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TI、『OMAPV1035』シングルチップ・ソリューションを発表 65nm採用、低価格かつ多機能のフィーチャ・フォン向け

2006年11月16日

新『eCost』プラットフォーム、DRP技術を採用

(2006年11月9日北京発表プレスリリース抄訳)
SCJPR-06-092 2006年11月16日

テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、社長兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称: TI)は、低コストでマルチメディア機能搭載の多機能携帯電話の開発を促進する『OMAP-Vox™』シングルチップ・ソリューションを発表しました。
『eCosto』というコードネームで開発が進められてきたシングルチップ・プラットフォームで、現在すでに量産に入っている低価格端末向け『LoCosto』バリュー・プラットフォームにも活用されている TI の画期的な DRP™ 技術を採用しています。また、同じく量産中の『OMAPV1030』ソリューションで用いられている『OMAP-Vox』プラットフォームのマルチメディア機能も活用します。
『eCosto』による最初の製品は『OMAPV1035』というシングルチップ・ソリューションで、65 ナノメートル(nm)プロセスを使用し、GSM 規格と GPRS 規格、EDGE 規格をサポートする予定です。

『eCosto』プラットフォームは、TI の最先端の洗練された集積技術である DRP™ が使われています。DRP™ 技術とは、CMOS プロセスにてワイヤレス・チップを設計する際の TI による先駆的アプローチで、デジタル技術の適用により無線周波数(RF)処理をシンプルに実現します。RF トランシーバとアナログ・コーデックをデジタル・ベースバンドに統合することで、基盤面積の大幅な縮小やバッテリ寿命の延長が可能になるとともに、多用途で強力な端末が得られます。

『OMAPV1035』シングルチップ・ソリューションにより、現在、TI の『LoCosto』プラットフォームと『OMAP-Vox』プロセッサを採用しているメーカ各社は、驚くほどマルチメディア・リッチな端末を非常に安価に製造し、その製品ラインナップを簡単に拡充することができます。新しい『OMAPV1035』ソリューションは、現行の『OMAPV1030』ソリューションと同じソフトウェア・プラットフォームを共有するため、『OMAP-Vox』を採用しているメーカ各社はアプリケーションやモデム・ソフトウェアに対する既存投資を再利用し、マルチメディア・リッチな普及型携帯電話を素早く、低コストに開発することが可能となります。

TI のワイヤレス・ターミナル製品事業部セルラーシステム担当バイス・プレジデント 兼ゼネラル・マネージャーのアラン・マトリシー(Alain Mutricy)は次のように述べています。「新興市場での展開は、音声を中心とした基本的なマルチメディア・アプリケーションだけ対応していれば良いという段階を既に超えています。TI としても、従来以上に高度なマルチメディア機能をシングルチップ携帯電話ソリューションに搭載しなければならないと考えます。現行の『LoCosto』ソリューションが量産段階に入ったことも鑑み、TI では、高度なマルチメディア端末のシステム・コストを大幅に削減する『eCosto』プラットフォームにより、DRP シングルチップ技術をさらに推進する考えです」

市場アナリストの In-Stat グループによると、中国は、現在 4 億回線もの契約を持つ世界最大の携帯電話市場であり、今後も、年率 15 〜 20 パーセントの成長が見込まれています。In-Stat はまた、中国でも音楽機能やカメラ機能を搭載した携帯電話が今後増加し、マルチメディアが普及するものと見ています。『OMAPV1035』ソリューションはコスト効果が高いマルチメディア・リッチ・ソリューションとして特に設計されたもので、次世代型の GPRS 端末や EDGE 端末に最適です。

『eCosto』プラットフォームが提供するマルチメディア・リッチ機能には、QVGA の解像度で 30 フレーム/秒に対応したビデオのキャプチャや再生、ストリーミング、3 メガピクセルまでの撮影が 1 秒以下の間隔で可能なデジタル・スチル・カメラ、カラー液晶、ポータブルなビデオ・ゲーム機に匹敵するグラフィックスを持つインタラクティブな 2D/3D ゲームなどがあります。『OMAPV1035』ソリューションは、ハードウェア・アクセラレーションにより、最高 10 万ポリゴン/秒もの 3D グラフィックス処理や高速 Java 処理を実現します。また、ARM9™ をコアとし、DSP を搭載した 65 nm プロセスによる業界初の完全集積型シングルチップ・デジタル・ベースバンドです。高い処理性能を要するマルチメディア重視型のアプリケーションの実行において、課題となる消費電力の問題に対応しつつ、高機能化と小型化を両立させます。

供給について 『OMAPV1035』シングルチップ・ソリューションは、2007 年前半のサンプル出荷開始、2008 年の量産を予定しています。『OMAPV1030』ソリューションは既に量産中で、さまざまな端末に搭載されています。
『OMAPV1035』ソリューションに関する詳細はwww.ti.com/omapv1035(英文)から参照できます。

新しい『eCosto』シングルチップ・プラットフォームの発表は、TI のシングルチップ・ロードマップにおける新たな成果であり、新興市場へのワイヤレス技術の普及をさらに推進するものでもあります。TI は 2004 年に携帯電話向けシングルチップ・ソリューションを業界に先駆けて発表しました。現在、世界で 15社以上の端末メーカが、TI の『LoCosto』シングルチップ・プラットフォームを採用し、安価な GSM/GPRS 端末を提供しています。TI の DRP テクノロジーによって可能となった『LoCosto』バリュー・プラットフォームによる端末は、モノクロ・ディスプレイを持つ音声通話専用の GSM 電話から MP3 や Bluetooth® 、メガピクセル・カメラに対応した端末まで、各種販売されています。新興市場では、2010 年までにさらに10億回線の契約が増えると予想されており(GSM アソシエーション調べ)、今後もワイヤレス分野は力強い成長が続くものと思われます。

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