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日本TI、DaVinci テクノロジー搭載のデジタルAVコミュニケーション製品の開発期間を短縮する新型開発プラットフォームを発表

2007年02月27日

最新の『DM643x』DSPベース・デジタル・メディア・プロセッサ向けに包括的なツール群およびソフトウェアを低価格で提供

最新の『DM643x』DSPベース・デジタル・メディア・プロセッサ向けに 包括的なツール群およびソフトウェアを低価格で提供

SCJPR-07-021 2007年2月27日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、低価格のシリコン・チップと高度に統合された開発ツール群の供給を通したデジタルAVコミュニケーション機器革新の一環として、2006年第4四半期に発表した『DM643x』デジタル・メディア・プロセッサ向けのTMS320DM6437 DVDP(デジタル・ビデオ開発プラットフォーム)の供給を開始します。この新開発ツールDM6437 DVDPは、参考価格73,290円(税込)の低価格でフルセットのTMS320DM6437 EVM(評価モジュール)とDaVinci™ テクノロジーの開発ツールおよびソフトウェアをバンドルしており、同テクノロジー搭載のプロセッサ向けに、全機能を内蔵した開発環境を提供します。9.95ドル(参考価格)からの低価格と高性能を同時に提供する『DM643x』新型プロセッサを搭載したDM6437 DVDPは、開発各社の全設計プロセスを通じて使用できる包括的なプラットフォームを提供し、航空機等の機内向けエンターテインメント・システム、IPベースのネットワーク監視カメラ、ビデオ電話をはじめとする広範囲のアプリケーション向けデジタル・ビデオ製品の開発を加速します。本件の詳細に関してはhttp://www.tij.co.jp/dvdppr から参照できます。

『DM643x』デジタル・メディア・プロセッサはDaVinciテクノロジーをサポートする初のDSP単独構成のデバイスであり、TIの先行のDSPデジタル・メディア・プロセッサ製品と比較して約50%のコスト低減を提供すると同時に、H.264ビデオのエンコード動作のほか、IPベースのネットワーク監視カメラなどの特定アプリケーションにおいて、ビデオ、オーディオ、ネットワーキングの各機能を十分に実行できる処理能力を備えています。開発各社はDM6437 DVDPを使用することでDaVinciソフトウェアおよび開発インフラストラクチャのすべてを利用でき、DaVinciコーデック・エンジン経由の簡単なAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)コールによって、各種のコーデックを直接制御する必要なしに、ビデオ、画像、音声処理およびオーディオなどのアプリケーションを容易に設計できます。

TIのDSPマーケティング・マネージャのジェラルド・アンドリュース(Gerard Andrews)は次のように述べています。「TIは革新を進める強い意志を持つとともに、自社のデジタル・ビデオ市場を加速する取り組みを満足する最良の方法は、DaVinciテクノロジーの各目標を達成することであると確信しています。すなわち、デジタル・ビデオ製品の開発を簡素化するよう設計され、統合化されたビデオ・プロセッサ、ソフトウェア、開発ツール群およびサポートを供給してまいります。今回発表したDM6437 DVDPには、お客様の最終製品にビデオとネットワーキングの両機能を搭載しやすくするため必要な、すべての要素を内蔵しています。さらに、これらのソフトウェアとハードウェアの他に例のない組み合わせを低価格で供給することで、開発各社はわずかな投資でこのプラットフォームを使用できます」

全機能を内蔵したツール群とソフトウェアを供給
DM6437 DVDPはデジタル・ビデオ向けの各種アプリケーションで利用可能な、最も包括的な開発ツール群とアプリケーション向けソフトウェアの組み合わせを提供し、これまで数カ月も必要であった開発期間を数週間に短縮します。DM6437 DVDPには以下の製品が含まれます。

  • エミュレータ内蔵のDM6437 EVM
  • オペレーティング・システム・カーネル: TIのリアルタイムDSP/BIOS™ カーネルおよびVirtualLogix社のLinux
  • DVSDK(デジタル・ビデオ・ソフトウェア開発キット): DSP/BIOS™ カーネル用のコーデック・エンジン、評価用ビデオ・コーデックおよびオーディオ・コーデック、DSP/BIOS™ カーネル対応のデバイス・ドライバ
  • VirtualLogix™ VLX for Digital Multimediaツール
  • PCをホストとして使用可能とし、製品開発を簡素化する『PCI Host Driver』
  • EXpressDSP™ Data Visualization Technologyをベースにした『SoC Analyzer』
  • ネットワーク対応アプリケーション開発向けのリアルタイムTCP/IPスタック付きの評価用NDK(Network Developer's Kit)
  • DM6437 DVDP専用Code Composer Studio™ (統合開発環境)
  • PCベースでのDaVinci テクノロジー・ハイレベル・デモンストレーション
  • 迅速な評価開始を可能にする評価用オーディオ/ビデオ・ファイルのサンプル

DM6437 DVDPは、DaVinci の中核的なデジタル・ビデオ機能と開発ツールをDM6437 EVMとDVDSKとともに低価格なプラットフォームとして提供します。DM6437 EVMは複数の拡張スロットを搭載し、実質的にあらゆるハードウェア試作品や周辺回路との接続性を提供します。『PCI Host Driver』によって開発各社はPCとDM6437 EVMを直接接続し、PCをホストとして使用できることから、ハードウェアの試作品の設計が完了し利用可能になる前に初期開発作業を実行できます。またDM6437 EVMはスタンド・アロンでの評価のほか、オンボードでのエミュレーションまたは標準的なJTAGコネクタ経由でPCと接続する形態でも使用可能です。

オープン・ソース・オペレーティング・システム関連各社との協力により、DM6437 DVDPには、VirtualLogix社のロイヤリティー・フリーのLinuxや評価版のReal-Time Virturlaization™ ソフトウェアが含まれています。VLX for Digital Multimedia v2.0ツールは、TIのDSP/BIOS カーネルの性能や既存のアプリケーションと、Linuxオペレーティング・システムのもつ包括的なネットワーク、グラフィックス・ユーザ・インターフェイス、汎用機能を組み合わせて、低価格な同一DSP上での同時動作を可能にします。また『DM643x』を使用する開発各社はDM6437 DVDPに内蔵されたLinuxとDSP/BIOSのカーネルに関するデモンストレーションのアプリケーションを使用し、強力な機能を備えたVirtual Logix社のVLX for Digital Multimedia 2.0を評価できます。

DM6437 DVDPのソフトウェア製品を締めくくるのは、ハイレベルのシステム調整および表示ツールである『SoC Analyzer』です。この製品は開発各社において、実行後の静的なデータ分析の代わりにSoCのストリーミング・データを表示できます。システムのインタラクションおよび負荷分配に関するデータ収集、ならびにグラフィック表示、ボトルネックの解析と判別、意図しない動作の識別、アプリケーション性能の評価などが可能となり、開発各社は手動による煩わしいデータ収集・分析比較を排除し、最高の効率および総合性能を実現できます。

供給と価格について
『TMDXVDP6437』DaVinci DM6437 DVDPは現在、参考価格73,290円(税込)で供給中です。製品の製造に必要なコーデックおよび追加ソフトウェアのライセンスはTIのオーソライズド・ソフトウェア・プロバイダ(ASP)各社から供給されます。VLXソフトウェア・ツールのライセンスはVirtualLogix社から直接供給されます。デジタル・メディア・ソフトウェア、ASP各社、ビデオ・システム開発ツールをはじめとするTIのDaVinciテクノロジー関連製品の詳細に関しては、http://www.tij.co.jp/davinci から参照できます。

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※ 商標について DaVinci、eXpressDSP、DSP/BIOS、Code Composer Studioはテキサス・インスツルメンツの商標です。VirtualLogix、Real-Time VirtualizationはVirtualLogixの商標です。その他の商標、登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。