～小型逐次比較型ADコンバータのポートフォリオをさらに強化～

SCJPR-07-086 2007年10月11日

日本テキサス・インスツルメンツ（本社：東京都新宿区、社長：山崎俊行、略称：日本TI）は本日、±1.5 LSB（最大値）のINL（積分非直線性誤差）特性を備え、市場の同種の製品と比較して2倍も良好な直線性を提供する16ビット ADC（ADコンバータ）二品種を発表しました。これらの新製品、『ADS8317』（真の差動入力）および『ADS8326』（シングルエンド入力）は、ローパワー動作ならびにクラス最高の温度ドリフト特性、さらに業界標準の8ピンMSOPまたは3mm（ミリメートル）角の8ピンSONパッケージであることから、工業用データ・アクイジション機器およびポータブル医療用計装機器をはじめとするポータブル、バッテリ動作の各種アプリケーションにおいて性能のアップグレードを容易に実現します。本件の詳細に関してはhttp://www.tij.co.jp/ads8317（日本語）から参照できます。

今回発表された『ADS8317』および『ADS8326』は250kSPS（キロサンプル/秒）の最高データレートで動作した場合でも、電源電圧5V （ボルト）において10mW（ミリワット）と低い消費電力で動作します。200kSPSの場合、消費電力は同2.7Vにおいて4mW未満です。より低いデータレートで動作する場合、一回ごとの変換動作が高速であるため、変換動作以外のほとんどの時間をパワーダウン・モードとすることができます。例えばデータレートが10kSPSの場合、平均消費電力は電源電圧2.7Vにおいて0.2mW未満まで低下します。

『ADS8317』および『ADS8326』の両デバイスはクラス最高の温度ドリフト規定を提供することから、動作温度範囲全体で信頼性の高い測定を実現します。『ADS8317』は0.1ppm/℃（1ppm = 百万分の1）のゲイン誤差ドリフト特性、および0.2ppm/℃のオフセット誤差ドリフト特性を提供します。また『ADS8326』は0.3ppm/℃のゲイン誤差ドリフト特性および、0.2ppm/℃のオフセット誤差ドリフト特性を提供します。

『ADS8317』および『ADS8326』は容量電荷再配分型のSAR（逐次比較型）アーキテクチャを搭載していることから、このアーキテクチャ固有のサンプル/ホールド機能を提供します。各デバイスは高速動作、ならびに広い電圧範囲で動作し、複数のデバイスをデイジーチェーン接続で使用できる SPI™/SSI シリアル・インターフェイスも内蔵しています。電源電圧範囲は2.7V（ボルト）～5.5Vです。

TIではピン互換性を持つ8ピンMSOPパッケージで『ADS83xx』SARコンバータ・ポートフォリオを供給中であり、『ADS8317』および『ADS8326』は同ポートフォリオの最新製品です。同ポートフォリオは、コストと時間のかかる再設計作業なしに、既存のシステムの分解能、変換速度、性能のアップグレードを容易に実現できます。

TIでは業界をリードする『ADS83xx』ADC製品のほか、工業機器向けの『TMS320C6000™』および『C5000™』DSP（デジタル・シグナル・プロセッサ）および『C2000™』コントローラ、ならびに『MSP430』超低消費電力マイクロコントローラおよび『TMS470』マイクロコントローラをはじめとする全機能内蔵のシグナル・チェーン・システム・ソリューションを供給しています。またTIではこれらの高性能ADCとの組み合わせに最適で、最高の性能を実現する『OPA365』などの各種オペアンプ、『REF50xx』などの電圧リファレンスも供給しています。

『ADS8317』および『ADS8326』の特性表

価格と供給について
『ADS8317』および『ADS8326』は現在供給中で、TIおよび販売特約店から供給されます。パッケージは8ピンMSOPです。1,000個受注時の単価（参考価格）は両デバイスともに5.00ドルで評価モジュールも供給されます。3mm角の8ピンSONパッケージは2008年第1四半期から供給される予定です。

TIではアナログ技術者向けにセミナ、デザイン・ツール、技術資料、評価モジュール、サンプル提供などの幅広いサポートを提供しています。TIの包括的なアナログ・デザイン・サポートの詳細ならびに最新の『Amplifier and Data Converter Selection Guide』に関しては、http://www.ti.com/analogelab（英文）から参照できます。

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