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日本TI、監視カメラやセキュリティ・システム向けDaVinciテクノロジー搭載DSPを発表

2007年05月22日

デザインの柔軟性、高効率、高性能を提供しシステム・コストを低減する2フェーズ、『Natural Interleaving』搭載のPFCコントローラ

~5チャネル 16ビット・ビデオポートを搭載しコーデック性能を2倍に向上~

SCJPR-07-038 2007年5月22日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、マルチチャネルの監視/セキュリティ・システムでのデジタル・ビデオ・レコーダ(DVR)やインフラ機器をはじめ、IPビデオ・サーバ、マシンビジョン・システム、放送インフラ機器といった高性能画像アプリケーション向けにDaVinci™ テクノロジー搭載のDSP新製品を2製品発表しました。新製品の『TMS320DM647』と『TMS320DM648』は日本TIのTMS320C64x+™ DSPコアをベースにしており、『TMS320DM642』上の既存ビデオ・プロセッシング・アプリケーションからスムーズに移行できます。また、新製品のプロセッサは新しい機能を統合してコーデック性能 (MPEG4、H.264などの画像圧縮伸長処理性能)を2倍にしつつ、ビデオ・システムの部品点数を抑え全体でのコストを約40ドルの削減を実現します。本件の詳細に関してはhttp://www.tij.co.jp/dm648pr から参照できます。



これらのイノベーションにより、顧客はチャネルごとのコストを抑えつつ、より多くのチャネルを同時に処理できる差別化されたビデオシステムを開発することができます。ASSPベースのソリューションでは、デュアル・ストリーミング、画像解析、コーデックのカスタマイズや新たな規格への対応は、実装が難しくコストがかかるのが一般的ですが、DaVinciテクノロジーのプログラマブルなアーキテクチャはこれらの差別化する機能をサポートするフレームワークを提供します。

新製品のプロセッサはネットワークビデオ監視カメラ市場を主なターゲットとしており、IMSリサーチ社の最新市場調査によると、2006年には市場規模が41.9%急増し、今後も数年にわたり、成長すると見込まれています。

卓越したコストパフォーマンスでスムーズな移行
特定の市場でのニーズに最適化した半導体、ソフトウェア、ツールおよびサポートを最適化しデジタル・ビデオでのイノベーションを継続的に行うというコミットメントのもとに、日本TIはこれまでに、コスト重視のアプリケーション向けにC64x+コアを搭載した『TMS320DM643x』を4製品、コンシューマ・メディア・アプリケーション向けにARM9とC64x+コアを搭載した『TMS320DM644x』を3製品、市場に投入してきました。今回、新製品『DM647』と『DM648』を発表/製品化することで、日本TIは、デジタルAVコミュニケーション分野のインフラ機器からコンシューマ機器まで、一連のアプリケーション向けにソリューションを提供することができるようになります。

また、信頼性のより高い製品を市場投入する期間を短くするため、顧客は即座に使えるアプリケーション・ソフトウェア、業界で最も包括的なデジタル・ビデオ開発プラットフォーム、および開発者サポート向けに設けられたTIのASP(Authorized Software Providers)ネットワークを利用できます。新製品ではDaVinciプロセッサとして初めて、「XDS560™ Trace」モジュールの活用が可能となりました。「XDS560™ Trace」は、高性能でリアルタイムの組み込み型アプリケーションに特有の問題をデバッグするための、先進的な可視性と高い性能を提供するハードウェアベースのトレースツールです。複雑なマルチチャネルのアプリケーションにおけるコード性能の微調整やキャッシュの最適化などにもトレースを適用できます。

比類なきパフォーマンスと柔軟性
新製品、『DM648』は現行の『DM642』と比較して、2倍のコーデック性能向上を実現しました。C64x+コアは(動作した信号処理関連プログラムでDM642のC64xコアと比較して)サイクルパフォーマンスで20%向上 コード・サイズを20~30%削減し、1サイクルあたりの16ビットMMACは(DM642のC64xコアの)2倍、EDMA帯域幅も2倍になっています。またC64xコアと100%のコード互換性を確保しています。さらに新製品『DM648』は、現行の『DM642』とほぼ同価格でありながら、VICP(Video and Imaging Coprocessor)の集積によりクロックスピードの向上と、H.264圧縮伸張の高速処理を実現しました。

新製品『DM648』は、現行の『DM642』と比較して約40ドルのシステムの部品点数(BOM)のコスト削減を実現します。追加された2ポートのビデオポートにより、7ドル相当のビデオマルチプレクサを不要にします。最大4つのPHYデバイスと相互接続できるスイッチを統合したギガネット・イーサネットMACの搭載により8ドル相当のPCIブリッジの機能を実現します。また、色空間補正やリサイズ、デインターレースなどを実行するオンチップVICP により、同等の処理に必要な25ドル相当のFPGAを省略できます。さまざまな機能強化と、DSPプログラマブルな特性を利用することで、設計者は高価で制約の多いFPGAを用いることなく、より最終製品の差別化にフォーカスできます。『DM648』は512キロバイトのL2キャッシュおよびスイッチ搭載のギガネット・イーサネットMACを2ポート搭載し、『DM647』は256キロバイトのL2キャッシュおよびギガネット・イーサネットMACを1ポート搭載しています。

新製品のプロセッサはデュアル・ストリーミングをサポートし、全てのビデオチャネルにおいて、モニタと録画が可能になります。ハードディスク・ドライブ(HDD)やネットワーク上のストレージ(NAS)への高解像度での録画を前提としたデジタル・ビデオ監視システムにおいて、デュアル・ストリーミングは必須機能です。

高性能DSPの『DM647』と『DM648』は洗練された特長と機能で設計者へ更なる差別化を提供します。TIとDSPのサードパーティー・ネットワークは、対象物の認識や追跡などのビデオ解析技術の先駆けで、ビットレートや画質の調整や、セキュリティ認証のためのコード情報の提供など、セキュリティ分野に特有なニーズに対応するためのコーデックのカスタマイズも行っています。なおTIのサードパーティーであるIttiam Systems社からは、マルチチャネル、高解像度および低遅延を実現する各種コーデックやビデオセキュリティメディアシステムが提供されます。

インストラクション・ベースのエンジンでフロントエンド処理を実行するVICPは、メインのDSPコアから独立して動作し、また高効率の色空間補正、リサイズ、デインターレースなどのVICP機能ライブラリを搭載しています。各種マルチチャネル・コーデック、ビデオ処理システムを構築するための各種ソフトウェアと『DM648』ベースのハードウェアなどで構成される「DM648 Digital Video Development Platform (DVDP)」ベータ版がリリースされる予定です。DVDPはTIの『TVP5154』ビデオデコーダをはじめとする各種デバイスを実装し、DaVinciテクノロジーを評価する効率的なプラットフォームとして、顧客の迅速な製品開発を支援します。

価格と供給
720 MHz の『TMS320DM648』は6月よりサンプル出荷を開始します。量産出荷は、2007年第4四半期の予定で1万個受注時の単価(参考価格)は49.95ドルです。また、720 MHz の『TMS320DM647』は、39.95ドル(同)です。ベータDVDP(ベータ版)は2007年第3四半期より出荷され、TIおよび特約販売店より供給されます。

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