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日本TI、高性能DSPシステム向けに高速の過渡応答特性を備えたDC/DCプラグイン・パワー・モジュールを発表

2006年12月13日

POL電源システムにおいて出力の平滑コンデンサの容量を最高8分の1まで低減し、コストおよび基板実装面積の大幅な低減を提供するパワー・モジュール

SCJPR-06-102 2006年12月13日

PTH08T240F日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、高速の過渡応答特性、多機能、高性能とともに、出力電流10A(アンペア)を提供する非絶縁型DC/DCプラグイン・パワー・モジュール、『PTH08T240F』を発表しました。この製品は3,000μF(マイクロファラッド)と小さな容量の出力コンデンサを外付けするだけで、TIの3GHz(ギガヘルツ)動作相当の『TMS320TCI6487』をはじめとする最新のDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)が要求する、3%以内と厳しいコア電圧許容範囲に対応します。また『PTH08T240F』は高性能DSP、マイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどを使用するPOL(ポイント・オブ・ロード、負荷に接近して配置される分散型電源)システムもサポートしています。本件に関する詳細は http://www.ti.com/sc06227 (英文)から参照できます。

『PTH08T240F』はTIの『T2』製品ファミリを元に開発され、パワー・モジュールの過渡応答特性を最適化し、出力コンデンサの容量を最高8分の1まで低減できるTurboTrans™ テクノロジーを搭載しています。このテクノロジーは、外付けの出力コンデンサのコストと基板実装面積を低減するとともに、負荷の過渡変化によって発生するピーク出力電圧の変動を大幅に低減できます。

『PTH08T240F』は4.5V(ボルト)〜14Vと広い入出力電圧範囲で動作し、出力電圧1.8Vの場合に最高92%の電力変換効率を提供します。出力電圧範囲は0.7V〜2V(可変)です。過電流保護、ならびにプログラマブルの電圧低下ロックアウト機能も搭載しています。さらに、『PTH08T240F』は過熱保護、on/offインヒビット制御、差動リモート・センス、1.5%以内の直流出力安定度などの特長も備えています。

『PTH08T240F』パワー・モジュールはTIの『TCI6487』新型DSPのコア電圧許容範囲の要件を満たす、初のパワー・マネジメント素子です。この『TCI6487』DSPの詳細に関しては http://www.ti.com/tci6487 から参照できます。『TCI6487』は3コア構成のDSPであり、0.9V〜1.1Vのコア電源電圧範囲に対して、過渡負荷条件化を含め±3%以内に電圧制御することを要求します。『PTH08T240F』では約5,000μFの外付け出力コンデンサのみでこの要求を満たします。『PTH08T240F』が提供する高い性能によって、ワイヤレス基地局製造各社がこれらの新型DSPを使用する場合に、最適な電源性能と変換効率を実現するとともに、電源システムの設計を簡素化できます。

また『PTH08T240F』パワー・モジュールにはSmartSync機能も搭載されています。この機能により、複数のモジュールのスイッチング周波数を同期させ、EMI(電磁輻射妨害)ノイズ対策を簡素化するとともに、入力コンデンサのリップル電流の要件を低減できます。また『PTH08T240F』はAuto-Track™シーケンス機能も搭載しています。この機能により、システム内で複数のパワー・モジュールの電源投入および切断の同期を簡素化できます。

『PTH08T240F』の特性表

項目 PTH08T240F
入力電圧範囲 4.5 V 〜 14 V
出力電圧範囲 0.69 V 〜 2 V
出力電流(最大値) 10 A
回路形式 降圧型
ピン/パッケージ 11DIP MODULE
動作温度範囲 -40 ℃〜+85 ℃

価格と供給について
『PTH08T240F』は現在サンプル出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。量産出荷は2007年初めに予定されています。本製品は表面実装およびスルーホール・パッケージで供給されます。1,000個受注時の単価の参考価格は11.80ドルです。データシート、アプリケーション・ノート、サンプルおよびTIのパワー・マネジメントIC(集積回路)のポートフォリオに関しては http://power.tij.co.jp(日本語) から参照できます。

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