio™』統合開発環境（IDE）（バージョン3.3）、AC電源アダプタとUSBケーブルが付属しています。ターゲット・ボードには、512KB のフラッシュメモリと68KBのRAMを内蔵した 150MHz/300MFLOPSのDSC『F28335』と128Kx16のオフチップSRAMを搭載しています。

パフォーマンスの向上と開発期間の短縮により、環境配慮型の産業用アプリケーションの実現を支援
浮動小数点プロセッサには一般的に、ソフトウェア開発の簡素化と大幅なパフォーマンス向上という特長があります。これらの特長により、環境配慮型の産業用アプリケーションで優れた電力効率を達成できます。たとえば『F2833x』シリーズのデバイスを使用すると、可変式のACドライブを開発でき、この場合のシステムの消費電力は定速タイプの同等品に比べて8分の1に留まります。また、浮動小数点プロセッサは、太陽電池（PV）パネルからより効率的にエネルギーを変換できるソーラーパワーインバータによってクリーンエネルギーを実現できます。

新製品の『F2833x』浮動小数点コントローラは、TIの従来の最上位のデジタル・シグナル・コントローラと比較して、同じ150MHzの動作速度でありながら、性能を平均で50％向上できます。複雑な計算に使う高速フーリエ変換（FFT）など一部のアルゴリズムでは、同じ32ビットの固定小数点を搭載した場合と比べて性能が200％向上します。

組み込みソフトウェア技術者は、浮動小数点演算で制御システムの設計と試作を行うのが一般的ですが、最終設計は通常、固定小数点演算で実装されます。『F2833x』シリーズのデバイスを使用すると、浮動小数点から固定小数点への変換が不要になり、固定小数点DSPへの実装に必要なスケーリング、飽和処理、数値分解能の調整などが不要になるなど、開発期間を週単位、月単位で短縮できます。

システム・ソリューション向けの補完的なアナログ製品
TIでは産業用アプリケーション向けに、高性能データ・コンバータ（ADC、DAC）、アンプ、インターフェイス、低電力RF、パワーマネジメント製品などの幅広い補完的なアナログ・ソリューションをご用意しています。詳細については、www.tij.co.jp/analog をご参照ください。

供給について
『TMS320F28835』は現在、日本TIおよび日本TIの販売特約店よりサンプル出荷中です。『F28335』のサンプルは176ピンTQFPパッケージで出荷中です。『F2833x』コントローラに関する文書一式は、www.tij.co.jp/f2833x からダウンロードできます。

また、『F28335 eZdsp』開発キットも、日本TIおよび日本TIの販売特約店より11月下旬から提供開始を予定しています。

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