3G携帯電話の基地局用機器において、 RF信号をベースバンド信号へ直接変換する新製品

SCJPR-07-081 2007年10月2日

日本テキサス・インスツルメンツ（本社：東京都新宿区、社長：山崎俊行、略称：日本TI）は本日、3G機器のダイレクト・ダウン・コンバージョンのアプリケーション向けに、モノリシック構成で高い直線性の直交復調器『TRF3710』を発表しました。『TRF3710』は、携帯電話の基地局メーカーに向けたTIのアナログおよびDSP製品群を拡張する新製品です。この製品は3G携帯電話の基地局の受信部のシグナル・チェーンの部品点数を、既存のスーパーヘテロダイン方式と比べて約75%削減します。『TRF3710』は、1.7～2.0 GHzのRF信号をベースバンド信号へ直接変換するために必要なすべての回路をチップに集積しており、安定した高性能を提供します。『TRF3710』の発表により、TIはワイヤレス・インフラストラクチャ向けのアナログ製品群を強化しました。本件の詳細に関してはhttp://www.tij.co.jp/TRF3710（日本語）から参照できます。

優秀なRF性能を高い集積レベルで提供
『TRF3710』は実装面積およびコストの低減が要求されるダイレクト・ダウン・コンバージョン方式に最適化されています。『TRF3710』は業界で初めて、近接周波数を減衰させるベースバンド・フィルタを内蔵しているため、外付けのバンドパス・フィルタを不要にしました。このフィルタの通過帯域は、シングル・キャリアCDMA2000方式の615 kHzからシングル・キャリアWCDMA方式の1.92 MHzまで、ソフトウェアで連続的にプログラムできます。

さらに『TRF3710』は1dBステップで設定可能な24dBのプログラマブル・ゲイン・アンプおよびADC（ADコンバータ）ドライバも内蔵しており、検波回路のADCに直接接続することが可能です。『TRF3710』はフィルタ、ミキサ、PLL、VCO、RFアンプおよびベースバンド・アンプなど、受信系の数多くのシグナル・チェーンの構成要素を削減できることから、2ステージのスーパーヘテロダイン方式と比較してシステム全体を大幅に簡素化できます。

『TRF3710』はRF信号をIQベースバンド信号へ直接変換できることから、高いIF（中間）周波数と高いサンプリング・レートの高価なADCが不要となり、システム・コストを大幅に低減できます。さらに『TRF3710』は+60dBmのIIP2（入力信号2次インターセプト・ポイント）、+ 21dBmのIIP3（入力信号3次インターセプト・ポイント）、13.5dBの雑音指数により、高い直線性の受信性能と優れたRF性能を実現できます。

携帯電話基地局市場で独自の立場を確保
TIは『TRF3710』のをはじめとする全機能内蔵のシステム・ソリューションを供給する唯一の半導体メーカーです。『TRF3710』は、以下のワイヤレス・インフラストラクチャ・アプリケーション向けのTIの包括的なアナログ製品系列に追加されます。

• 『TRF3703』… 直交変調器
• 『TRF3761』… 低雑音PLL周波数シンセサイザ
• 『ADS5231』… 40MSPS ADC（2回路内蔵）
• 『ADS5240』… 40MSPS ADC（4回路内蔵）
• 『ADS5270』… 40MSPS ADC（8回路内蔵）
• 高速アンプ
• タイミング・ソリューション … ジッター・クリーナ、クロック・ドライバ
• インタフェース・ソリューション … SerDes、 LVDS
• ロジック、 バス・スイッチ
• パワー・マネジメント・ソリューション

さらに、TIではシグナル・チェーンのアナログ部分を補完するDSPも供給しています。業界をリードするTIのDSP製品は、3G携帯電話の基地局メーカーの上位8社すべてが採用しています。またWCDMA、WiMAXおよびLTEをはじめとするエアー・インターフェイス向けソフトウェア・ライブラリも提供しています。TIの包括的なワイヤレス・インフラストラクチャ・ソリューションの詳細に関してはhttp://www.ti.com/wi（英文）から参照できます。

『TRF3710』の特性表

価格と供給について
『TRF3710』は現在出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。パッケージは48ピンQFNです。1,000個受注時の単価（参考価格）は9.75ドルです。

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