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日本TI、DaVinci™ テクノロジーを採用した最初の製品『TMS320DM6446/DM6443』を発表 - デジタル・ビデオ・アプリケーションの開発を促進

2007年07月28日

image 日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、デジタル・ビデオ・アプリケーションの革新を提供するDaVinci™ テクノロジー(2005年9月8日発表)を採用した最初の製品を発表しました。

新製品『TMS320DM6446/DM6443』は、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)をベースとしたSoC(システム・オン・チップ)2品種とマルチメディア・コーデック、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)、フレームワーク、開発ツールと、いずれもデジタル・ビデオ・アプリケーションの革新を推進するために最適化された、新しい設計手法を採用しています。これら各種機能が統合された業界初の製品群は、デジタル・ビデオ・アプリケーションについて幅広い知識と経験の有無に関わらず、画期的なデジタル・ビデオ・アプリケーションを実現できるオープン・プラットフォームとなります。これらDaVinci™ テクノロジーを採用した新製品があれば、各種APIを活用するだけでアプリケーションに様々なデジタル・ビデオ機能を追加することが可能です。従って開発者は、開発期間を数カ月も短縮できると同時に、トータル・システム・コストの削減を実現することができます。DaVinci™ テクノロジー採用製品に関する詳細は、http://www.ti.com/thedavincieffectpr(英文)から参照できます。

この新製品では、ハードウェアとソフトウェアとの統合により、デジタル・ビデオ機能の実装に伴う一連の複雑な作業の簡素化を実現しました。開発者はデジタル・ビデオ・アプリケーション用途に最適化され、既に検証された実績のあるソフトウェア・コンポーネント各種を活用できます。このほど投入されるDaVinci™ テクノロジー採用製品を用いることで、顧客はただ部品を組み立てるのと同じような容易さで、デジタル・ビデオ・アプリケーションの各種機能を実装できます。

iSuppli社のコンシューマ・エレクトロニクス担当シニア・アナリスト、クリス・クロッティ(Chris Crotty)氏は、次のように述べています。「TIのDaVinciテクノロジーは、コンシューマ・エレクトロニクス分野の大きな転換点になります。コンシューマ・エレクトロニクス分野では、かつてオーディオ革命ともいうべき時期がありましたが、今度のステップはビデオ革命です。TIはあらゆる側面を考慮しているようで、デジタル・ビデオのイノベーションを推進するとともに次世代の消費者向けビデオ・デバイスを可能にする包括的なソリューションをデベロッパーに提供しています」

システム・コスト削減を実現するDaVinci™ テクノロジー採用製品のサンプル出荷を開始
新製品『TMS320DM644x』のアーキテクチャは、高集積度のSoCを採用し、デジタル・ビデオ・アプリケーションにおいて必要な外付け部品の多くを集積した結果、必要な部品点数を約50パーセントも削減することを可能にします。同時に発表した2つの『DM644x』製品は、トップクラスの性能を誇る『TMS320C64x+™ 』DSPコアとARM926プロセッサを中心に、ビデオ・アクセラレータ、ネットワーク・ペリフェラル、および外部メモリや各種記録メディアへのインターフェイスによって構成され、MPEG-2(最大1080i)のデコード処理とMPEG-4(最大720p)のシンプル・プロファイル・エンコード処理が可能です。しかも、これらすべてがビデオ機能に最適化されているのです。
『TMS320DM6443』はビデオ再生アプリケーション向けに最適化されており、アナログ・ビデオ出力とデジタル・ビデオ出力、リサイザーやOSD(オンスクリーン・ディスプレイ)エンジンなど、デジタル・ビデオのデコード処理に必要なあらゆる処理コンポーネントを提供します。
『TMS320DM6446』はビデオの記録、再生アプリケーション向けに最適化されており、各種デジタル・ビデオ・フォーマットに対応した専用ビデオ・プロセッシング・フロント・エンドを経由し、各種ビデオ・エンコード処理に対応します。

最適なソフトウェア・インフラストラクチャの提供により市場投入期間を短縮
DaVinci™ テクノロジーのソフトウェア・インフラストラクチャはOSドライバからアプリケーションAPIまで幅広く取り揃えています。このため開発者は、コーデックの最適化、DSPのプログラミングといった作業に多くのリソースを費やすことなく、デジタル・ビデオ・アプリケーション機能を容易に実装できます。LinuxOSをベースとし、各種APIを使用することで、コーデック実装で必要となる複雑なハードウェアやソフトウェアの詳細を気にすることもなく、またアプリケーション・コードの変更なしで、複数のマルチメディア・コーデックの入れ替えも実現できます。設計や採用意思決定を短期間で迅速に行えるよう、日本TIからは最適化されたビデオ・コーデックやオーディオ・コーデックのライセンス供与も行います(評価版は無償)。

アプリケーションを開発する際には、標準OS開発環境を使用する事で、業界に広く普及しているストレージ、ネットワーク、ビデオ関連アプリケーション向け各種APIインターフェイスを利用できます。必要に応じてDSPやARMに直接アクセスする形で開発を行うこともできます。つまり、SoCの性能を十分に活用しつつ、付加価値を持たせる機能の開発に注力できるのです。

TIのDSP SoCプラットフォーム担当マネージャ、グレッグ・マー(Greg Mar)は次のように述べています。「DaVinciテクノロジーを使えば、開発者は、コンポーネントを柔軟に組み合わせ、製品実績のある高度な設計を短期間で開発できます。しかも、ビデオ機能の実装という細々した作業に悩まされることもありません。DaVinciテクノロジーは今後、デジタル・ビデオの容易な実装が待ち望まれていたテレビ電話やビデオ・セキュリティ・システム、画期的な各種新製品など、さまざまなアプリケーションに搭載されることでしょう」

包括的なシステム・ツールとサポートにより各種ソフトウェア実装を推進
日本TIはDVEVM(デジタル・ビデオ評価モジュール)を提供し、『DM644x』製品の評価と実装をサポートします。DVEVMにはMontaVista Linux Professional Editionが用意されており、開発者はコード開発にただちに取り掛かることができます。また、NTSC/PALカメラとLCD、ビデオのエンコード/デコード処理のデモも搭載されており、ビデオ・ストリームから新たなデモを作成する機能も準備しています。ビデオ入出力、ネットワーク・インターフェイス、記録メディア・インターフェイス、標準ドーター・カード・インターフェースも準備されているため、DVEVMがあればアプリケーションのプロトタイプの作成に容易に対応できます。DVEVMにより、ARMアプリケーション・コードの開発やDaVinci API経由でのDSPコアへのアクセスの検証など、『TMS320DM6443』と『TMS320DM6446』を採用する各種アプリケーション開発を迅速に開始できます。
なお日本TIでは『TMS320DM644x』デバイスをサポートする『Code Composer Studio™ 』統合開発環境も提供します。この開発環境により、開発者は使い慣れたツールを今後も使い続けることができます。DaVinci™ テクノロジー採用製品は、TIだけでなく、ビデオ・システムの各種ノウハウを世界に提供するサードパーティ・ネットワークの多くの技術にもサポートされています。

日本TIでは、ビデオ・アプリケーションの分野で、DaVinci製品とデジタル・シグナル・プロセッサに加え、さまざまな高性能アナログ製品を用意しています。例えば、高性能なクロックICソリューションや高速ビデオ・アンプ、パワー・マネージメント製品などを提供しており、これらはデジタル・ビデオ・アプリケーション特有の各種要求に応えられるよう設計されています。

価格と供給について
『TMS320DM6443』と『TMS320DM6446』は、ピン互換性、コード互換性を確保し、いずれも本日よりサンプル出荷を開始します。1万個受注時の単価(2006年価格)は、『TMS320DM6443』が29.95ドル、『TMS320DM6446』が34.95ドルです。『DVEVM』(『TMDXEVM6446』)は2,495ドルで受注を開始します。詳細は、http://www.ti.com/thedavincieffectpr(英文)をご覧ください。

※DaVinci, TMS320C64x+, Code Composer Studio, TMS320C64xはいずれもテキサス・インスツルメンツの商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。