広帯域アプリケーション向けに高速、 高分解能と高性能を兼ね備えた新製品

SCJPR-07-066 2007年8月21日

日本テキサス・インスツルメンツ（本社：東京都新宿区、社長：山崎俊行、略称：日本TI）は本日、400 MSPSと業界で最高速のモノリシック 14ビットADコンバータ『ADS5474』を発表しました。『ADS5474』は、変換速度において有効ビット数が11.1 ビットと他に例のない高性能を提供し、試験・計測向け計装、SDR（ソフトウェア無線）、通信向け計装をはじめ、これまでADコンバータの分解能によって制約を受けていた装置において、高性能・広帯域アプリケーションを実現できます。 本件の詳細に関してはhttp://www.tij.co.jp/ADS5474（日本語）から参照できます。

『ADS5474』はTI独自のアナログ・プロセス・テクノロジ「BiCom3」で製造され、バッファ・アンプを内蔵し、AFE（アナログ・フロントエンド）の設計を容易にします。このバッファ・アンプによりサンプル・アンド・ホールドからのキックバック電流を防止でき、サンプリングのタイミングおよび周波数に関わらず、常に高い入力インピーダンスを提供します。これにより、DCから200MHzを超えるIF（中間）周波数までの広帯域アプリケーション向けAFEの設計が容易になります。さらに『ADS5474』は基板実装面積を削減する14 mm角のパッケージで供給されます。また、下記の高速ADコンバータとピン互換性をもたせることで、TIのADコンバータ製品を搭載する基版間で、サンプリング周波数、分解能の変更が容易になり、新製品の開発期間の短縮にもなります。

ピン互換製品 :
ADS5463 … 12bit, 500MSPS
ADS5444 … 13bit, 250MSPS
ADS5440 … 13bit, 210MSPS

『ADS5474』は1.4 GHzの入力帯域幅を備え、400 MSPSのサンプリング・レートで、IF周波数200MHzまで70 dBFSのSNRを、400MHzまで69 dBFSのSNRを提供することにより、高速かつ高性能を要求されるアプリケーションにおいて、以下のような利点があります。

• 送信系のパワー・アンプにおいて、デジタル・プリディストーション・アルゴリズムと共に使用して直線性補正機能および効率を向上し、システムの全体的なコストを低減
• SDR（ソフトウェア無線） において、より多くの標準規格への対応、ならびにより高い感度を実現
• 高速デジタイザ、スペクトラム・アナライザ、試験・計測機器、汎用のデータ・アクイジション・システムなどで、14ビットの分解能ならびに200MHzの帯域幅を実現

TIではお客様の装置設計を容易にするために、様々な高性能のシグナル・チェーン製品を供給しています。

• 組み合わせ使用可能な高速アンプ　：『THS4520』、『THS4509』、『THS9001』
• クロック・シンセサイザ、ジッタ・クリーナ　：『CDCM7005』
• 高性能DAコンバータ　：　『DAC5682』(開発中)

さらにシステム・ソリューション向けにはTIのRFソリューション、デジタル・アップ/ダウン・コンバータなどのポートフォリオも供給しています。

『ADS5474』の特性表

価格と供給について
『ADS5474』は現在出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。パッケージは14 mm角の80ピンTQFP PowerPAD™ です。1,000個受注時の単価（参考価格）は150 ドルです。サンプルおよび評価モジュールに関しては、http://dataconverter.ti.com（英文）から参照できます。

TIではアナログ技術者向けにセミナ、デザイン・ツール、技術資料、評価モジュール、サンプル提供などの幅広いサポートを提供しています。TIの包括的なアナログ・デザイン・サポートの詳細ならびに最新の『Amplifier and Data Converter Selection Guide』に関しては、http://www.ti.com/analogelab（英文）から参照できます。

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