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日本TI、ポータブル計測・医療機器用途に最適化された、業界で初めて低ドリフト性能と低雑音特性の両方を併せ持つe-TrimによるRail-to-Rail入出力CMOSオペアンプを発表

2007年08月20日

SCJPR-07-065 2007年8月20日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、e-Trim™テクノロジー(*注) による低オフセット・ドリフト性能と、非常に低い雑音特性を備えた単一電源動作のオペアンプ、『OPA376』を発表しました。この新製品は超小型パッケージで25μV(マイクロボルト、最大値)と低いオフセット電圧と、5.5 MHz(メガヘルツ)と広い帯域幅を提供します。さらに、『OPA376』は7.5nV/√Hz(ナノボルト/√ヘルツ)と低い雑音密度、ならびに950μA(最大値)の静止電流特性も備えています。これらの特長によって、フィルタ、データ・アクイジションその他の単一電源動作の信号処理システムのACおよびDC特性の規定を満足するために必要な、均衡の取れたパラメータを提供できます。『OPA376』はセンサおよびシグナル・コンディショニング回路、ワイヤレス通信機器、医療用計装機器、ハンドヘルド試験機器、コンシューマ向けオーディオ機器などに最適です。本件の詳細に関してはhttp://www.tij.co.jp/opa376(日本語)から参照できます。

(* 注) e-Trim™テクノロジー:
製造工程の最終段階においてオフセット電圧および温度ドリフトの精密なトリミング(特性調整)を行う、TIが開発した新しいテクノロジー。パッケージ工程の後でトリミングが行われるため、プラスチック・モールド工程の際のストレスによる特性パラメータの変化を避けることができ、従来のレーザ・トリミング方式よりも大幅に高い精度を提供し、高精度バイポーラ・アンプや低価格のCMOSオペアンプと比較して、クラス最高のオフセット電圧および温度変化によるオフセット・ドリフトを実現します。

最新のCMOSプロセス・テクノロジーにパッケージ・レベルのトリミングを施すことで、非常に低い入力オフセット電圧特性を実現し、最小の信号誤差ならびに最高のダイナミック・レンジを提供できます。さらに『OPA376』は、1mA(ミリアンペア)未満の静止電流、ならびに1μV/℃(マイクロボルト/℃)と優秀な温度ドリフト特性のほか、他に例のない低雑音特性を提供します。

TIでは高精度アプリケーション向けに最先端のシグナル・チェーンを供給しています。『OPA376』と組み合わせてポータブルの医療用および工業用アプリケーションを構成できる製品として『OPA333』、『OPA340』、『ADS123x』、『MSP430』および『REF50xx』を、またコンスーマ向けオーディオ・アプリケーションの構成向けには、『OPA363/4』、『DAC557x』およびオーディオ・コーデック製品などを供給しています。

『OPA376』の特性表

項目 OPA376
内蔵回路数 1
利用可能回路数 1
チャネルあたり静止電流 (最大値) 0.95 mA
ゲイン帯域幅積 (代表値) 5 MHz
スルーレート (代表値) 2 V/μs
入力オフセット電圧 (25 ℃、最大値) 0.025 mV
入力バイアス電流 (最大値) 10 pA
ピン/パッケージ 5SC70, 5SOT-23, 8SOIC
同相信号除去比 (最小値) 76 dB
1,000個受注時の単価(参考値) 0.65 ドル
雑音電圧(1kHz、代表値) 7.5 nV/√Hz
電源電圧範囲 2.2 V ~ 5.5 V
動作温度範囲 -40 ~ 125 ℃

価格と供給について
『OPA376』は現在出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。パッケージは超小型の5ピンSC70、8ピンSO、5ピンSOT23です。1,000個受注時の単価(参考価格)は0.65ドルです。

2回路内蔵の『OPA2376』の出荷は2007年第3四半期に予定され、パッケージは8ピンMSOPおよびSOです。1,000個受注時の単価(参考価格)は1.00ドルです。

4回路内蔵の『OPA4376』の出荷は2007年第3四半期に予定され、パッケージは14ピンTSSOPです。1,000個受注時の単価(参考価格)は1.40ドルです。全バージョンの特性は-40℃~+125℃の温度範囲で規定されています。これらの製品は同一の特性仕様であることから、最高の設計上の柔軟性を提供します。

TIではアナログ技術者向けにセミナ、デザイン・ツール、技術資料、評価モジュール、サンプル提供などの幅広いサポートを提供しています。TIの包括的なアナログ・デザイン・サポートの詳細ならびに最新の『Amplifier and Data Converter Selection Guide』に関しては、http://www.ti.com/analogelab(英文)から参照できます。

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