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日本TI、太陽電池やマイクロ燃料電池からの昇圧を可能にする業界最小入力電圧、昇圧型コンバータを発表

2007年06月05日

0.3V~5.5Vの入力電圧ならびに0.5Vからのスタートアップで動作可能、バッテリ動作機器において新たな低電力エネルギー源の活用を実現

0.3V~5.5Vの入力電圧ならびに0.5Vからのスタートアップで動作可能、 バッテリ動作機器において新たな低電力エネルギー源の活用を実現

SCJPR-07-043 2007年6月5日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、業界で最も低い入力電圧で動作し、ポータブル電子機器の電源として太陽電池やマイクロ燃料電池など、新しいエネルギー源の活用を実現する昇圧型DC/DCコンバータ、『TPS61200』を発表しました。この製品は小型パッケージであるとともに、入力電圧0.3V(ボルト)からの昇圧動作が可能であり、携帯電話、ポータブルの医療用機器、メディア・プレーヤなどの回路設計において、太陽電池やマイクロ燃料電池など、新しいエネルギー源を使用する際に問題となる低入力電圧の障壁を克服できます。本件の詳細に関してはhttp://www.tij.co.jp/sc07062 (日本語)から参照できます。



『TPS61200』昇圧型コンバータは1.5A(アンペア、最大値)の電流スイッチ回路を内蔵しており、0.3V~5.5Vの入力電圧範囲で定格動作を提供します。またUVLO(電圧低下ロックアウト)ピンを補助出力電圧(VAUX)に直接接続した場合、入力電圧0.0Vまで電力制御動作が可能です。『TPS61200』は、どのような負荷条件においても0.5V(最大値)という究極の低入力電圧からのスタートアップ機能を保証することが可能です。これに対して、現行の最も優れた昇圧型コンバータは入力電圧の最低値は約0.7V、スタートアップ電圧は約0.9Vであり、主要な充電型バッテリ・セルをサポートするには十分ですが、太陽電池やマイクロ燃料電池などの新型エネルギー源を使用するアプリケーションのサポートには不十分です。

『TPS61200』は単一の太陽電池セルで動作する能力を備えており、複数の太陽電池の直列接続や、そのために必要な保護回路が不要です。このため、太陽電池を搭載し、室内の照明のみで携帯機器を充電することも可能で、無限大の待ち受け時間を提供する携帯電話の充電器をはじめ、潜在的な革新性を備えた新規のデザインを実現できます。

TIのDC/DCコンバータ製品の開発責任者であるウーベ・メンゲルカンプ(Uwe Mengelkamp)は次のように述べています。「ポータブルの医療用機器、ワイヤレスおよびポータブル・オーディオ・プレーヤをはじめとするポータブル機器の設計者は、製品のバッテリ動作時間の延長と差別化のため、太陽電池やマイクロ燃料電池などの新しいエネルギー源を使用する方法を探し求めてきました。低入力電圧の『TPS61200』を使用することで、これら新しい低電力エネルギー源とお客様のシステム内のICの接続を実現できることは確実です」

低電圧時にシステムを保護
『TPS61200』は3mm(ミリメートル)角の10ピンQFNパッケージで供給されます。『TPS61200』は低電圧動作時に重要となる出力短絡保護、プログラマブルUVLO、入力電圧が出力電圧を超えた場合に負荷デバイスを保護するユニークな「降圧動作モード(ダウンモード)」など、低電圧動作時に重要となる数種の特長を備えています。さらに、機器のシャットダウン中にバッテリからの漏れ電流を低減するため、入出力を遮断可能なディセーブル機能も提供します。

単一セルのアルカリ電池、NiCdおよびNiMHバッテリの動作範囲を拡張
『TPS61200』が備える究極の低入力電圧動作は、玩具からポータブル医療機器まで、単一セルのアルカリ電池、NiCd(ニッケル-カドミウム)バッテリ、NiMH(ニッケル水素)バッテリで動作する幅広い機器において設計上の困難を解決します。『TPS61200』は低入力電圧時に、電力をそのまま通過させる状態となる数多くのパルス負荷向けアプリケーションにおいて、バッテリ動作時間を延長します。

『TPS61200』の特性表

TPS61200 TPS61201 TPS61202
入力電源電圧範囲 0.3V~5.5V 0.3V~5.5V 0.3V~5.5V
出力電圧範囲 1.8V~5.5V --- ---
プリセット電圧出力 --- 3.3V 5V
スイッチ電流制限(代表値) 1.35A 1.35A 1.35A
スイッチ周波数(最大値) 1250kHz 1250kHz 1250kHz
静止電流(代表値) 0.05mA 0.05mA 0.05mA
デューティ・サイクル(最大値) 95% 95% 95%
動作温度範囲 -40℃~+85℃ -40℃~+85℃ -40℃~+85℃
ピン/パッケージ 10SON 10SON 10SON
1,000個受注時の単価(参考価格) 1.70ドル 1.70ドル 1.70ドル


供給と価格について
『TPS61200』昇圧型コンバータは現在、量産出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。パッケージは3mm(ミリメートル)角の10ピンQFNです。1,000個受注時の単価の参考価格は1.70ドルです。評価モジュール、アプリケーション・ノート、TIの最新の『Power Management Selection Guide』はhttp://power.tij.co.jp (日本語)から参照できます。

設計を簡素化するデザイン・ツールを供給
TIではhttp://www.tij.co.jp/analogelab から、『TPS61200』を搭載する電源デザインの簡素化に役立つ『Analog eLab™ Design Center』(日本語)を提供しています。この最近発表されたデザイン・センターではTIの電源デザイン・ツールである『SwitcherPro™』、およびスイッチング電源の動作シミュレーションをより素早く実行できる最新バージョンの『TINA-TI™』 7.0シミュレーション環境を利用できます。

業界をリードするTIのパワー・マネジメントICポートフォリオ
TIではお客様の電源デザインに適合する革新的な製品、使いやすいデザイン・ツール、技術サポートの供給に注力しています。TIはアプリケーションの専門知識ならびに高性能アナログ製品の製造能力を活用し、携帯電話およびポータブルの医療用機器から通信、工業用、コンピュータなどのアプリケーションまで、さまざまなポータブルおよび商用電源動作、絶縁型および非絶縁型の電源設計向けに、個別および集積されたパワー・マネジメント・ソリューションを供給します。

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