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ニュースリリース

日本TI、医療用など画像処理および通信アプリケーションを対象に1.2GHz動作の世界最速のシングルコアDSPを発表

2007年10月03日

~同時に、コスト・パフォーマンスを向上させた新製品を追加し、高性能アプリケーションに向けてDSPポートフォリオを拡大~

~同時に、コスト・パフォーマンスを向上させた新製品を追加し、 高性能アプリケーションに向けてDSPポートフォリオを拡大~

SCJPR-07-082 2007年10月3日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、世界最速のシングルコアDSPである1.2GHz動作の『TMS320C6455』を発表し、業界のリーダーシップに位置する高性能DSPポートフォリオをさらに強化しました。対象アプリケーションは、通信インフラ機器や産業用、医療用の画像処理機器など大規模な信号処理システムが必要な製品です。高性能ながら低消費電力で、高密度に実装可能な『C6455』の性能を引き上げることで、開発者は容易にシステム性能を改善でき、さらにこれらのアプリケーションが期待する要求にも応えます。 同時に価格性能比に優れた『TMS320C6452』の出荷も開始しました。本件に関する詳細はwww.tij.co.jp/C6452and55(日本語)から参照できます。

世界最速の『C6455』、第三者機関の検証により最高値を獲得

TIはDSPの高性能化に向けて継続的に投資していくという中長期的な取り組みの一環として、世界最速のシングルコアDSPである1.2GHz動作の『TMS320C6455』の提供を開始し、DSPポートフォリオをさらに充実させました。1.2GHz動作の『C6455』は、これまでの1GHz動作版と同じ価格で供給されるため、開発者は追加コストなしに性能を大幅に向上させることが可能です。米国の第三者機関であるバークレー・デザイン・テクノロジー(BDTI)が実施したベンチマークテストの分析結果によると、『C6455』デバイスは13,170という値を達成し、BDTImark2000™ のスピード部門においてシングルコアのプログラマブルDSPの中で第1位となりました。BDTIのBenchmark™ は、デジタル信号処理のベンチマークとして、世界で最も幅広く使用されています。テストでは、さまざまなアルゴリズムを組み合わせて性能を測定するため、現実のアプリケーションにおける性能の予測に利用することができます。

多くの処理を要するアプリケーションでは実現可能な限り高い性能を追求し、高速のプロセッサ間の通信が要求されますが、『C6455』は広帯域のペリフェラル(ギガビットEthernet MAC、PCI 66MHz、DDR2-533)、Serial RapidIO(sRIO)や大容量のメモリ(2MBのL2メモリ)を集積しており、こうした要求にも対応します。

新製品『C6452』の主な顧客メリット
同時に出荷開始される『C6452』は、900MHz動作で、TIの現行製品である『TMS320C6415T』と比べておよそ30%(注1)の低価格化を実現し、かつ通信ペリフェラルの強化、内部メモリの増加、高性能化を実現しました。現行製品の『C641x』とコード互換性を確保しているため、設計者は現在取り扱っている製品から、新製品へと迅速かつ容易に移行できます。

TIの『TMS320C64x+™』コアをベースとする『C6452』は、『C6415T』と比較してL1キャッシュ・メモリは倍増、L2キャッシュは 40%増加することで、性能上の余裕をより十分に確保しています。このため顧客は、最終製品の設計にあたり、差別化に注力できます。また『C6452』には、2つのギガビットEthernet MACポートと1つのギガビット・スイッチが搭載しており、データストリームを自動的に監視し、DSP性能を消費するパケットの無駄を排除することで、マルチチップ設計を大幅に効率化します。さらに、Telecom Serial Interface Port(TSIP)の搭載によって、一般的な通信シリアル・データストリームへのシームレスな接続が可能となるため、最終的には、性能を強化しつつ、構造安定性と柔軟性を高めることが可能です。

  • 価格あたりのチャネル数が倍増:通信機器や画像診断装置を格納するラックのスペースには限界があるため、インフラストラクチャの設計に際しては、高チャネル密度化が重要となります。『C6452』は900MHzのクロックレートを誇り、拡張メモリと先進のペリフェラルを搭載し、2つのSGMII(Serial Gigabit Media Independent Interface)ポートを用いた容易なデイジーチェーン接続を実現するため、システムレベルの設計者は、チャネル密度のアップに必要な基本的なビルディング・ブロックを手に入れることができます。『C6452』の低価格を『C6415T』と比較した場合、Adaptive Digital Technologiesなどサードパーティのシステムソフトウェアを追加することにより、価格あたりのエコー・キャンセレーション、コンフェレンシング、およびVoIP/G.PAKアプリケーションのチャネル数は倍増することになります。

  • アプリケーションのボトルネック解消:『C6452』は、SGMII Ethernet MACポートを2つとギガビット・スイッチを搭載しており、システム内の個々のDSPが、それぞれの機能に関連したパケットのみを処理することを可能にします。SGMIIは、MACレベルによる高速Ethernetデバイスの接続技術として幅広く使用されています。このスイッチに、音声トラフィックとデータ・トラフィックの識別などに使用可能な判定用のゲートが追加されるため、カード上の特定のDSPが音声処理に専念している場合、データ・トラフィックの侵入を阻止することで、処理帯域の大幅な有効活用が可能となります。

  • I/Oペリフェラルの強化と、『C6415T』との比較によるオンチップ・メモリの増加:また、『C6452』の持つ66MHz動作のPCIインターフェイスによって、データ・レートは倍増します。同様に、DDR2外部メモリ・インターフェイスは、外部メモリの帯域幅を倍増します。L1の命令キャッシュとデータキャッシュは、32KBに倍増し、L2キャッシュ・サイズは40%増加します。

価格と供給について
1.2GHz動作の『TMS320C6455』は現在、日本TIおよび日本TIの販売特約店より供給中で、10,000個受注時の参考価格は245ドルです。『C6455』DSPスターター・キットは、1.2GHz動作の『C6455』を搭載して12月出荷開始予定です。

『TMS320C6452』も現在、日本TIおよび日本TIの販売特約店よりサンプルの供給を開始しました。720MHz動作版の10,000個受注時の参考価格は94ドルからです。パッケージは、19mm(ミリメートル)角の361-lead BGA(ボール・グリッド・アレー)です。また、『C6452』DSP評価モジュール(EVM)は、参考価格は168,000円(税込み)です。本件に関する詳細はwww.tij.co.jp/C6452and55(日本語)から参照できます。

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※ TMS320C64x+およびC6000はテキサス・インスツルメンツの商標です。その他、すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します
注1:C6452-720MHz とC6415T-850MHz、もしくはC6452-900MHzとC6415T-1GHzを比較した場合