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日本TI、マルチ・スタンダード対応の高周波RFIDリーダライタICファミリーを発売

2007年01月17日

柔軟性の高い先進設計によりリーダライタの性能向上と小型化を実現

柔軟性の高い先進設計によりリーダライタの性能向上と小型化を実現

SCJPR-07-003 2007年1月17日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、マルチ・スタンダード対応可能な、高周波(13.56MHz)RFID(無線ICタグ)リーダライタ向けのIC製品ファミリーを発表しました。先進の設計技術により、リーダライタの性能向上と部品の実装面積削減を実現することができます。『TRF7960/ TRF7961』(以下『TRF7960/61』)ファミリーのパッケージ・サイズは5ミリ角(5×5mm)です。主要規格(ISO/IEC 14443A/B、ISO/IEC 15693、ISO/IEC 18000-3)に準拠しており、これらの規格を採用した非接触式の商取引端末やIC運転免許証(ISO/IEC 14443B)の読取装置に用いることができます。

優れた電圧制御によりノイズを低減
『TRF7960/61』ファミリーは、リーダライタ設計者のために、いくつかの重要な性能特性を考慮しています。最大のリード・レンジと信頼性を達成するため、アナログアンプやデジタルアンプ、パワーアンプの電圧を制御するリニア電圧レギュレータをオンチップに集積し、電源ノイズ・アイソレーションを実現しました。リーダライタICは、対応する規格のアナログ・フロントエンド/データ・フレーミング・システムを有しています 。『TRF7960/61』ICファミリーは、AM(振幅変調)とPM(位相変調)を検出できるデュアル・レシーバ入力構成を採用しています。これにより、動作環境によっては、リーダ・アンテナとりタグのアンテナ の位置関係等により発生する「ヌル点:不感領域」注1の解消のために、AMまたはPMに選択することにより、タグの読取り性能を向上させることができます。

部品点数を減らし、小型化に貢献
これまでのRFIDリーダライタには水晶発振子が2個必要でしたが、『TRF7960/61』搭載のリーダライタでは1個の13.56MHzの水晶発振子によって、マイクロプロセッサの内部クロックにも対応します。このため、最終製品のリーダライタに使用する部品総数が低減します。日本TIのリーダライタICによって、設計に使用する部品点数が少なくなり、消費電力や実装面積が抑えられるため、感度やノイズ低減にも貢献できます。そのほかエラーチェックやデータ・フォーマット、フレーミング、衝突防止などのマルチリーダ環境に対応した機能が集積されています。『TRF7960/61』は固定型、携帯型の両方のリーダライタに対応できるように設計されています。

フレキシブルな電源調整可能を実現した低消費電力駆動
リーダライタ全体の消費電力は、フレキシブルな7段階のマニュアル設定または、オート設定が可能です。これにより、不使用部分の電力を遮断して電力節減を行います。『TRF7960/61』は入力電源電圧2.7~5.5Vdcで動作し、パワーダウン・モード時の消費電流は1μA、スタンバイ電流は120μA未満です。

供給およびパッケージについて
『TRF7961』は、ISO/IEC 15693,ISO/IEC 18000-3に準拠し、かつ日本TIのTag-it™ 製品をサポートしています。『TRF7960』は上記規格に加えて、ISO/IEC 14443A/Bにも準拠しています。いずれも、これらの規格を採用した非接触式の商取引端末のリーダライタにご使用できます。両デバイスは、高集積度、低消費電力、省実装面積を特長とし、ともに本日より日本TIおよび日本TIの販売特約店から、標準的な32ピンQFN(IC-to-Board)パッケージで供給されます。『TRF7960/61』ファミリーの評価を手軽に行えるように、マイクロ・コントローラに日本TIの超低消費電力『MSP430』を使用した評価モジュールとそのソースコードをご用意しています(別途、ソフトウェア・ライセンス契約が必要となります)。

本件に関する詳細はhttp://focus.ti.com/lit/ds/symlink/trf7960.pdf(英文)から参照できます。

注1 ヌル点:読み取り範囲において、部分的に無線ICタグの読み取りができないポイントのこと。