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日本TI、DaVinci テクノロジーおよびDSP搭載製品の開発期間をさらに短縮する『Code Composer Studioversion 3.3』IDEを発表

2007年03月08日

マルチプロセシングのサポート強化ならびに使いやすいデバッグ機能によりプログラミング作業を一新、急増するシステム開発のニーズに対応

マルチプロセシングのサポート強化ならびに使いやすいデバッグ機能により プログラミング作業を一新、急増するシステム開発のニーズに対応

SCJPR-07-023 2007年3月8日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、『Code Composer Studio™ Platinum』IDE( 統合開発環境)の新バージョン、『Code Composer Studio Platinum version 3.3』 (以下『CCStudio v3.3』)を発表しました。今回の発表は、エレクトロニクス機器開発者に最新の開発ツールを提供することで、強力なデジタル・シグナル・プロセシング・テクノロジーを活用した次世代アプリケーションの実現を促進しようとするTIの継続的な取り組みの一環です。『CCStudio v3.3』はマルチプロセッサのサポートおよび解析機能を大幅に向上し、急速に増加する最先端の組み込みシステム開発へのニーズに対応します。『CCStudio v3.3』は新しく統一したブレークポイント・マネージャ機能、キャッシュ表示機能、統合されたプロファイリングおよびコード・カバレッジ機能などの強化によって、DSP開発者に一層効率的なシステム動作の解析手段を提供し、開発作業の軽減とともに迅速な新製品の市場投入に役立ちます。『CCStudio』に関しては日本TIのホームページhttp://www.tij.co.jp/ccstudio から参照できます。

『CCStudio』は最も包括的なDSP開発向けIDE製品として広く認められ、開発者に革新的な機能を継続して提供してきた実績を持っており、TIの『eXpressDSP™ 』ソフトウェアおよび各種開発ツールと一貫性を持つ合理的な開発が可能です。今回発表された『CCStudio v3.3』IDEは、マルチプロセッサ対応や数十万行にも達するコードの使用など、ますます複雑化し大容量のプログラムを実行するDSP組み込みシステムのニーズに 応えます。このような、急速に成長するデジタル・シグナル・プロセシング市場での複雑なシステムの開発には、メモリの使用状況の追跡、コード実行中に発生する問題の検知および修正、システム内のすべてのプロセッサをサポートする統一インターフェイスによる開発作業などを実現する洗練されたツール群が必要です。『CCStudio v3.3』はこのような要件に対応し、システム動作の解析およびデバッグを高効率で行えるため、開発期間の短縮ならびにコストの低減を実現すると同時に、より高い堅牢性と信頼性を備えた製品を開発できます。

TIのeXpressDSPツール担当マネージャのローリ・ビドラ(Lori Vidra)は次のように述べています。「新製品の『CCStudio Platinum v3.3』は、TIの『TMS320』DSPおよびDaVinci™ テクノロジー搭載のデジタル・ビデオ・プロセッサを使用した高性能で電力効率の高いアプリケーションを構築するために必要かつ充実した開発のサポートを提供します。『CCStudio v3.3』の発表によって、TIのDSPを使用するお客様は、 今後急速に増加する市場の需要に応える機能豊富なマルチプロセシング・システムを構築できます」

マルチプロセシング向け統合環境の提供
『CCStrudio v3.3』は強力な機能と使いやすさの実現を主眼に設計されました。このソフトウェアはワンステップでインストールでき、複数のプロセッサに単一セッションで対応できます。『CCStudio v3.3』は前バージョンの『CCStudio』と同様の表示と使用感のため短期間で慣熟でき、更新やメンテナンスも容易です。

『CCStudio v3.3』はSoCマルチプロセシング・システム向けに、さらなる統合化による利点を提供します。TIの『TMS320C6000™ 』、『TMS320C5000™ 』および『TMS320C2000™ 』の各DSPプラットフォームをサポートし、また、DaVinciテクノロジーベースのマルチプロセッサ・システムを使用する開発者に有効なARM® プロセッサのメモリ使用状況の表示機能が向上しています。ARMプロセッサのMMU(メモリ・マネジメント・ユニット)テーブルの表示機能では、物理アドレスと仮想アドレスのほかに保護情報も表示可能で、マッピングされたアドレスのすべての情報を表示できます。またフィルタおよびソート機能により、開発者は詳しい解析を行う場合にプロセスやメモリ領域に注目することが容易です。

強力で使いやすい機能を多数提供
『CCStudio v3.3』は新しい強化された多くの機能によって、より堅牢で包括的なDSP開発環境を提供します。ブレークポイント・マネージャ機能はブレークポイントを設定するための既存および新規のツール群を使いやすい一個のインターフェイス内に統一しました。新しいブレークポイント・マネージャでは複数のブレークポイントの識別、ブレークポイントでトリガした場合の表示や、その時にどのような動作を行うかなど、各種機能を容易に編集できます。また新しいシミュレーション機能では、開発者はブレークポイント・マネージャを使用することで、ウォッチポイントを設定できます。ウォッチポイントは、コード内でキャッシュやメモリの内容を壊す部分を特定するなどのデバッグ作業に使用でき、特定のメモリ・アドレスに不正なデータや意図しないデータの書き込みが発生した場合の処理の中断や、キャッシュやメモリの変更に対してブレークポイントの設定ができます。開発者はブレークポイント・マネージャのウォッチポイント機能を使用することで、非常に大きなプログラム中の膨大なコードに潜むバグの特定および修正が可能です。現在、ウォッチポイント機能は『TMS320C64x™ 』DSPの機能シミュレータで利用可能であり、今後、その他のDSPシミュレータもサポートする予定です。

その他のシミュレータ機能として、割り込みレイテンシ・チェッカがあります。この機能は、コードの割り込みレイテンシのワーストケースの確定値を提供することから、リアルタイム処理において処理時間の要件を満足するために役立ちます。この割り込みレイテンシ・チェッカは、コード実行を妨げずにCPU内の割り込み禁止因子を監視し、そのコード内の割り込みが禁止される範囲を調べることで、そのアルゴリズム内で発生するレイテンシの確定値を提供します。

キャッシュの表示機能では、拡張メモリ・ウィンドウを使用することで、ユーザーはプログラムの各命令とデータ内容を詳しく調べることができます。また、キャッシュ・メモリのアドレスのハイライト表示など、使いやすさを向上しています。さらに、コード実行中に調べるプロセッサを切り替えることができ、プロセッサ間の相互動作をより理解できるだけでなく、システム・レベルでキャッシュおよびメモリの動作を深く捉えることができます。直接編集、クリップボードへのコピー、ペーストなどの新機能によって、プログラムの内部や外部のデータを操作しやすくなりました。TAG RAM Viewer ではキャッシュの内容を属性付きで表示することで、さらに詳細な内容を提供します。
同様にレジスタ・ウィンドウでは、コアおよび周辺回路のレジスタ内容を表示します。このウィンドウでは拡張メモリ・ウィンドウと同様に使用状況の表示、各レジスタのビット・フィールドの編集、レジスタ・グループでのデコードおよびカスタマイズなどが可能です。

供給と価格について
現在、『Code Composer Studio Platinum version 3.3』の無償評価ツール(使用期間限定)は日本TIのホームページhttp://www.tij.co.jp/ccsfreetool からダウンロード可能です。『CCStudio v3.3』は、日本TIの販売特約店から購入が可能で483,000円(参考価格、税込)、年間サブスクリプション料金は84,000円(同)です。『TMS320C2000』DSP専用の製品である『CCStudio 2000 v3.3』は同71,400円(同)、年間サブスクリプション料金は60,900円(同)です。

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