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日本TI、工業用制御機器の小型化と高精度の実現に最適化された2 ppm/℃ の高精度基準電圧源内蔵、超低グリッチの 16 ビット DAコンバータを発表

2007年04月23日

SCJPR-07-033 2007年4月23日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、高精度リファレンスを内蔵した新型 DAコンバータ(デジタル-アナログ・コンバータ)シリーズ初の製品となる『DAC8560』を発表しました。この製品は 1 チャネル内蔵の 16 ビット高性能 DAコンバータであり、ストリング DAコンバータとしては最良の INL(積分非直線性誤差)、かつ DAコンバータに内蔵されたものとしては最も高精度の温度ドリフト性能を持った内蔵基準電圧源と 16ビットの単調性を併せ持つ DAコンバータです。具体的には 0.15 nV-s(ナノボルト・秒)の超低グリッチ性能、2.7 V(ボルト)動作時に 1.5 mW(ミリワット)の超低消費電力、2 ppm/℃(百万分の一/℃)の温度ドリフト特性ならびに±0.004%の初期精度を持つリファレンスを内蔵するという特長を備えています。高性能 DAコンバータに高精度リファレンスを組み合わせた『DAC8560』は、ポータブル計測機器、光ネットワーク、工業用プロセス制御、マシンおよびモーション・コントロール、データ・アクイジション・システムをはじめとするクローズド・ループ制御の各種アプリケーションに、柔軟性があり使いやすいソリューションを提供します。本件の詳細に関しては http://www.tij.co.jp/sc07067 (日本語)から参照できます。



先行の『DAC855x』シリーズの DAコンバータ製品は、コード遷移に伴って出力に発生する過渡電圧(グリッチ)が極めて小さく、優れた性能を持ちます。『DAC8560』は『DAC855x』シリーズを踏まえて開発された新製品です。この超低グリッチ特性によって、クローズド・ループ・システムにおいてはリンギングを誘発する不要な過渡電圧波形の発生を防止できるほか、波形発生回路では高調波歪みの発生など、DAコンバータに共通する問題を解決できます。

『DAC8560』は電源の通電開始後、正しいデータが書き込まれるまで DAコンバータ出力をゼロに保持するためのパワーオン・リセット回路も内蔵しています。またシリアル・インターフェイス経由でアクセスできるパワーダウン機能によって、5 V 動作時の消費電流を 1.2 μA(マイクロアンペア)まで低減できます。

さらに、4 LSB(代表値)の INL(積分非直線性誤差)、0.5 LSB(代表値)の DNL(微分非直線性誤差)、フルスケールの± 0.003 %以内まで8μs(マイクロ秒、代表値)のセトリング時間、動作温度範囲で 16 ビット単調増加性の保証など、数々の特長を備えています。

『DAC8560』は TI の『MSP430』超低消費電力マイクロ・コントローラ、『TMS320C2000™』デジタル・シグナル・コントローラ、ならびにハイパフォーマンス・アナログ製品のポートフォリオとの組み合わせに最適化されており、全機能内蔵のシステム・ソリューションを提供できます。

供給と価格について
『DAC8560』は現在、MSOP-8 パッケージで出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。1,000 個受注時の単価の参考価格は 3.5 ドルから設定されています。評価モジュールも供給されます。また新型の 16 ビット高性能 DAコンバータ製品、『DAC8550』、『DAC8551』、『DAC8552』、『DAC8554』、『DAC8555』も供給中です。

TI ではアナログ技術者向けにセミナ、デザイン・ツール、技術資料、評価モジュール、サンプル提供などの幅広いサポートを提供しています。TIの包括的なアナログ・デザイン・サポートの詳細に関しては、 http://www.ti.com/analogelab の『eLab™』デザイン・センター(英文)から参照できます。

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